『波の力を上手く利用すればサーフィンはできる!(前編)』パドリングターン
ライター: ドジ井坂
テイクオフを、サーフボードのターンの視点から考えてみる(前編)
ドジ井坂です(私については…『ドジ井坂』ドジと呼ばれて50数年、この名前の由来とは)。上手いサーファーのテイクオフは、リラックスしてゆったりしていて、それで軽快な動作に見えます。すべてのスポーツのトップアスリートに共通する無駄のない動作です。今回はテイクオフを、サーフボードのターンの視点から考えてみることにします。
テイクオフのところで、なんでターンの話になるの?みなさんは波にテイクオフしてからその次にターンするのがサーフィンと考えていませんか?テイクオフしたら波のボトムへ真っ直ぐ降りる?・・・そしてターンする?・・・・これは20世紀の重たい大きめのボードの時代の話なのです。
ショートボード時代の基本ターンは、ほんの少し左右に体重移動すれば、サーフボードは傾いた方へ方向転換します。それはフィンの無いアライア(フィンの無い一枚板の古代ボード)でも、ボディボードでもスキムボードでも同じ理論です。波の力に押されて進んでいるボードは、体重移動で傾いて沈んだ側の接水面が大きくなり、体重のかかった抵抗の大きいほうへ、ボードは方向を変えます。
車や自転車でハンドル操作を考えてみましょう。特に高速で走っている時は、ハンドル操作は小刻みな動きです。ハンドルを急激に操作すれば、方向を急に変えることは出来ますが、スピードは減速するし操作も難しいはずです。
波の力を利用してボードを傾けるだけのシンプルなボード操作が出来るサーファーは、同じ波なのにライディングが加速しています。みなさんも一生懸命ターンしているのに、どうして加速しないのでしょうか?
昨年の一宮オープンのM.Fernandez Brazilのテイクオフシークエンスです。このシークエンスには3つのターンが出てきます。
1)パドリングターン
・波の良いポジションから乗るためのパドリングターン
まずテイクオフのパドリングの時点で、最初のターンが始まっているのです。これを「パドリングターン」と名付けました。それはパドリングしながらボードを左右交互に小さく揺することで、少しずつポジションや方向を変える微細ターンなのです。これはフラットな水面でもボードの方向を変えるターンとして役に立ちます。
パドルする毎に少しずつターンしているのですが、波の動きと一体となっているため、なんとなくテイクオフポジションが移動しているだけで、みなさんが想像するボードのターンには見えません。このテクニックを使えば、テイクオフ動作中に少しボードの方向を変え、より際どい波の奥から高速ターンに入れるのです。
・腰の左右への振幅動作で行うパドリングターン
ボードを左右に軽く揺する操作は、腰の左右への振幅動作で行います。もし太ももに力が入っているとボードを左右に揺らすことはできません。太ももに力が入っているサーファーの多くが、腕がパンパンに筋肉痛になりやすいパドリングです。このパドリングターンの動作は、ドジ井坂の「ジャパンメソッド」のバランスキューブの陸トレで、身体で動作を感じて改善することが出来ます。このトレーニングで、腕や肩が筋肉痛から解放される、パドリングとテイクオフを同時に上達することが出来ます。
後編へ続く…
・後編→『波の力を上手く利用すればサーフィンはできる!(後編)』基本ターン・特殊ターン・ドジ井坂ワンポイントアドバイス
ドジ井坂ジャパンメソット
正しい理論に基づいた陸トレーニングは、ドジ井坂が開講している夜のトレーニング講座やクリニックで体験できます。※トレーニングスケジュールと参加はこちら→︎ beachschool.com から。初めての方もお気軽にお問い合わせ下さいね!
・テイクオフシート
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この記事を書いたライター
ドジ井坂
ドジ井坂です。
全日本プロサーフィン選手権初代チャンピオン。日本人初の世界選手権出場、シェイパーとしても活躍し、1968年から世界のサーフィンを実体験し、40年以上にわたる指導経験から、入門書など多数。そのサーフィン基礎理論は、身体の動作研究にも及び、海のスポーツ特有の理論研究とそのトレーニング用具開発に進化している。
東京オリンピックに向け、サーフィンのトレーニングにスケートボードも導入し、日本人に適した動作感覚とバランスのシュミレーショントレーニング「ドジ井坂ジャパンメソッド」の普及活動を始めた。
もっと気軽にビーチを通年活用していくためのコミュニティ活動「ビーチクラブ構想」を国土交通省支援の下に立ち上げ全国13箇所で展開、一般社団法人ビーチクラブ全国ネットワーク理事長。海岸の様々な利活用に関する神奈川県や千葉県、地方自治体の委員を歴任。海や海岸のジャンルをも飛び出してしまう超マルチな活動を今も精力的に展開。1948年神奈川県茅ケ崎市生まれ。の今は「海オヤジ」。
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