初心者ロングボーダー必見!ロングボード テイクオフ方法5つのコツ
ライター: 吉川 広夏
波に乗るために重要な基本のテイクオフ。サーフィンの第一歩であり最初の難関でもあります。浮力、安定感もあるロングボードはコツさえ掴めれば初心者の女性でも簡単にテイクオフができます。波に乗れる本数が増えればレベルアップにも繋がり、もっともっとサーフィンが楽しくなるでしょう。
今回は初心者ロングボーダー向けのテイクオフのコツをご紹介します。一生懸命パドリングしても波に追いていかれてしまったり、テイクオフでノーズが波のボトムに刺さってワイプアウトしてしまうお悩みを持っている方は必見です!
【Index】
1.一生懸命パドリングしても波に追いつけない場合
・1.サーフボード上の体の位置を見直す
・2.パドリングスピードをコントロールする
・3.波がブレイクしている場所を見つける
2.ノーズがボトムに刺さってワイプアウトする場合
・4.目線は進みたい方向へ。周りを見て波と自分のスピードを合わせる
・5.レベルに合った波を選ぶ。自分がピークのどの位置にいるのか常に理解する
3.初心者のテイクオフ練習はスープ(白い波)で
1.一生懸命パドリングしても波に追いつけない場合
・1.サーフボード上の体の位置を見直す
ボードの上に乗っている体の位置が正しくないと、一生懸命パドリングしても水の抵抗を受けて効率よく進みません。パドリングする時にノーズの裏側が水面に張り付くのが正しい位置です。
注意したいポイント
× 後ろに乗りすぎている場合 → パドリング時にボードの先端が海から大きく浮かび上がっている
× 前に乗りすぎている場合 → ノーズの先端が水面に当たりしぶきをあげている
・2.パドリングスピードをコントロールする
テイクオフはパドリングで波と自分のスピードを合わせ、テイクオフの直前に細かいスピード調整を行なって行きます。手で漕ぐ速さを調整するだけでなく、胸と頭の位置を上下することで体重移動ができ、細かなスピードの調整ができます。
・減速(重心を後ろへ)− 胸を反る
・加速(重心を前へ)− ボードに胸を付ける
体を2〜3センチ前後にずらすだけでボードに伝わる力が大きく変わります。自分のボードの1番力が伝わる位置が見つかれば、いつもより少ないパドリングで無駄な体力も使わず波に乗れるので、1人でテイクオフできる方にも実践して欲しいポイントです。
・3.波がブレイクしている場所を見つける
波がブレイクしていない場所だったりカレントの流れがある場所などではいくらパドルしても波には乗れません。(カレントについては: 【カレント(離岸流)を見分ける方法】海に入る前に確認するべき事)。波に乗れるポイントの見極めが重要ですので海に入る前に、波がブレイクしている場所を見極めてから海に入りましょう。上級者やローカルの人達はピークの場所やカレントを瞬時に判断し、良いポジションから波に乗っています。また海の中で波のピークを確認する場合は岸を振り返ってみましょう。波がブレイクした所に白い泡が残っているので、ピークの場所がすぐに見つかります。
潮の満ち引きで波の割れる場所も微妙に変わったり、カレントや風でも自分の位置が前後左右に流れるので、まずは岸の景色に目印を決めて海に入ることが大切。海の中のサーファーも自分と一緒に流れています。他のサーファーに惑わされないよう注意しましょう。
2.ノーズが波のボトムに刺さってワイプアウトする場合
・4.目線は進みたい方向へ。周りを見て波と自分のスピードを合わせる
がむしゃらに漕いでいざテイクオフ!と思ったらボードが水面に刺さって派手にワイプアウトしてしまった。サーファーなら1度は経験したことがあると思います。波のパワーを受けてボードが進みだしたらテイクオフする瞬間の目線は必ず自分が進みたい方向を見ましょう。
ロングボードはウネリからテイクオフができるので早めにパドリングを開始し、左右斜め後ろを振り返って向かってくる波と周りの人を必ず確認しましょう。初心者の方はパドリング開始の時に全力で漕いでしまいがちですが、最初はゆっくりスピードをつけて波が近づいてきた時にスピードを高めた方が、波とのスピードが合わせウネリからテイクオフし易くなります。
波だけではなく周りのサーファーの動きを見る癖を付けておくと、波に乗れるようになっても知らぬ間に前乗りやドロップインをしてトラブルになることを防ぐことができます。
注意したいポイント
×テイクオフ時に目線を波のボトムやボードに向けた場合 → ボードの進行方向が真下になりワイプアウト
×漕ぎすぎて波のブレイクより岸側に行ってしまった場合 → 波のブレイクと共にワイプアウト
×波待ちの位置と波のブレイクする位置が近すぎる場合 → 周りを見る余裕がなく衝突やドロップインの危険性が高まる
・5.レベルに合った波を選ぶ。自分がピークのどの位置にいるのか常に理解する
自分に合ったポイントや波のコンディションを選ぶことで心に余裕ができ、自然と周りも見えてきます。海中に落ちてパニックになったり、周りが見えずに前乗りをすることも少なくなります。小波のコンディションでは見た目でわかりやすいセット(1番大きな波)を選んでしまいますが、大きな波はローカルや上級者などのたくさんのサーファーも選ぶ“大人気の波”であり普通の波に比べて沖から割れてくるので注意しましょう。
セットやミドルの波はどこでブレイクして、自分がピークのどの位置にいるのかを常に理解する
→ 波に乗れるチャンスが増える
→ 人とのトラブルを避けられる
→ ゲッティングアウトでスムーズに沖に出られる
波が押し寄せるスピードや崩れ方はサーフポイントによってまったく異なり、その日のコンディションや潮の量でも大きく変化します。入るときのコンディションや波のブレイクを海に入る前にしっかりと岸から見ること、自分には大きすぎると思ったら海に入らないという選択も大切です。
3.初心者のテイクオフ練習はスープ(白い波)で
はじめはテイクオフの時に恐怖を感じることもあります。テイクオフの恐怖心を無くすためにはインサイドの波がブレイクした後のスープ(白い波)から乗って練習してみましょう。立つことができなくても、パドリングをしたうつ伏せに寝た状態で波にボードが押されて進む感覚を掴んだりして“波に乗る感覚”を楽しむことが大事。
最初から上手にテイクオフできる人はいません。テイクオフのコツがわかるまで最初は時間がかかっても、自分に合ったコンディションで楽しく波乗りを続けられれば必ず上達すると思います。サーフィンをはじめたばかりでも、波と一体になっている感覚を味わえるロングボード。遥か沖から生まれた1本の波にテイクオフできた瞬間は特別な気持ちになるでしょう。沢山の人が波乗りを楽しんでくれますように♩
"Catch The Funwave!" - WAVAL(ウェイバル)
「いいね!」してSNSでサーフィン情報をチェック >>
この記事を書いたライター
吉川 広夏
吉川広夏(よしかわ ひろか)2014-2016年、3年連続JPSAロングボードプロチャンピオン。WSL世界ランキング最高5位。ニックネームはピロタン。千葉・御宿を拠点に1年の半分近くを海外で過ごし、コンテストを転戦しながら波を求めて旅をする日々。自身のノーズライディングを評価され国内外のシングルフィンコンテストに招待されるようになる。シェイパーの父を持ち、ロングボードにこだわらず様々な種類のサーフボードに乗り波乗りの楽しさを追求している。
・Instagram→@hirokayoshikawa88