東京五輪2020で横乗文化の精神性が、世界に感動を与えた事実

ライター: WAVAL

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執筆者:SFJ 中川 淳
出典元:INTERSTYLE

世界23か国に活動拠点をもち約25万人のメンバーがいる国際環境NGO SFJ

1.反抗的な若者文化の象徴だった時代は終焉し、今後は大衆化が進んでいく

終わってみれば、大成功だった2020東京オリンピック。横乗文化の精神性が世界に感動を与えた事実は誰の目にも明らかだ。競技現場の独特な雰囲気について尋ねられると、カウンターカルチャーなど知る由もない次世代の若い代表選手たちが「楽しい時間を仲間と共有すること。それが私たちのカルチャーです。」と核心をシンプルに、力強く大衆に伝えてくれた。仲間を称え合うその光景を「オリンピック本来の姿がそこにあった」とマスコミたちが称賛した。そして、サーフィン・スケートボード共に日本がメダル最多獲得を果たした。反抗的な若者文化の象徴だった時代は終焉し、今後は大衆化が進んでいくだろう。

2.横乗り公益団体や横乗業界が協業し未来を良い方向へ

オリンピックレガシーという言葉があるが、良いレガシーを残すためには明確なビジョンを持つことが重要になる。6年前、東京五輪に向けて開催されたマルチステークホルダー会議に参加する機会を得た。ロンドンオリンピック以降にイギリスではサスティナビリティが進んだという事例をもとに、東京開催を機に、未来へ向けて何ができるのかを五輪に関わる企業や組織委員と共に話し合った。その時、NTTドコモと田中貴金属が協働して使い古した携帯電話を回収して、金・銀・銅メダルをリサイクルで製作したいと発表したことを鮮明に覚えている。我々横乗に関わる公益団体も、繋がりを深めて力を合わせて、ステークホルダーである横乗業界と共に積極的にに協働を行い、未来を良い方向へ変えていくことが出来るのでは無いだろうか。

3.オリンピックレガシー、1人1人の想いを後世に残すチャンス

サーフライダーファウンデーション(SFJ)は、80年代中盤に宅地開発が進んだ南カリフォルニアで、沿岸の水質悪化に伴う健康被害をサーファー自身が訴えるために立ち上がった環境保護団体(NGO)だ。

湘南辻堂界隈も、雨が大量に降ると藤沢市の下水処理施設から悪臭漂う排水が流れ出す。つまり低気圧が通過した波が上がるタイミングに海が酷く汚い状況になる。実際、副鼻腔炎に悩むコアなサーファーも多い。2015年にサーフライダーファウンデーションジャパンの事務局が辻堂に移転すると、水質調査活動のプロジェクトを組み、環境省の助成金を獲得して調査を実施した。調査結果をもとに藤沢市議会を通じて沿岸の水質悪化の実態を提議した。結果70億円の予算が動き、下水処理施設の大規模な改修工事が現在も行われている。

自分たちのプレイグランドを、自分たちの意思で守っていこうとすることや整備を促すことは、その街を豊かにしていくことや子供たちの未来を明るくしていくことに繋がっていく。SDGsの時代に行政も企業も、我々の声を聞きたがっている。

例えば、沿岸が無機質なコンクリートに覆われていく悲しい現実。背景には土木工事が地域の経済を潤す影響が大きい。しかし、これからの時代は、自然の景観が尊重された綺麗な街並み、公園にはスケートパークが整備されている、そんな都市に憧れて家族と暮らしたいと思う世帯が増えてくるだろう。各地で街づくりのムーブメントを起こそう。都市計画に私たちの声を反映させよう。「楽しい時間を共有する」その場所を未来に残そう。そして、横乗文化の継承を若者たちとその未来に託そう。オリンピックレガシー、今こそ一人一人の想いを後世に残すチャンスなのだ。

SFJ代表 中川 淳


サーフライダーファウンデーションは、世界23か国に活動拠点をもち約25万人のメンバーがいる国際環境NGO。国内では政府を補完する役割を持ち、環境保護に重要な役割を担う市民の組織です。一人一人の声を民主的に示すために、一人でも多くのメンバーが必要です。

出典元:https://www.interstyle.jp/news

*本記事はSFJより依頼、又は許諾を得て掲載しております。

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