『カノア五十嵐』今季2度目のQS優勝!来季ワールドツアー残存確定
ライター: Mg
カノア五十嵐・来季WCTツアー残存決定
QSシリーズで2番目に高位のグレードQS6000にて今季2度目の優勝。この優勝でカノアは一気にWQSランキングのトップに躍り出、WCT最終戦のパイプマスターズの結果を待たずして来季のツアー残留が確定しました。
来季のWCTへの出場権といえば「今季のWCTトップ22名に残ること」、または「クオリファイイングシリーズのWQSで10位以内に入ること」、それとそれ以上に可能性は低いですが「ワイルドカード出場に選ばれること」です。※ここでの数字はメンズの条件
WCTでは最終戦を前に24位だったカノア五十嵐。現在22位のナット・ヤングに900pt差で最後に厳しい戦いが待っているはずでしたが今回ブラジルで開催されたQS6000「Hang Loose Pro Contest 30 Anos」の優勝をもってその心配はなくなりました。
最終戦はカノア五十嵐はワールドツアーに「日本人初(現在、国籍はアメリカで登録)」として出場していることもあって、来季出場の確定は本人のみならず、サーフィン界や日本にも大きな意味合いを持たせます。
ファイナルでは序盤に7.67pt、終盤にハイスコアとなる8.17ptをマークし、トータル15.84ptでみごと地元のジャドソン・アンドレ(WCT出場経験もあります)を下しました。
最終日のハイライト映像▶
初の「日本人」WCTサーファー、カノア五十嵐
日本人初、アジア人初、そして史上最年少として鳴り物入りでワールドチャンピオンシップツアーWCT入りを果たしたのが今年3月のできごと。大注目のルーキーだったカノア五十嵐。
グロム時代からも抜きんでた才能を発揮しており、同じ日本人ということもあって、カノア五十嵐の活躍を長年わがことのように見守ってきたサーファーは多いと思います。2016年3月のツアーデビューの際の騒ぎといえばサーフィン誌「SURFIN’ LIFE 3月号」で36ページに及ぶ特集が組まれたほどでした。
◆国籍は?
カリフォルニア・ハンティントンビーチ在住、アメリカ育ち、そして生粋の日本人、カノア五十嵐。国籍はUSAでの登録でしたが突如日本に変更されていた時期がありました。この件について公式の発表は出ていない様子でこの後なにもなかったかのように国籍は再びUSAに戻りました。誤報によるものか、あるいはビッグニュースのティザーアップか?というのは考え過ぎか分かりませんが一時期に何かしらの手違いが出たようです。
カノア五十嵐の不思議
アメリカ国籍でのツアー登録とはいえワールドチャンピオンシップツアーには名前の「五十嵐」にちなんだとされる背番号の「50」、つまり日本人であるという静かな主張を背負って堂々の初出場を果たしています。言わずもがなでサーフィンのスキルは抜群で、技量のみならず勝負勘の鋭さも目立つ選手。ここぞという時の勝負運の強さにカリスマ性を感じます。
カノア五十嵐は実際に母方で侍の血を引いていることが知られています。生死を懸けた真剣勝負の魂を悠久に継いでいるのが強さの秘訣なのか、それに対して答えが出せなくても、そうしたエピソードがカノアの背景のロマンをかたどるひとつのパーツとして存在しているのに違いありません。
サーフィンが堪能な一方、カノア五十嵐は15歳のときに飛び級で高校を卒業するほど成績も優秀で頭脳明晰。これはサーフィンだけができれば良いのではないという、教育にも力を入れたご両親の方針による部分が大きく、それに応えるべくカノアが努力した成果です。
カノア五十嵐・今後
WCT最終戦は来月12月8日から20日の期間で行われるハワイ、オアフ島のビラボンパイプラインマスターズ。勝ちにこだわる必要のない状況で純粋にサーフィンを楽しみたい意向を示しているようで、応援する側としても存分にその持ち味を見たいものです。
1997年10月1日生まれで先日19歳になったばかりのカノア五十嵐。カリスマ性、実力、運、という、努力だけではカバーできない天性の要素を備えたサーファーの世界戦は来季も10代でスタート。期待がかかります。
参考記事:
・『カノア五十嵐』選手のWSL CT背番号は『50』に決定!番号の由来とは?
・World Surf Movies 五十嵐カノアの国籍がWSLプロフィールで「日本」へ変更されてる!!
・初戦前に来日▶ WCTサーファー【五十嵐カノア】来日!サイン会にGo
・kanoaigarashi Instagram
・WORLD SURF LEAGUE
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この記事を書いたライター
Mg
海の街に暮らしています。 海をベースに、人と自然の交わるところで日常がより良くなるような情報を発信していきます。