ドナルド・トランプ氏当選でサーフポイントの防波堤建設問題はどうなる?
ライター: Mg
アイルランドのサーフポイントでもあるビーチに長さ28km、高さ4m以上の防波堤の建設計画
新大統領の誕生に揺れるアメリカ。今回の件はサーファーにとっても対岸の火事と言えない問題があります。
アメリカの新大統領ドナルド・トランプ氏がアイルランドのサーフポイントでもあるビーチに長さ28kmにわたり4m以上の高さの防波堤を建てようとしていることについてです。この記事を4つの観点に分けてお伝えします。
1.トランプ氏の唱える、サーフポイントへの防波堤の建設計画
2.トランプ氏とゴルフの関係
3.ビーチを守ろうとする人々の運動【署名】
4.アメリカ 新政権の開始時期
1.トランプ氏の唱えるサーフポイントへの防波堤の建設計画
防波堤の建設計画が申請されている場所は、アイルランド西部のサーフポイント、ダウモアビーチ。防波堤を建てたい理由は、不動産王でありゴルフ愛好家でもあるトランプ氏の所有するゴルフ場がダウモアビーチの海岸沿いに隣接し、自然現象の影響によってゴルフコースが被害を受けているからとしたものです。ビーチの浸食が加速する恐れを理由に、大統領選より前となる今年5月に建設の許可を申請しています。
◆防波堤、その規模
長さ28km、高さ4m以上の防波堤…、たとえば東京駅から神奈川県庁までの直進距離がおよそ28kmの長さにあたります。高さは15フィートなので正確には4.5mほど。計画を出されているその防波堤のスケールが想像つくでしょうか。
防波堤ができれば景観の変化はもちろん人工物を加えることによってサーフポイントが消滅するかもしれず、また海の生物の生態系、そして自然資源に与える影響も無視できません。これには申請段階といえ、すでにサーファーや環境保全グループが反対運動を起こしています。
トランプ氏は要望が通らなければ、自らが経営するゴルフリゾートを州から撤退することを条件としています。これは雇用や税など、地元への経済効果的に州にとって痛い部分を突いているのです。
サーファーは海に触れてその恩恵を感じており、いつまでもきれいな海を守りたいと思っています。「経営」と「自然保護」という視点が異なる問題の対立は、落としどころがどう出てくるのか先が見えません。すでにサーファーや環境保全グループが行っている反対署名運動は記事中の『3.ビーチを守ろうとする人々の運動』に記載します。
2.トランプ氏とゴルフの関係
不動産王として知られるトランプ氏はゴルフの愛好者でもありアメリカにおよそ20ほどのゴルフコースを持つことでも知られます。不動産ビジネスの成功の陰には失敗で借金王となっていた時期もあり、どん底から数年で再び不動産王に返り咲くまで人生に激しいアップダウンのあったトランプ氏。
過去、挫折を味わった時期には必要以上に落ち込まないように趣味のゴルフには出掛けることを心掛け、結果、その場で儲からなくてもその人脈がのちに大きな仕事に化けたとする、言うならゴルフがあって逆境から活路を見いだしたターニングポイントがあります。それゆえ、自身の経営哲学にゴルフの信条を加えているまでの愛好家です。
3.ビーチを守ろうとする人々の運動
現在の海の環境を壊すことにつながるアイルランドの防波堤の問題に対しては、先にも述べたようにすでにサーファーも絡んで反対の運動が起こっています。署名運動はだいぶ前から始まっていますが、ご紹介する動画は3週間前にアップされたもの。危機を感じて追加されたことを考えてしまいます。
◆動画
#NatureTrumpsWalls savethewaves.org from mouseROAR.tv on Vimeo.
◆SAVE THE WAVES COALITION 署名ページ
説明ページ(英語)です。文中のオレンジ色のボタン「SIGN THE PETITION」から署名ページに。SAVE THE WAVES COALITION
4.アメリカ 新政権の開始時期
アメリカで2009年1月20日にスタートしたオバマ政権。第44代の現アメリカ大統領の任期は2017年1月20日まで。
2017年1月20日に新大統領が正式に就任となり、ここからトランプ氏政権がスタートします。
参考記事:World Surf Movies
トランプ氏画像:東洋経済オンライン
"Catch The Funwave!" - WAVAL(ウェイバル)
「いいね!」してSNSでサーフィン情報をチェック >>
この記事を書いたライター
Mg
海の街に暮らしています。 海をベースに、人と自然の交わるところで日常がより良くなるような情報を発信していきます。