『21世紀の楽しいサーフィン』力を使わず疲れないパドリング方法とは
ライター: ドジ井坂
ドジ井坂です。(私については…『ドジ井坂』ドジと呼ばれて50数年、この名前の由来とは)。21世紀の楽しいサーフィンは、まずパドリングで疲れないことです。20世紀は、パドルしていればそのうち疲れなくなる??といった根性論的なアドバイスが多かったと思います。ですから、筋肉を鍛えないといけない!サーフィンしていないと筋肉が衰えるからパドリングも出来なくなる、と今でも考えている方が少なくないようです。
近年用具も軽量化し、様々なスポーツや身体のことを学ぶようになると、21世紀にスポーツを楽しむためには、筋トレよりもまずそれぞれのスポーツの理論とそれに必要な動作感覚を練習していれば、筋トレしないでスポーツを楽しむことが出来ると考えるようになりました。
特に自然の中のスポーツは、風や風が起こす波や流れや水の自然の力に真っ向逆らうのではなく、その自然の力の中に入って、その力を上手く利用するノウハウが必要なのです。飛行機も力学上風の中に入っていればコントロールできますが、風の外に出されると吹き飛ばされてしまいます。サーフィンも波の力(力学上の)の中にいれば波に乗れます。しかし沖に向かう時、波の外側にはもの凄い力があることを感じますね。その力に真っ向から逆らっているのが防波堤などの波の力に人工構造物で対抗するという、巨大な津波で懲りたのに、また波に対抗する構造物を作るという20世紀の考え方です。
サーファーは、巨大な波の力に逆らわないように沖に出るドルフィンスルーなる技を見つけました。波の力と上手くつきあう方法をサーファーは知っているのです。話がそれてしまいました。今回はパドリングの解説です。
20世紀は、人間が水を漕ぐには筋力が必要と考えました。しかし、水の中を推進する動作に筋肉が必要なら、魚や水鳥の推進力や筋力の少ない子ども達のパドリングは説明出来ません。そこで僕が考えたのが,パドリングのジャパンメソッドです。
オージーメソッドよりかなり進化した内容だと思います。目から鱗なのです。まずは以下両手を同時にパドルするファンボード向きのストロークのシークエンスをご覧下さい。
多くの素人解説のサーフィン入門書には、両手は進行方向の前に出してパドルを始めるとあります。写真や動画で観ると、両手は確かに前の方から後にパドルしています。しかし論理的に考えてみると、前に手がある状態では水を漕ぐことはできませんね。人間が歩く時、身体より足を前に出すだけでは歩けませんね。反対の足が前ではなく身体の後に足が動く(伸びる)ことで身体が前に移動するわけです。身体の中心から後ろに押し出す動作をすれば前に進みます。腰の周辺から少しずつ魚や水鳥のように手をひらひらさせて、肘やかたも柔らかく動かしてパドルしてみてください。
但し、この動作は人間の日常の動作には無い動作なので、しっかり練習して動作を身体で覚えないと、いつもの日常の動きに戻って上手くいきません。初心者のみなさん、この手や肘や肩の動きをそっくり真似て陸上でトレーニングしてから、海で試してみてください。20世紀の旧型のパドリングをしているサーフィン経験者より、疲れない楽ちんパドルを手に入れることができますよ。これは両手を同時にパドルするファンボード向きのストロークですが、次回は両手を交互にストロークする、さらに全身を使って楽ちんパドルの解説をします。お楽しみに。
これは浜松のムラサキスポーツ志都呂店の毎月第一日曜日の夜に開催しているドジ井坂のトレーニング講座の様子です。他にも東京や湘南でも夜のトレーニング講座開催しています。メールでの問い合わせ: info@beachschool.com
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この記事を書いたライター
ドジ井坂
ドジ井坂です。
全日本プロサーフィン選手権初代チャンピオン。日本人初の世界選手権出場、シェイパーとしても活躍し、1968年から世界のサーフィンを実体験し、40年以上にわたる指導経験から、入門書など多数。そのサーフィン基礎理論は、身体の動作研究にも及び、海のスポーツ特有の理論研究とそのトレーニング用具開発に進化している。
東京オリンピックに向け、サーフィンのトレーニングにスケートボードも導入し、日本人に適した動作感覚とバランスのシュミレーショントレーニング「ドジ井坂ジャパンメソッド」の普及活動を始めた。
もっと気軽にビーチを通年活用していくためのコミュニティ活動「ビーチクラブ構想」を国土交通省支援の下に立ち上げ全国13箇所で展開、一般社団法人ビーチクラブ全国ネットワーク理事長。海岸の様々な利活用に関する神奈川県や千葉県、地方自治体の委員を歴任。海や海岸のジャンルをも飛び出してしまう超マルチな活動を今も精力的に展開。1948年神奈川県茅ケ崎市生まれ。の今は「海オヤジ」。
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