ソウルサーファー『ベサニー ハミルトン3位』家族愛・友情・勝利@Fiji
ライター: Mg
サーファーに限らず世界中が注目したサーフィンの今回のフィジー戦。いつも以上に注目された理由にはベサニー・ハミルトンの出場がありました。
映画「ソウル・サーファー」もヒットしたことでやはりベサニーはサーファー以外からも知名度が高いですね。
ベサニーの出場したフィジー戦のまとめ
今回ベサニーの出場となり、盛り上がったWCT第5戦・フィジー戦の流れをまとめます。
■出場予定でなかったベサニー・ハミルトンが急きょワイルドカードで出場が決まりました。
■決定後、フィジーに早く入りウォームアップで調子の良さを見せつけ、このまま奇跡が起こっておかしくないとの見方、隻腕(せきわん。腕が1本であること)の彼女は上位入賞は難しいのではないかという見方、出場に関して意見が混在しました。
■WCTは全部で10回/年間、現在5戦目。初戦から大方の予想外にこれまでの4戦中すでに3度の優勝を手にし、今季は向かうところ敵なしかと思われていたタイラー・ライトを、ベサニーはいきなり退けました。
■そのまま続いたR3での3人のヒートも「6×ワールドチャンプ」ステファニー・ギルモアやジョアン・デフェイら強豪をトップで退いてセミファイナルに進出、と止まらぬ勢いを見せました。
■セミファイナルでジョアン・デフェイとの戦いで敗退し3位となります。
これまでのベサニー・ハミルトン関連記事:
・ベサニー・ハミルトン快進撃!ベイビーの誕生日にむけて@WCTフィジー
・ソウルサーファー べサニー・ハミルトンが帰ってくる【WCTフィジー戦】
ファイナルに勝ち進んだジョアン・デフェイの対戦相手は、今季なかなかパッとした成績に恵まれませんがクォーターファイナルで10ptのパーフェクトスコアを叩いた「3×ワールド・チャンプ」カリッサ・ムーア。
ジョアン・デフェイが今回のフィジーウィメンズプロでの優勝者となりフィジーウィメンズプロは幕を閉じました。
ステファニー・ギルモア、ジョアン・デフェイと。
幸せ絶頂のベサニー。勝利の裏に存在した「家族愛」と「友情」
ベサニーはご存知、サーフィン中にシャークアタックに遭った際生死をさまよいました。この時に全身の血液の半分以上を失っています。この危険性を説明しますと、人は動脈性出血で全血液量の1/3以上を失った時に生命の危険にさらされ、1/2以上失われた時に心停止をきたすとされます。
■ベサニーの家族愛
言葉通り生死をさまよった状態を経験し、その事故の起こった13歳当時、実の家族からの強い支えもあってベサニーの現在があります。
それだけに生命の重さと家族の絆を人一倍知るベサニー。現在は愛する旦那であるアダムさんと、授かった愛息トバイアス君と共に過ごす日々の喜びをかみしめています。家族の愛に包まれてプロサーファーとしても大きな実績を残し、人生にまた新たな幸せを重ねていますね。
フィジー戦では家族で仲睦まじく現地入りしています。友人の紹介で知り合ったというアダムさん、曽祖父にちなんで「神の徳」という意味で名付けられた愛息トバイアス君と。トバイアス君はこの6月1日にお誕生日を迎え1歳となっています。おめでとう!ファミリーに幸福が重なって本当に素晴らしい▶ベサニー・ハミルトン快進撃!ベイビーの誕生日にむけて@WCTフィジー
ウエディングの時の素敵な映像はこちらです▶“ソウル・サーファー”ことベサニー・ハミルトン、感動のハワイウェディングムービー
■タイラー・ライトとの友情
初戦でタイラー・ライトと戦いましたが同じリップカールチームで苦楽を共にし、親しい友達同士でもある2人。ベサニーは勝利して喜びを味わいました。が、もしかするとそれと同時に複雑に揺れる想いもあったとは考えられないでしょうか。しかしそのタイラー・ライトですがベサニー以上にベサニーの勝利を喜びました。
タイラー・ライトにしては今回のベサニーとの戦いにより、タイラーの数多い試合中でも非常に珍しい1回戦での敗退でした。それにも関わらず大切な友人の勝利を友人以上に心から喜び祝福したそう。「私は素晴らしい戦いができた」コメントを残しています。
スポーツマンシップで強く結ばれた2人。今季一番勝っているタイラー・ライトは勝者とはこういうところからして勝者なのだという感じです。自分と相手の力を認めていることでその引き際は美しく、そこにあるもの以上に欲張らないのですね。サーフィン技術以前にスポーツマンとしての人間性。こんな器のある彼女ですから今後もきっともっと強くなっていくのでしょう。
ベサニーの辿ってきたフィジーの戦いはこうして家族の愛、友人の愛に包まれた幸福な勝利でした。
人の心を打つベサニーの魅力
■稀代の努力家である
今回アップされた動画ではGoProにより、波に乗るベサニーが正面から捉えられています。ベサニーの乗り方にどんな工夫がされているのかが分かりやすくなっています。手のつき方や位置など、片手でもテイクオフできるよう工夫されていますね。
シャークアタックに遭ったのちにもトラウマに打ち勝ち、愛するサーフィンを諦めず、世界トップへの階段を実力で駆け上がり、さらには「私を見た人が勇気付けられるように」というメッセージを持って生きているベサニー。
ほかに誰がこんなことをまねできるでしょう、その腕には両腕でつかめる以上の愛が溢れんばかりです。後にも先にもこのような気丈なサーファーはそう現れると思えず話題性だけでなく、ベサニーは名実とも後世語り継がれるレジェンドなのでしょうね。
前例のない事態から強い信念でオリジナルのスタイルを確立し成功したベサニー。
同じ時代に生き、リアルタイムでこの素晴らしい女性の活躍に励まされるのは私たちにとっても幸運なのではないでしょうか。
・画像参考元:Bethany Hamilton Facebook 母の日に愛息を抱き上げるベサニー / facebook/BethanyHamilton
・大会詳細及び画像参考元:worldsurfleague.com
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この記事を書いたライター
Mg
海の街に暮らしています。 海をベースに、人と自然の交わるところで日常がより良くなるような情報を発信していきます。