石川拳大「天然素材の木製サーフボードアライアが全ての原点を見つめ直すきっかけに」

社会人アスリート石川拳大。京都市京北の山の杉の木で制作したフル天然素材『漆アライア』

サーファーの枠を超え、原点回帰の旅に出る。そこで気付いた事とは

2017年に当時大学4年生の石川拳大とカメラマンの八神鷹也が卒業制作として「自然と共に生きること」をテーマに掲げたプロジェクトOCEANTREE 。第1弾から4年経った今回、遂に第2弾が公開。サーフィンをもっと深く理解したいという想いからその原点に立ち返り、サーフボードの原点である「アライア」と共に学生2人が旅に出るドキュメンタリーフィルムだ（第1弾については：社会人アスリートサーファー石川拳大の想い 後編）。そこで彼らが気付いた事とは？

第2弾制作メンバー。写真左から 映像作家：八神鷹也、社会人アスリート：石川拳大、シェイパー木工職人：ロドリゴ・マツダ、堤淺吉漆店4代目：堤卓也

石川 拳大 インタビュー「目の前の当たり前の事は、当たり前では無い」

「山・川・街・海」の繋がりをたった1本のサーフボードに込めた。地球規模の循環と地産地消の文化を表現

石川 拳大「僕は4歳からサーフィンを初め、高校でオーストラリアに4年間留学。その後、大学では卒業制作に第1弾 映画『OCEANTREE ~ The Journey of Essense ~』を発表しました。今回の第2弾では、第1弾をきっかけに集まった同志が京都を舞台に「山・川・街・海」の繋がりをたった1本のサーフボードに込め、地球規模の循環と日本人が大切にしてきた地産地消の文化を表現しています。そこには、人と自然が一体となった『優しさの循環』がありました。」

スピード感と乗り心地抜群。機能面も優れるフル天然素材の漆塗りアライア

「初めてフルで天然素材で作られた漆塗りの木製サーフボード（アライア）に乗った時は、スピード感と乗り心地に驚きました。機能面でも優れていますし、地球と一体化するような不思議な感覚になるんです。」

目の前の当たり前の事は当たり前では無い。アライアが原点を見つめ直すきっかけに

「サーフィンて様々な形があっていいよね。と思っていましたがアライアと出会った事が、原点を見つめ直すきっかけになりました。アライアは一枚の板のみでできていてパドリングさえも難しく、4歳の時に初めて波に乗った時の事を思い出しました。でもその難しさがとても楽しくて、シンプルだけど細かくて深いものがあるんです。」

「普段の生活も同じで目の前の当たり前の事が、実は当たり前では無いんだと感じ、そんな風に様々な事において原点回帰して考えてみようと思いました。そして今回、同じ想いを持った仲間達と第2弾を作ったんです。」

無邪気に楽しむ海水浴客の人達

「海水浴客の人を見てるととても無邪気に楽しんでいて、あれこそサーファーだと思う。サーフィンだけでなく、海そのものを楽しんでいけたらなと思っています。」

アスリート社員としての活動

「今はアスリート社員として活動しており、会社に所属しながらサーフィンの大会に出場したり、他にも様々なプロジェクトに取り組んでいます。これからもイベントなど様々な展開を企画しています。詳細はまたSNSを通じてお知らせいたします。」

祖父母が沖縄人で両親も日本人。ブラジルで生まれ育ち2017年に愛知県に移住したロドリゴ・マツダ 氏。機能性も高く、面白いコンセプトのウッドボードを作ると評判だ。

明治42年創業の漆を扱う数少ない原材料店、堤淺吉漆店4代目 堤卓也氏。国宝・重要文化財建造物の修復に採用されるなど、日本を代表する漆メーカーとして、新しい表現への挑戦を続けている。新たな活動「工藝の森」では子供達と０から森を作るプロジェクトを発足し、15年後の未来を創っている。プラスチックや代替品が広まり、需要が減りつつある貴重な天然素材の漆。その現状や重要性については堤卓也氏が企画する『うるしのいっぽ – 漆文化を守るために』をご確認下さい。

12月18日(土) 湘南T-SITE に大勢の参加者が集まり開催された『OCEANTREE 第2弾』特別上映イベント。映画上映の他、トークショーや主題歌ミニライブが行われた。

制作者 八神鷹也 氏は「撮影中も木の香りがビーチに広がり、ビーチだけど山を感じる状態になったんです。まさに山と海が繋がった瞬間でした。周りのサーファーの方々も木製ボードに興味を持って話しかけて来ました。ビーチ全体にハッピーな空気が広がったんです。」とコメント。その世界観を本作品から感じ取ってみて下さい。また今後の活動はSNS @kenta_ishikawaより今後告知されます。

OCEAN TREE ep.2 予告編映像

OCEANTREE第二弾 公式HP