極限の状況下から身をもって体得したドルフィンスルーの重要なスキル

ライター: 高貫佑麻

Facebook

Add this entry to Hatena Bookmark

高貫 佑麻
フィンレスライドinメンタワイ 新しいことや難しいことにノリで挑戦するのはいつも楽しい..

『人生とサーフィンは似ている』

こんにちは、高貫 佑麻です(私については→高貫 佑麻がフリーサーファー&ウォーターベビーになるまでの経緯)。

いきなりですが、『人生とサーフィンは似ている』そんなことを聞いたことがあるでしょうか?

海に向かい、ボードやウエットを準備して、波を見極めて沖に向かい、波に乗る。これを人生に例えるなら、ワイプアウトやドルフィンスルーは忍耐の要求される、ハードなパートということになるでしょう。波にある程度以上のサイズがあるとき、ドルフィンスルーは必須スキルとなりますね。このドルフィンスルーが得意、または苦なく沖に出ることができるという人は数年以上の経験を積んでそのスキルを手に入れたことでしょう。僕も1人でテイクオフができるようになった頃から、いつも一緒に入っていた3つ上の先輩たちとフラットでもドルフィンスルーの練習をしたりしました。

極限の状況下から身をもって体得したドルフィンスルーの重要なスキル

今日は、ある程度ドルフィンスルーができる人向けに、1つのとある重要なスキルをお伝えしたいと思います。僕がこのスキルを体得したのはおよそ5年ほど前。プロサーファーになって5年以上経ってから手に入れたスキルです。

それは沖縄のとある水深1m以下の、スーパーシャローなコーラルリーフブレイクで撮影セッションをしていたときのこと。波はレギュラーのポイントブレイクで見たこともないくらい掘れ上がる頭オーバーのパワーあふれる波が、沖縄特有の透き通った水…まるで水が無いかのような状態で炸裂していました。

僕は波もさることながら、ミスしたら確実に怪我をすると思うような水深とコーラルリーフに完全にビビっていました。そんな状況で、ポイントへ案内してくれた地元のグッドサーファーは臆することなくチューブにチャージを繰り返し、しかも何度もワイプアウトしているのに擦り傷1つ負わないので不思議になり、なぜなのかと尋ねました。そこで僕は今後の自分のサーフィンライフで一生使える素晴らしいスキルを彼から伝授されます。それは…

水中で目を開けること。それだけ?と思われる方もいるでしょうか?そう、それだけなのですが、目を開けることでワイプアウトやドルフィンスルーがこんなにも楽になるとは思いませんでした。

僕たちの目は魚のもつ目とは構造が異なるため、水中では景色がぼやけてしまい、なんとなく雰囲気を把握する程度しか見えません。それでも、どこにリーフがあるのか、波のパワーの弱い方はどちらか、など水中で目を開けることで得られる情報は驚くほどたくさんあり、上手く使えば「友人と隣で一緒にセットを食らってドルフィンしたのに、自分だけ抜けられた」という状況も当然起こり得ます。

目を開く際の注意点

15年以上サーフィンしてきたのちに会得したこのスキルは、パイプラインのような極限の状況下から、腰前後のメローな状況まで、いつでも役に立ちますが、注意点もいくつかありますが今回3つ。まず1つ目は、目はデリケートな部分なので明らかに水が汚いと分かる時にはやめましょう。感染症の危険があります。サーフライダーファウンデーションジャパンがHP上で公開している、毎月の水質調査結果を参考にするといいかと思いますが、大量に雨が降って水が明らかに汚いときや、水質が悪いとウワサのポイントでは緊急時以外は目は閉じておきましょう。次に2つ目、これはコンタクトレンズを着けてサーフィンされている方には使えないスキルです。目を開けた途端に両目のコンタクトレンズが吹き飛んで自らを危険な状況に陥れることになります。くれぐれもご注意ください。最後3つ目ですが、ドルフィンスルーの際に目を開けるとき、最初は目を見開きすぎないほうがいいでしょう。前から波がきますし、自分も前に進んでるのでなかなかの水流が目に入ります。まずは目を細めて開けてみるといいでしょう。


以上、今回は僕が極限の状況下から身をもって体得したスキルを1つお伝えしました。是非今日のサーフィンから試してみてください。というわけで『僕も人生の荒波でも目を開いて状況を把握し、スムーズにパドルアウトできる人でありたい。』と思います。


"Catch The Funwave!" - WAVAL(ウェイバル)

「いいね!」してSNSでサーフィン情報をチェック >>

Facebook

Add this entry to Hatena Bookmark

この記事を書いたライター

高貫佑麻

千葉県御宿町出身 一宮町在住 1989年生まれ。様々なボードや波を乗りこなしてサーフィンの本質に迫る、ナチュラルな魅力を持ったプロサーファー。 毎冬ハワイのノースショアに通い、エピックなパイプラインをメイクするビッグウェーバー。旅人であり、モノづくりや写真、環境問題などに取り組んでいる。サーフライダーファウンデーションジャパン・アンバサダー。 目指すはWaterMan。現在は自称WaterBaby。
・Facebook→@yuma.takanuki
・Instagram→@yumatakanuki
・Web Site→yumasurfmag.com
より楽しくサーフィンしてもらえるよう、僕が一緒に海に入り指導させて頂くサーフィン塾も行っております。ご興味のある方は info@yumasurfmag.comにメール下さい。