南アフリカで開幕した権威の高いWSL QS 10,000『Ballito Pro』とは?! 日本サーフィン界の夢を背負ったサムライ・アスリート「新井洋人」、「大原洋人」、「稲葉玲王」!
ライター: Tsuyoshi Nakajima
Photo by worldsurfleague.com
『Baliito Pro 2015』開幕
地球の裏側となる「南アフリカ」において、WSL(World Surf League) QS(Qualifying Series) 10,000イベント『Baliito Pro 2015』が開幕。WSL世界ランキング上位の限られた選手のみ出場が許される権威の高いイベントに、我々日本サーフィン界の夢を背負って3名のサムライ・アスリート・サーファー「新井洋人」、「大原洋人」、「稲葉玲王」が参戦している。
世界のプロ・コンペティション・サーフィンのツアーをリードし、サーフィンというスポーツをアスリートのエンターテイメントなイベントへと押し上げる「WSL」。ショートボードMen’sとWomen’sの「CT(チャンピオンシップ・ツアー)」、ロングボードMen’sとWomen’sの「LT(ロングボード・ワールド・ツアー」、そして世界最高のビッグウェーブ・チャンピオンを決める「BWT(ビッグウェーブ・ワールド・ツアー)」を構成し、それぞれのディビジョンによるシーズンの「ワールド・チャンピオン」を決定する。
「ドリーム・ツアー」と呼ばれる世界No 1ツアー「Samsung Galaxy WSL CT」の2部リーグとなる「WSL QSツアー」は、「QS 1,000」、「QS 1,500」、「QS 3,000」、「QS 6,000」、「QS 10,000」の全5グレード・イベントで構成され、獲得できる「QS世界ランキング」のポイントも大きく異なる。この南アフリカのWSL 10,000『Bllito Pro 2015』は、CTの次に権威の高いビッグイベントであり、獲得できるQS世界ランキングのポイントも最も高く、初戦のRound 1を勝ち上がったすべての選手には「1000ポイント」が与えられる。これは、QS 1,000イベントの優勝者に与えられるポイントと同じであり、このQS 10,000『Ballito Pro 2015』は、いかに権威の高いハイグレード・イベントだということが分かるだろう。
11度のMen’s世界チャンピオンに君臨する「ケリー・スレーター(アメリカ合衆国)」、3度の世界チャンピオン「ミック・ファニング(オーストラリア)」、20歳の若き世界チャンピオン「ガブリエル・メディーナ(ブラジル)」、ハワイアン・サーフ・スターの「ジョンジョン・フローレンス(ハワイ)」など、世界No 1のドリーム・ツアーCTへのクオリファイ(参戦資格)を目指すワールド・アスリート選手たちとって、このビッグイベントで獲得する世界ランキング・ポイントは非常に重要である。また、世界のトップ「32名+ワイルド・カード(特別枠)」で構成されるドリーム・ツアーCTは、毎シーズンCTの下位選手10名と、QS世界ツアー上位10名の選手が入れ替えとなるために、来シーズンもCTリクオリファイ(再戦資格)を目指す現役CTエリート・サーファーたちにとっても重要なイベントであり、多くの現役CTサーファーたちも参戦している。
サムライサーファーの活躍、新井洋人は強豪を退け見事勝利!
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このワールド・ベスト・サーファーたちに混じって、世界トップ・シード上位96名の選手が集うビッグイベントに、日本からはWSL QS世界ランキングの上位3名のワールド・アスリート・サーファー「新井洋人」、「大原洋人」、「稲葉玲王」選手が参戦している(世界QSランキング83位の「安井拓海」選手はケガのために辞退)。
現在、世界QSランキング111位の「稲葉玲王」選手は、メインラウンドとなる「Round of 96」への2枚の出場権を賭けて、トライアルとなる「Round of 126」、「Round of 110」、「Round of 102」、「Round of 98」と、世界の強豪たちと実に4度も戦ってトライアルのFinalへと進出。しかし、トライアルFinalでは良い波をつかめずに惜しくも4位でフィニッシュとなった。
メインラウンド「Round of 96」がIt’s Onとなり、現役のCTエリート・トップ・サーファーである「ジョーディ・スミス(南アフリカ)」や、QSトップランカーである「ジャック・フリーストーン(オーストラリア)」などが初戦敗退となる番狂わせが起きる中、この日の最終ヒートに登場したサムライ・アスリート・サーファー「新井洋人(日本)」は、「グレン・ホール(アイルランド)」、「ウィリアン・カルドソ(ブラジル)」、「デビッド・シルバ(ブラジル)」というハードヒートを戦い、プライオリティ(優先権)を持って終了間際にラストセットをつかみ、フォアハンドのスナップ、フィン・アウト・リエントリー、クローズアウト・フィニッシュの素晴しいミックス・マニューバーを決めて6.77ポイントをスコアして勝利。今シーズンの現役CTエリートランカーの1人であるホール、昨シーズンのCTエリートランカーのカルドソ、そして世界QSトップランカーのシルバという強豪たちを破り、見事にトップでRound of 48へと進出。
イベントDay 2移行に持ち越しとなったRound 1 Heat 19には、もう1人のサムライ・アスリート・サーファー「大原洋人(日本)」が登場する。
日本サーフィン界の夢を背負い、遠い異国の地で戦う日本のワールド・アスリート・サーファーたちにエールを送ろう!
※Men’s WSL QS 10,000『Ballito Pro 2015』のLiveイベントサイト:
http://www.worldsurfleague.com/events/2015/mqs/1241/ballito-pro
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この記事を書いたライター
Tsuyoshi Nakajima
「WSL(World Surf League) Japan Regional」ツアーにおいて、2015シーズンまでイベントの「アナウンサー/キャスター/インタビュアー/コメンテーター」などを担当。数々のワールド・アスリート・コンペティションを目の当たりにし、イベントサイトのインターネット・ライヴ中継を通してワールドツアー・アスリート・サーファーたちのヒート(試合)を解説。伊豆をホームに持つサーフィン歴は30年を超え、地元の海において「子どもたちのためのサーフィンレクリエーション」なども主催。
サーフィンのディープな本質や、ワールドツアー・イベントから国内のアマチュア・イベント、How Toなど、サーファーだけではなく、すべての方々にサーフィンを楽しんでいただけるようなニュースをお届けします。