『バリ島暮らしのお金の話し』物価面の意外な落とし穴

ライター: 有本圭(KEI ARIMOTO)

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バリ島 海

エンドレスサマー。

いつでも素晴らしい波がある。サーファーが移住先を選ぶにあたってこれ以上の条件は他には見当たらない。私がバリ島に移住することを決意するうえで、この2つの条件(素晴らしい波物価面)が満たされていることが大きな要因だったことは言うまでもない。しかし家族と共に海外移住するとなるとそれ以外の外堀も埋めていかなくてはならない(教育、医療、インフラ、衛生、物価など)。今まで以下のことについてご紹介してきた。

1.家族で『バリ島移住』を決断するにあたりリサーチした4つのポイント
2.家族で湘南から『バリ島移住』するまでの経緯と移住から5年が経って

今回は移住以前には大きなメリットとして捉えていた『物価面』、つまりお金の現実についてお話ししてみようと思う。このバリ島移住を後押ししてくれた『物価面』には意外な落とし穴があった。バリで暮らせば安く上がるというのは大変な思い違いだったのです…

バリ島の物価の現実

インドネシアの物価は日本のそれと比べると低いのは事実である。マーケットで食材を購入し、自炊すれば日本より安く上がる。スーパーやコンビニでの買い物も日本よりは安く済む印象はある。

ただしすべてがまんべんなく安いというわけではなく、部分的には日本より高いものもたくさんある。例えば日本の『100均』で当たり前のように売られているようなものがバリ島では何倍もの値段が付けられている。特にプラスティック製品は日本よりおしなべて高いようだ。しかもクオリティは低いときた。

また観光で成り立っている島なのでツーリストをターゲットにしたレジャー施設は日本より高いといえよう。子どもを遊ばせる施設は充実していない上に割高感があるのだ。

バリ島

 

海外暮らしだからこその出費『移動費』

私は現在、仕事の関係で年に4〜5回のペースで日本に帰国している。そのうちの1〜2回は家族を連れ立っての帰国だ。航空券だけでも大きな出費だ。それに加えて日本での滞在費がバカにならない。また、インドネシアで暮らすためのVISAの手続きや更新にも相当なコストがかかる。

これらの出費は私自身の仕事のスタイルにもよるので参考にならないかもしれないが、海外暮らしを続けていく上で日本に帰国しなくてはならない機会はわりと頻繁にあるものだ。

日本人としての『食費』

前述の通り食材はわりと安く手に入れることができる。地元の市場を利用すればスーパーマケットよりもさらに安く購入できる。しかし日本人として日本食を求めてしまう私たち家族にとっては、例えば日本の調味料などは日本スーパーマケットの3倍以上の価格が付けられている。バリからするとそれらは輸入食品ということになるわけなのでとにかく全てが高めの設定だ。そういったものは極力帰国時に日本で買い揃えるようにはしているが、日本で暮らしている時と比べてバリでの食費が大幅に下がったという印象はない。

外食にしてもローカル飯に関しては一食200円程度で済んでしまうのだが、やはりなんだかんだと言ってツーリストが集まるようなレストランに行く機会が多くなってしまう。ツーリスト向けのレストランは日本で外食するよりむしろ高くつくこともある。

バリ島

『家賃』

家賃に関してはいくらでも安く抑えることができる。家族3人で年間50万も払えばまあまあの家が借りられるはずだ。しかし私の場合、日本で支払っていた家賃を使ってできるだけいい環境で暮らすというテーマがあったため、家賃面に関してはほとんど変わらないというのが現状だ。

大きな落とし穴であった『教育』

実は海外暮らしの大きな落とし穴は教育にあると実感している。海外暮らしをする=『公立』という選択肢がなくなる、ということを意味する。

通常、インターナショナルスクールに通わせるという選択になってくるのだが、これが恐ろしく高い。娘は日本でいうところの幼稚園に通っているのだが、日本でいうところの私立のセレブ学校と同等の学費を支払っていることになっている。

バリ島暮らしの現実

バリ島は物価のベースが低いのでその気になればいくらでも安く暮らしていくことができる。事実、バリの人々は平均的に3〜5万の給料の中で暮らしている。しかし実際には日本人としてのアベレージの生活を営んできた者にとって彼らと同じような暮らしをするのは現実的とはいえない。日本の水準をバリ島で実現しようとするとやはりそれなりに費用がかかってしまう。

「日本で暮らした方がよっぽど安いよね。」

妻との会話の中で何度となく出てきたセリフだ。物価は低いがコストはかかる。それがバリ島暮らしの現実なのだ。

 


 

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この記事を書いたライター

有本圭(KEI ARIMOTO)

有本圭(ありもと けい)
バリ島在住のフリーライター。2000年よりプロロングボーダーとしてコンテストで活躍する傍ら、旅行会社からのサポートを受けながらサーフボードと抱えて世界中を旅してまわる。プロツアーを引退した後、経営者としてのキャリアを経て、2012年に家族とともにバリ島へ移住。現在、ライターとしてサーフィンの魅力を伝えていくことに加え、ライフスタイル、バリのカルチャー、環境問題、家族、仕事などをテーマに幅広く執筆活動に励んでいる。
・Instagram→@keiarimoto
・Blog→sw-players.com/