クレイ・マルゾがRVCAと新たにスポンサー契約を締結。この契約が意味するものとは

クイックシルバーに解雇されてから10年、マウイの波乗りはボードのノーズに新しいステッカーを貼っている。Clay Marzo Photo by Kalani Cummins

クレイ・マーゾがRVCAと新たに3年契約を結んだことが発表された。34歳の彼は、2013年にクイックシルバーから解雇されて以来、メジャーレーベルに所属していなかった。彼はアスペルガー症候群を患っており、コミュニケーションがうまく取れず、反復的あるいは制限のかかった思考や行動をとることがある。しかしクレイ・マルゾのクリエイティブで独自性の高いライディングとスタイルは、多くのコアファンに支持されている。

Clay Marzo Photo by Kalani Cummins

ここ数年、サーフフィルム『SNAPT』シリーズの創始者であるローガン・”チャッキー”・デュリアンは、マーゾを高く評価している。『SNAPT4』への出演はもちろんのこと、クレイの様々なトリップの費用を負担し、スポンサーを確保するための交渉も代行しているのだ。今回サーフメディアSURFERがデュリアンにインタビューを行い、契約までの過程と、才能溢れるこのマウイ島のサーファーにとって、この契約が意味するものについて話を聞いた。

SNAPT5 X CLAY MARZO: 3 days in the desert

・クレイ・マルゾが長い間、業界の主要ブランドから注目されていなかったのはなぜだと思いますか？

サーフィン業界では、インフルエンサーを探しているというのが正直なところだ。ブランドはインスタグラムの数、フォロワー、「いいね！」、コメントを見ている。だからサーファーはセルフプロモーターでなければならない。

そして、それは明らかにクレイの強みではない。クレイはクレイのために宣伝してくれる人や発言してくれる人がいないと、埃をかぶってしまうんだ。私はクレイのようなサーファーのために、その役割を担うべきだと思ったんだ。私はコミッションやマージンをもらったことがないし、これからももらうつもりはない。サーフフィルム『SNAPT』で彼らが僕をサポートしてくれたように、僕も彼らをサポートするために友情でこの仕事をやっているんだ。

私にとって、彼は地球上で最もコアファンを持つ、最もインパクトのあるサーファーのひとりだ。そしてクレイは他の多くの契約サーファーより何倍もサーフィンが上手いんだ。

・それでも簡単ではなかった。この契約までは長いプロセスだった？

そうですね、この半年間、契約の話は沢山あって、いくつかのブランドと実際に会ってきました。ランチやディナーをご一緒した後、すぐに電話がかかってきて、”ごめんね、チャッキー。クレイはしゃべらないし、個性もない。” このように私はがっかりすることも沢山あったけど、クレイの強みは何かということは常に明確にしていた。アスペルガーだから、社交的な状況には向かないよ。

・しかし、RVCAは価値を見出したんだよね？

そうだよ。それに、僕の昔からの仲間の一人で、RVCAのマーケティング・ディレクターであるマイク・ブロフィーは、クレイのために本当に尽くしてくれて、実現してくれた。チームライダーの多くを失ったタイミングでもあったしね。でもRVCAは、マット・アーチボルド、クリスチャン・フレッチャー、アーロン・ゴーキンといった超インパクトのあるワル達のスポンサーとして設立されたんだ。だから、クレイにRVCAでサーフィンをさせることで、ブランドのルーツに立ち返ろうとしたんだ。

・クレイ・マルゾはRVCAとの契約をどう受け止めたのだろうか？

彼は人生で最高の日だったと言ってくれた。クレイは100万ドルの家を買うつもりはない。高級車も時計も宝石も欲しがらない。彼が望むことはサーフィンをしたり、海での時間を楽しむことだけなんだ。陸上では何もかもがぎこちないからね。

・神から授かったような、クリエイティブで想像力豊かなサーファー、クレイ・マルゾ

僕のフィルム『SNAPT』でのクレイのセクションでは、クレイのメガファンにサイケデリックになってもらい、34歳の彼が相変わらずいいサーフィンをしていることを見せたいんだ。彼が生活費を払えるようになったことはさておき、この契約によって彼が好きなことを続けられるようになったことが大きい。夢を追い続けることができる。彼は神から授かったような、クリエイティブで想像力豊かなサーファーだよ。

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