ビッグウェイバーで環境活動家のパタゴニアサーフィンアンバサダー『ラモン・ナバロ』が語るサーモン養殖ビジネスによる環境汚染問題

ライター: WAVAL

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ラモン・ナバロ
ラモン・ナバロ@ハワイ ノースショア

チリ出身で世界有数のビッグウェーバーで環境活動家であるパタゴニア・グローバルアンバサダーラモン・ナバロ(Ramon Navarro)。2009年にEddie Aikauで5位、2011年はBig Wave World Tourで2位獲得etc… 世界の超メジャービッグウェイブコンテストで数々の賞を受賞。また2015年にはサーフィンと環境保護プロジェクトを融合させたショートフィルム『The Fisherman’s Son』をパタゴニアからリリース。それから数年ぶりに日本に訪れたラモン・ナバロのパタゴニアサーフ東京で開催されたイベントとインタビュー内容を今回ご紹介します。

” 海で育ち、幼少の頃から漁業を営む父を手伝いながらダイビングを学んだ。自国のサーフィン環境を保護する為、多数のプロジェクトに取り組んでいる。” ラモン・ナバロ

ラモン・ナバロ
ホームポイントは最高のレフトを生み出すチリの代表的なサーフポイントの1つ プンタ・デ・ロボス(Punta de Lobos)

ラモン・ナバロが世界に伝えたい環境汚染問題「サーモン養殖のよる環境汚染、抗生物質まみれの養殖サーモン」

R:ラモン・ナバロ

トークショーには多くのファンが集まり、ラモン・ナバロのノースショア ビッグウェイブライディグ映像や、環境汚染問題についてのトークセッションが行われた。
*会場:パタゴニアサーフ東京 / 対談者:木下デヴィッド パタゴニアサーフィンアンバサダー『ラモン・ナバロ』

・他人への尊敬の念を持つ日本人

R:「今回で2回目の来日で、前回はショートフィルム『The Fisherman’s Son』の為に来日しました。その時は東京や千葉に行きましたが、台風が当たって千葉は凄く良い波で楽しめました。日本に来て驚いたことは、築地市場で扱う魚の鮮度の良さ、取り扱い量、種類の多さ、素晴らしい衛生管理面です。また日本は治安も良く、日本人は他人への尊敬の念を持っていて素晴らしい国だと感じています。」

・世界を旅して視野が広がった

R:「私は今38歳で、20年前からサーフィンを始めてから特にビッグウェイブサーフィンに熱中し世界をまわっています。私はチリの海辺で育った漁師の息子で、地元は良い波もあって観光としてもとても良い場所です。様々な国を旅することで視野が広がり物の見方が変わりました。生態系や自然環境に興味を持ち、環境汚染された自分の生まれた町を守るために、財団でのプロジェクトを始めました。」

・サーモン養殖での汚染問題。その養殖サーモンの一番の輸入先は日本

R:「今回日本に来た目的はサーモンの養殖をテーマにした映画作品の撮影の為に来ました。特にサケの養殖がチリの南部の養殖地域で重大な環境被害を起こしています。そしてサーモンの一番の輸入先は日本なのです。なので今回その日本にサーモンがどのように流通しているのかを知りたくて来日したのです。」

都市開発で住宅地が増え地価は高騰したが、環境汚染問題も深刻化している地元の現在/過去比較映像パタゴニアサーフィンアンバサダー『ラモン・ナバロ』

・サーモン養殖による水質汚染と抗生物質にまみれた養殖サーモン

R:「サーモン養殖はビッグビジネスでありますが汚染された産業です。サーモン養殖場で使用された大量の抗生物質や飼料、サーモンの排泄物などが周辺の海に流出し、水質汚染を引き起こし、元々いた魚達が死んでいっています。またそんな抗生物質を含んだサーモンを食べることは健康にもよくありません。消費者に事実を知ってもらい、もっと違う養殖方法を模索し、健康的で環境にも良いものにしていきたいのです。」

ラモン・ナバロ サーフィン

・サーファーで環境活動家のラモンが目指すもの

R:「自分のことだけでなく、綺麗な地球を未来の子供達に残していかなければいけない。1人ではできなけど多くの人の力を合わせればできる。政府や大統領や誰かのせいにするのでなく、自分たちで変えていかなければならない。誰かがやるでなく、自分達から動き出し、地球から受けた恩恵を返していきたいのです。

サーファーとしての活動はビッグウェイブを追い求めて世界を周り、今年もフィジーのビッグウェイブにも期待しています。そして環境保護活動は国内で財団の活動を続け、国内の環境意識が高まれば良いし、最終的にはチリで環境保護の法律が制定されることを目指しています。」

 


 

編集後記–
ビッグウェイバーとして功績、自分の立場だからできる地球への貢献姿勢や思想から学ぶことは有り余るほどありました。ビッグビジネスにより生まれる大きな代償は、輸入国1位の日本人にとって他人事ではない。健康面、自然環境面において、生産国、消費者の両方、また大きな地球にとってマイナスなのです。今まで高度成長してきた日本人は、今だからこそ世界の異常気象や自然環境について立ち止まって考え、地球に恩返しをする為の良い転機に来ている。何もしないよりも、まずは何か小さなことからでもアクションを始めよう。–WAVAL

取材協力:パタゴニア



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