「村上瞬(日本)」の勢いは止まらない!『全豪オープン』ベスト16強入り!
ライター: Tsuyoshi Nakajima
村上選手のリスクの高い「バックハンド・ストレート・アップ」。より深い場所から加速するボトム・ターンから連携された難易度の高い技術だ
現在、夏のサーフィン大国である「オーストラリア/シドニー/マンリー・ビーチ」において、2016年2月29日(月曜日)~3月6日(日曜日)までのウェイティング・ピリオド(開催期間)を設け、World Surf League(WSL/世界プロフェッショナル・サーフィン・リーグ)主催による権威の高いQualifying Series(QS) 6,000イベント『Australian Open Of Surfing(全豪オープン)』が開催中。
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『全豪オープン2016』イベント会場であるオーストラリア/シドニー/マンリービーチ
きょうイベント5日目を迎え、波のサイズは2ft(腰~胸サイズ/1~1.5メートル)で、クロス・オンショア(海から陸に向かって吹いて海面を乱してしまう風)を受けたトリッキーなコンディションにおいて、「Men’sディビジョン」のRound 4(4回戦)と「Women’sディビジョン」Round 5(5回戦)を終了。
「Men’sディビジョン」において、日本国籍のサムライ・アスリート・サーファーとして唯一Round 4へと進出した「村上瞬(日本・湘南西)」。Round 1~Round 3までは4名のワールド・サーファーたちで戦ったが、このRound 4は3名での戦いとなり、より濃厚な技術と計算されたメンタルや戦術が必要となる戦いだ。今シーズン「WSL QS世界ランキング」120位を走る村上選手は、Round 4 Heat 2(第2ゲーム目)にクレジットされ、同世界ランキング18位を走る「クーパー・チャップマン(オーストラリア)」、同世界ランキング34位を走る「ジェシー・メンデス(ブラジル)」の強豪と対戦。
スモール・ウェーブ~ビッグ・ウェーブまでのオールラウンド・サーファーとして世界的に高い評価を受ける村上選手。この『全豪オープン』では、イベント初日からビーチ・ブレイクでの小ぶりなサイズでの戦いが続いているが、リスクのある波のポジションでのスピードある鋭く切れのある「バックハンド・サーフィン(崩れる波に対して背中を向けて演技をするライディング)」が冴えわたっている。そして、その際立ったバックハンド・サーフィンは、きょうのRound 4においてもまったく衰えることはなく、素晴らしいスキルとメンタル(精神面)を披露。
ヒート開始早々、10点満点中のミッドレンジ(アベレージ)・スコアとなる5.00ポイントでスタートした村上選手。その後、他2名の選手にスコアされて暫定3位へと降格するものの、ヒート中盤に「セット(ゲーム中に入る大きな波)」をつかんだ村上選手は、そのセットの「クリティカルなパワー・セクション(1本の波の中で、一番力があって難易度の高い難しい場所)」に向けて、深い「ボトムターン(波の一番下に降りたところから加速するターン)」をセットアップすると、そのままトップへと垂直に向けて駆け上がり、リスクの高い素晴らしい「ストレート・アップ(またはオフ・ザ・リップ)」を決めて6.27ポイントをスコアして2位へと浮上。さらに村上選手は、ヒート終盤にも素晴らしい技のコンビネーション・サーフィンを披露して6.53ポイントをスコアし、見事にRound 5へと勝ち上がった。
村上選手は、きょうの勝利によって権威の高い『全豪オープン』9位以上と、来シーズンのエリート(ドリーム)・ツアーである「WSL Championship Tour(CT)」クオリファイ(参加資格)へ向けて、非常に貴重な「WSL QS 1,550pt(WSL QSインターナショナル1,050ポイント)以上を確定させた。
村上選手の「バックハンド・ボトム・ターン」は、波のより深い最下部から一気に加速していく
村上選手のリスクの高い「バックハンド・ストレート・アップ」。より深い場所から加速するボトム・ターンから連携された難易度の高い技術だ
村上選手のヒートには、元Men's世界チャンピオンである「バートン・リンチ」氏が解説。村上選手のバックハンド・サーフィンを絶賛する
『全豪オープン』ベスト16強入りを決め、ビーチへと凱旋する村上選手
あすのRound 5(5回戦)、さらに濃厚な「One on One(1対1)」のマッチアップ・ゲームとなり、村上選手はHeat 1(第1ゲーム目)にクレジットされ、IAS(世界サーフィン連盟)主催の「世界ジュニア・チャンピオン」に輝いた強豪「レオナルド・フィオラバンティ(イタリア)」と、『全豪オープン』Quarter-finals(準々決勝)のステージを掛けて対戦する。
『全豪オープン』のイベントサイトからは、試合の進行状況である「ライブ中継」、「ライブスコア」、その日の「ハイライト映像」、「写真」、「ニュース記事」などがアクティブに配信されている。「Women’sディビジョン」では、Round 4まで残っていた日本国籍の選手は残念ながら全員敗退となったものの、「Men’sディビジョン」において日本国籍選手として唯一の快進撃を続ける日本の村上選手に対して、日本からも大きなエールを送ろう!
Japan Go to the World!
※WSL QS Men’s 6,000、Women’s 6,000『Australian Open Of Surfing 2016』イベントサイト:http://www.australianopenofsurfing.com/2016/live
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この記事を書いたライター
Tsuyoshi Nakajima
「WSL(World Surf League) Japan Regional」ツアーにおいて、2015シーズンまでイベントの「アナウンサー/キャスター/インタビュアー/コメンテーター」などを担当。数々のワールド・アスリート・コンペティションを目の当たりにし、イベントサイトのインターネット・ライヴ中継を通してワールドツアー・アスリート・サーファーたちのヒート(試合)を解説。伊豆をホームに持つサーフィン歴は30年を超え、地元の海において「子どもたちのためのサーフィンレクリエーション」なども主催。
サーフィンのディープな本質や、ワールドツアー・イベントから国内のアマチュア・イベント、How Toなど、サーファーだけではなく、すべての方々にサーフィンを楽しんでいただけるようなニュースをお届けします。
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