【帝王ケリーはRound 2へと回る番狂わせ】2015WSL『Fiji Pro』

ライター: Tsuyoshi Nakajima

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Photo by worldsurfleague.com


 

【帝王ケリーはRound 2へと回る番狂わせ!】2015 Samsung Galaxy Men’s WSL CT #5『Fiji Pro』がIt’s On!

世界最高峰のメンズ・サーフィンのコンペティションツアー「Samsung Galaxy Men’s WSL(World Surf League) CT(Championship Tour)」第5戦が、ついに開幕! サーフィンのコンペティションは、アスリート・サーファー同士だけでなく、偉大なる大自然も相手となるスポーツ。この権威の高いワールドツアーで、世界屈指のコーラル・リーフ・ブレイクとして有名な「フィジー/タバルア/クラウドブレイク」での第5戦は、ウェイティング・ピリオド(開催期間)初日からスモール・コンディションが続き、6日目にしてようやく新しいスウェルが到達。まだタバルア本来の素晴しいクラシック・バレルの姿ではないものの、やはり世界最高峰のアスリート・サーファーたちのサーフィンは度肝を抜かれるほどに素晴しい!

 

6月12日(金曜日)に行われたのは「Round 1」の全16ヒート。開幕前から発表されていたヒート表で、最も注目していたのは開幕オープニング第1ヒートにクレジットされた11度の世界チャンピオンに君臨する帝王「ケリー・スレーター(アメリカ合衆国)」だ。ケリーの長いツアーの中でも、この開幕オープニング・ヒートに登場することはかなり珍しい

 

1992年に史上最年少において世界チャンピオンとなったケリーだが、あの世界サーフィン史上歴史的な快挙から23年、サーフィンの技術が大きく進歩しようともいまだ世界サーフィンのベンチマーク(基準)な存在であるケリー。サーフィンのコンテストのジャッジは、1つのライディングにおいて「1~10満点」の採点となり、ベスト2ウェーブでの合計点「20点満点」から順位を決める。どのイベントにおいても言えることなのだが、開幕オープニング・ヒートというのは、イベントのジャッジ・スケールをある程度担う大切な基準となる。それらを含めた様々な意味合いを含めて、ケリーが開幕ヒートに登場することは非常に興味深い思いがあった。

 

結果から簡単に言うと、バレル(チューブ)になる本来のクラウドブレイクの波が少ない中で、良い波をつかめなかったケリー。今シーズン、まさに巨大な台風の勢いである「ブラジリアン・ストーム」の1人「アレホ・ムニーツ(ブラジル)」と、若きアメリカン・ヒーロー「コロヘ・アンディーノ(アメリカ合衆国)」の前に破れ、フィジーでの初戦を最下位からスタートする番狂わせとなった。

 

しかし、WSL CTイベントの初戦は、3名ヒートの「ノール-ザー(敗者なし)」ラウンド。1位の選手がRound 3へとスキップし、2位と3位の選手がRound 2へと回る。コンマ数ミリのミスが命取りとなるワールドツアーにおいて、もちろん選手は試合を1つスキップすることは気持ち的にも大きいとコメントしているが、自分のエンジンの回転数を暖めながら相手のエンジンの仕上がり具合も確かめる「ウォーミングアップ・ヒート」とも言える。

 

ケリーのRound 2の相手は、「ワイルド・カード(特別枠)」で出場の「ジェイ・デイビス(オーストラリア)」だ。デイビスは、CTツアーへのクオリファイするための2部リーグ「WSL QS(Qualifying Series)」のワールドランキングを持たない選手だ。彼は、西オーストラリアのマーガレットリバーでのCTイベントにおいて、ローカル・ワイルド・カードとして出場し、素晴しい活躍を魅せて5位入賞を収めた結果、たった1戦の参戦において「2015 WSLジープ・リーダー・ボード(世界CTランキング)」29位へとランクインされ、このフィジーでのイベントをケガのために欠場した世界ランキング26位の「ミシェル・ボレーズ(タヒチ)」の代わりに繰り上げ出場となった。

 

11度の世界チャンピオンであるケリーと、世界ランキングを持たないデイビスのRound 2。ケリーの圧倒的な有利と思われがちだが、世界屈指のバレルライダーとして評価の高いデイビス。タバルアの本来の姿は世界屈指のバレルだ。波が良くなるほどに本領を発揮するケリーだが、Round 2がタバルア本来のコンディションでなければ、デイビスは間違いなくケリーにとって危険な相手となるだろう。

 

Round 2のファースト・コールは、現地時間6月13日(土曜日)午前7時30分(日本との時差は+3時間)。今シーズンCTツアー中盤戦に差し掛かるフィジー、負けたら後がないサドンデスなマンオンマン(1対1)の戦いとなるRound 2、非常に楽しみなヒートが目白押しだ!

 

しかしまだツアーも始まったばかり。Round 1の詳しい結果や動画は以下よりどうぞ! ▶
http://www.worldsurfleague.com/fiji-pro

 

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この記事を書いたライター

Tsuyoshi Nakajima

「WSL(World Surf League) Japan Regional」ツアーにおいて、2015シーズンまでイベントの「アナウンサー/キャスター/インタビュアー/コメンテーター」などを担当。数々のワールド・アスリート・コンペティションを目の当たりにし、イベントサイトのインターネット・ライヴ中継を通してワールドツアー・アスリート・サーファーたちのヒート(試合)を解説。伊豆をホームに持つサーフィン歴は30年を超え、地元の海において「子どもたちのためのサーフィンレクリエーション」なども主催。
サーフィンのディープな本質や、ワールドツアー・イベントから国内のアマチュア・イベント、How Toなど、サーファーだけではなく、すべての方々にサーフィンを楽しんでいただけるようなニュースをお届けします。