サーファーズイヤーを専門医が解説!症状・原因・予防・最新の治療方法

ライター: WAVAL

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サーファーズイヤーフルスーツの時期から耳栓予防はしておきたい

およそサーフィン歴10年程でサーファーズイヤーの兆候が

サーファーなら必ず気にしておかなければならない耳の病気、サーファーズイヤー。症状が酷くなると私生活にも支障をきたし、手術が必要になる場合があります。後悔先に立たず。今回はサーファーズイヤーとは?予防方法や治療方法などを、耳鼻咽喉科専門医の中西 悠(Haruka Nakanishi)氏に話を伺いました。

【Index】
・サーファーズイヤーとは?原因は?
・サーファーズイヤーの症状
・サーファーの何割がサーファーズイヤーなのか
・寒い地域はサーファーズイヤーになり易いのか
・サーファーズイヤーになり易い寒さの目安
・予防の耳栓をすべき季節
・耳栓を使用する利点
・手術が必要になるタイミング
・手術方法や復帰時期
・手術の金額

・サーファーズイヤーとは?原因は?

「長年にわたり冷水と冷たい風の2つの刺激を受け続けることで、以下図の耳の奥にある骨が増殖してきます。冷水に加え、風にさらされることで余計に熱が奪われて冷えてしまうのです。それにより様々な症状がでてくるのがサーファーズイヤーです。」

・サーファーズイヤーの症状

「耳が約50%超えてふさがってくると水抜けが悪くなり、不快感を感じます。更にはかゆくなって、自ら触って腫れたりもします。そして8〜9割ふさがってくると、耳垢が溜まり易くなったり、酷くなると難聴になったり、痛みがでたり様々な不具合が出てきます。」

・サーファーの何割がサーファーズイヤーなのか

「母集団の属性にもよりますが、以前サーフィン大会でサーフィン熱心な方を検査したところ、半分近くの方がサーファーズイヤーの兆候がありました。また熱心なサーファーで日本の水温や気温だと、サーフィン歴約10年くらいの方はその兆候があるかな。という感覚です。」

・寒い地域はサーファーズイヤーになり易いのか

「同じサーフィン頻度でしたら、寒い地域の方がサーファーズイヤーに易いです。しかし人によって個人差はあるんです。毎日海に入っていてもならない人もいれば、週末サーファーでもなる方はいます。また右だけなって左はならないという方もいます。風向きとか様々な要素も関わるので何とも言えないですが、寒さとかかり易さは比例します。」

・サーファーズイヤーになり易い寒さの目安

「以前、宮崎県にいたのですが、宮崎のように比較的暖かい地域でも手術される方はいます。沖縄などだとまた1ランク暖かくなるので減ります。以前、バリ島などでも検査した時はほとんどの方が正常な耳でした。トランクで年中サーフィンできるエリアはかなりかかり難いです。ウェットスーツが必要な寒さから気をつけた方が良いですね。」

・予防の耳栓をすべき季節

ウェットスーツ、少なくともフルスーツ着ている時期は耳栓をした方が良いです。でも冬だけでもやってもらえたら大丈夫かな。と思います。そして予防意識を高める為にも10年くらいサーフィンやっている方、水抜けが悪いと感じる方は、1度は耳鼻科で検診されることをお勧めします。」

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サーファーズイヤー

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・耳栓を使用する利点

1.外耳道への寒冷水刺激を和らげ、サーファーズイヤー形成予防と進行を防ぐ
2.耳への水の浸水を防ぐ
3.サーファーズイヤー術後の再発予防効
4.寒い時期に外耳道が冷やされず体感的に暖かく感じる
5.ワイプアウトの際などの鼓膜損傷を防ぐ

・手術が必要になるタイミング

「なかなか水が抜けなくて2〜3日かかることもあります。何か症状がある場合、困っていると感じる時が手術が必要な時。サーファーズイヤーであっても支障を感じなければ手術の必要はありません。」

・手術方法や復帰時期

「手術の方法はいくつかあります。耳の後ろを切る方法や、耳の中からノミだけを使って、ドリルを使わずにやる方法があります。ノミだけを使う手術方法なら、耳の奥にある大切な鼓膜や、顔の動きをつかさどる顔面神経を切ってしまうリスクを防ぐことができます。またノミを使うと中の皮膚を守りながら直せるので2〜3週間でサーフィン復帰できます。」

「オーストラリアやニュージーランドなど、海外から手術を受けに来る方も多くいらっしゃいます。最初の手術がとても重要で、しっかり突出してしまった部分を切除しないと再発することもあります。」

・手術の金額

「金額は両耳で10万円〜が目安。片耳づつしか手術しない医師や、両耳一度に行う医師と、金額や方法、指針はそれぞれ病院によって異なります。」


-WAVAL編集後記
ウェットスーツの必要な時期は耳栓が必要。耳栓が嫌いな人も、少なくてもフルスーツの時期だけはしておきたいですね。また耳栓はサーファーズイヤー予防の他、体感温度が上がることや、ワイプアウト時の耳への衝撃を和らげるなどのメリットもあるというのは新発見でした。また医療も日進月歩してますので自分の納得する手術方法を探してみて下さいね。


情報提供:
耳鼻咽喉科専門医
中西 悠(Haruka Nakanishi)
サーファーズイヤー

医学博士
日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医
https://www.oikiiin.com/tag/yunakanishi/
*プロフィール詳細:https://surfersear.jp/profile/

・取材協力
株式会社マニューバーライン
http://maneuverline.co.jp/

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