家族で湘南から『バリ島移住』するまでの経緯と移住から5年が経って

ライター: 有本圭(KEI ARIMOTO)

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バリ島移住

海外移住を始めるにあたって

今回のコラムは前回(家族でバリ島移住を決断するにあたりリサーチした4つのポイント)の続きとなる。

インドネシア バリ島に移住する以前、私は家族とともに湘南で暮らしていた。ビーチから徒歩2分の場所に住居と事務所を構えており、それなりに理想的なライフスタイルを送っていた。しかしそれがゴールであるかと聞かれると、そうではなかった。私の究極の夢は『エンドレスサマー』。常夏の場所で暮らすことだった。

1年間の準備を経て、2012年に妻と1歳になったばかりの娘を連れてインドネシアのバリ島の地に降り立った。「どうせもうバリに住むって決めたんでしょ」と頑なに下見を拒絶していた妻と娘にとっては初めてのバリ島だった。

まだ日本語すらたどたどしかった1歳の娘はともかく、妻がこの島に慣れてくれることが移住を成功させるための最大の難関だった。妻にバリ島を気に入ってもらうことが目下の目標となった。そこで私は移住から2ヶ月間はすべての仕事をキャンセルし、家族と時を過ごすことを決意したのだ。

意外なところから道は拓けていった

バリ島移住

初めて訪れる外国で暮らし始めるというのは一体どのような感覚なのだろう。特に旅慣れていたわけではなかった妻にとっては期待より不安の方が大きかったはずだ。移住後の2ヶ月間は『暮らす』というよりは『旅行』に近い時間を過ごすように心がけた。楽しくなくては妻の心は簡単に折れてしまうだろうと思ったのだ。2ヶ月間は奮発してホテルの良い部屋に宿泊し、朝食は周辺のホテルのバイキングを食べ歩きした。ビーチで遊び、観光し、生活に必要なものを少しずつ買い揃えていった。

それでも時々「やっぱり日本に帰りたい」と弱気が顔を覗かせた。妻にとっては何かを相談する友達もいなく、文字どおり右も左もわからない生活は孤独と不安の連続だったはずなのだ。

そんな不安定な状況が思いもよらぬところから好転し始めた。それは意外にもインドネシア語を習い始めたことがきっかけとなった。それまで彼女は英語すら全く話すことができなかった。しかし海外で暮らしていくには言語の習得は必須であった。苦手意識のある英語ではなく、あえてインドネシア語から習い始めた妻は文字どおり『ハマった』のだった。

初めて経験する外国人とのコミュニケーションが新鮮だったらしく、インドネシア語の習得に没頭していったのだ。それがきっかけとなってインドネシア人の友達ができ、バリの生活がイキイキと輝きだしたのだ。紆余曲折諸々あったが、妻のおかげでバリ島移住は順調に滑りだしてくれた。

5年の年月が流れて

バリ島移住

それから5年の月日が流れた。今では妻はたくさんのいい友達に囲まれて、傍目にも幸せそうな日々を送っている。インドネシア語もかなり堪能になっており、インドネシア人の友達と話していると彼女もインドネシア人に見えてきてしまうほどだ。
娘は日本で暮らしていた記憶は全くなく、完全にバリの子と化している。学校では基本的に英語が使われているので今では日本語より英語の方が得意になってしまっている。ちゃんと日本語を教えていかなければならないというのが目下の悩み種となっている。

振り返ってみると移住当初に心配していたようなことはほとんどクリアできたと言ってもいい。しかし、その当時には考えもしなかった壁がいくつも現れていることも事実だ。その壁は意外なほど高く、乗り越えていくには相当なパワーが必要だった。5年間を振り返ってみて今言えることは、海外暮らしは甘くはない、ということだ。

次回はバリ島移住を後押ししてくれた『物価面』に意外な落とし穴があったことについて書いてみようと思う。バリで暮らせば安く上がるというのは大変な思い違いだったのです。

続きは▶︎『バリ島暮らしのお金の話し』物価面の意外な落とし穴



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この記事を書いたライター

有本圭(KEI ARIMOTO)

有本圭(ありもと けい)
バリ島在住のフリーライター。2000年よりプロロングボーダーとしてコンテストで活躍する傍ら、旅行会社からのサポートを受けながらサーフボードと抱えて世界中を旅してまわる。プロツアーを引退した後、経営者としてのキャリアを経て、2012年に家族とともにバリ島へ移住。現在、ライターとしてサーフィンの魅力を伝えていくことに加え、ライフスタイル、バリのカルチャー、環境問題、家族、仕事などをテーマに幅広く執筆活動に励んでいる。
・Instagram→@keiarimoto
・Blog→sw-players.com/