『スピードに乗った究極の高速サーフィン』テイクオフ後の基本姿勢
ライター: ドジ井坂
筋力トレーニングと動作センストレーニングについて
ドジ井坂です。トレーニングというと、筋トレすることだと思っている方が多いですね。筋肉を鍛える?それは、一昔前の20世紀の肉体労働の考え方だと僕は考えています。重い木製のボードを操作していた1950年代は、サーフィンも肉体運動でした。しかし21世紀には、強度に優れた軽量素材が開発され、テニスの錦織選手が証明しているように、軽量な用具を使いこなすセンスがあれば、筋力やパワーを鍛えるよりも動作感覚でスポーツを楽しめる時代なのです。
世界のトップCTサーファーを見れば、波の力を上手く使うサーフボードを操作する動作センスで、スピードに乗った究極の高速サーフィンが出来るのがわかりますね。ランク下のサーファーの中にはボードを動かそうと力んでいるサーファーがいますが、そこが決定的な違いなのです。
では、どのように動作センスをトレーニングすれば良いのか。今回もドジ井坂のジャパンメソッド「サーフィンの陸上トレーニング」について解説していきましょう。
テイクオフ後のターンについての論理的なトレーニング
前回テイクオフ時の手のつく位置やボードの上に起きる動作について解説(『サーフィン陸トレーニング』テイクオフ時の手のつく位置や立ち方)しました。ではテイクオフしてボードに立ち上がってターンに入る姿勢について論理的なトレーニングしたことありますか?
よくスクールでやっている、「一気にボードにポンと?立ち上がる?」は、ロングボードならなんとか出来ますが、ショートボードなら力んだままでターンが上手く出来ません。
太股で踏ん張ると全身が硬直して、腰が柔らかく90度転回できないために上半身が進行方向に対して、以下の写真のように横を向いてしまいます。踏ん張っているとバランスも悪くターンできないので、無理矢理上半身を力で振り回してターンしているつもりになっている・・・サーファーはこの姿勢になっています。
・ライディングの姿勢練習:横向き
膝から曲げて太股に力が入ると、身体全身の筋膜にも力が入り、腰も柔らかく90度転回できないのです。この姿勢では力んで柔らかい動作が難しいために、無理矢理ボードを振り回してターンしている気になっている方が多いです。
上手いサーファーは、力まずグニャグニャと柔らかいテイクオフ動作をしていませんか。その上手いサーファーの動作をシュミレーションするのがドジ井坂のテイクオフ体操です。無駄な力が入らない、身体のバランスと腰の位置を正確にマスターすれば、上半身は必ず以下の写真のように進行方向を向いているの姿勢になるはずです。
・ライディングの姿勢練習:進行方向正面向き
ヨコ乗りスポーツ、サーフィン、スケートボード、スノーボードは、柔らかく腰を90度転回する姿勢が基本です。これもドジ井坂のジャパンメソッドです。
ハワイのJoshua Monizの上半身が進行方向を向いて、テイクオフからターンへのシークエンスを見て下さい。力まない柔らかなコンパクトな動作でターンしているのがわかると思います。上半身は振り回していませんね。ボードにスピードがあれば、肉眼ではわからないほんの少しの微細な体重移動で、十分にターンできるのです。高速運転のハンドルを大きく動かしたら事故ですよ。
・Joshua Monizのシークエンスの解説
このJoshua Monizのテイクオフからターンへのシークエンスをみれば、テイクオフ動作から上半身が進行方向に正面を向いているのがわかります。そしてその姿勢から腰の進行方向左右への移動でターンが行われているのがわかります。身体やボードを振り回してはいないのです。
・テイクオフ動作のイラスト
この姿勢が柔らかい動作で出来るようになると、テイクオフの加速そして高速ターンへの体重移動がコンパクトな動作で出来るようになります。この進行方向に対して正面を向くをシミレーショントレーニングで記憶しましょう。小さな動作で正確な高速ターンが出来るようになります。しかし、外見だけ真似てもダメなんです。肝心なのは身体の中の動作をトレーニングすることです。
半信半疑でよくわからない方は、是非ドジ井坂が開講している夜のトレーニング講座やクリニックで体験してみて下さい。
※トレーニングスケジュールは beachschool.comのHPでをご確認ください。Youtubeやブログはできる限り、最新のものをご覧ください。ドジ井坂のジャパンメソッドは、日々進化し続けています。
続く
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この記事を書いたライター
ドジ井坂
ドジ井坂です。
全日本プロサーフィン選手権初代チャンピオン。日本人初の世界選手権出場、シェイパーとしても活躍し、1968年から世界のサーフィンを実体験し、40年以上にわたる指導経験から、入門書など多数。そのサーフィン基礎理論は、身体の動作研究にも及び、海のスポーツ特有の理論研究とそのトレーニング用具開発に進化している。
東京オリンピックに向け、サーフィンのトレーニングにスケートボードも導入し、日本人に適した動作感覚とバランスのシュミレーショントレーニング「ドジ井坂ジャパンメソッド」の普及活動を始めた。
もっと気軽にビーチを通年活用していくためのコミュニティ活動「ビーチクラブ構想」を国土交通省支援の下に立ち上げ全国13箇所で展開、一般社団法人ビーチクラブ全国ネットワーク理事長。海岸の様々な利活用に関する神奈川県や千葉県、地方自治体の委員を歴任。海や海岸のジャンルをも飛び出してしまう超マルチな活動を今も精力的に展開。1948年神奈川県茅ケ崎市生まれ。の今は「海オヤジ」。
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