目標はロングボード世界一。企業で働くアスリート田岡なつみプロインタビュー

ライター: WAVAL

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日本でグランドチャンピオン、世界では7位と国内外で活躍をしているロングボーダー、田岡なつみさん。企業で働きながらアスリート活動をしているデユアルキャリア、サーフライダーファウンデーション・ジャパンのアンバサダーとマルチな顔を持っている田岡さんに話を聞いた。

田岡なつみ
田岡なつみ / 写真 横山泰介

1994年生まれ、千葉県出身。16才でプロデビュー、 2017年、18年、21年、JPSA(日本プロサーフィン連盟)、ロングボード女子でグランドチャンピオンを獲得、3度の日本一に。2021年、世界組織であるWSL(ワールドサーフリーグ)で総合7位に輝き、来シーズンのシード権を獲得。2017年、株式会社マイナビへ新卒入社しデュアルキャリアを歩む。サーフライダーファウンデーション・ジャパン、アンバサダー

田岡なつみ見る者を魅了するスタイリッシュなノーズライディングをキメる田岡さん

WSLのLT(ロングボードツアー)で総合7位に

SURFRIDER FOUNDATION JAPAN (以下SFJ ) :2021年、WSLのLT(ロングボードツアー)で総合7位になり、来年のシード権を獲得。10月にアメリカで開催された最終2戦で5位という結果が好成績につながりました。

初の人工波に苦戦。ウェーブプールで開催された世界ツアー『クエルボ・サーフランチ・クラシック』

『クエルボ・サーフランチ・クラシック』はウェーブプールで開催されたのですが、実際に入ってみるとパワーもサイズもありましたね。自然の波と違って景色が変わらないのがすごく難しくて。1本乗るごとに「次こうしたらいいな」と慣れていったんですが、「やっとコツを掴んだ」という時に、もうラストウェーブで。で、攻めすぎてコケてしまい、「悔しい」で終わってしまったんですよ。ですが、5位というランキングは、自分のキャリアの中でも最高位だったので自信になりました。『ジープ・マリブ・クラシック』は、波がこないヒートもあったのですが、私は波運にも恵まれてトントンと気づいたらクォーター前までいけました。ですが、相手がすごく調子がよくて緊張してしまって、波運にも見放されて、納得いくライディングができなかったのがすごく悔しくて……。ですが、今までは6点台出ることも滅多になかったんですけど、今回は6点、7点と普通に出せるようになったので、来年はすごく自分でも楽しみです。

田岡なつみ世界ツアーの一戦はウェーブプールで開催。対策はしていたものの初の人工波に苦戦したと言う田岡さん。来シーズンに期待がかかる。Photo: Riku Yoneyama

目標は世界一。テッペンが見えるイメージがつかめた。

SFJ :やはり、目標は世界一ですか。

はい、小さいころからの目標です。来年は絶対に世界一を獲るという自信になりました。今までは、ラウンド1、ラウンド2アップがギリギリだったんですけど、テッペンが見えるイメージがつかめました。17才で初めてWSLの試合に出てから海外選手とのレベルの差をすごく感じましたが、ちょっとずつ順位を上げてきました。世界一はまだまだ自分には遠いと感じていましたが、こうやって5位になれて、世界一の道もどんどん狭まっているように思います。

田岡なつみいつも笑顔を絶やさない田岡さん。名前の通り“夏”の日差しのように明るい性格だ

3度目のJPSAのグランドチャンピオン

SFJ :11月、自身3度目のJPSAのグランドチャンピオンを獲得しましたが、感想は。
グランドチャンピオンは、プロになってから長い間取れなかった賞でもあり、3度目もとても貴重でうれしいです。海外の試合をメインにしているので、国内の試合とスケジュールが被ってしまうことも多いのですが、来年もグランドチャンピオンを目指します。

「日本1位になりたい」と思ってプロテストを受けた

SFJ :サーフィンを始めたきっかけは。

両親がサーファーなので、小さいころから、毎週日曜日に千葉・太東に連れていってもらいました。両親ともにロングボーダーだったので、自然とロングボードに乗るようになりました。本格的に始めたのは小学校6年生、同年代のキッズの仲間もいたので本当に楽しかったですね。高校生の時に全日本で優勝するというのが自分の目標だったんですけど、ある方から「全日本で1番を獲っても、プロという世界があるんだから、日本で1位になったことにならないんだよ」と言われて。「プロになりたい」というよりも「日本1位になりたい」と思ってプロテストを受けました。週に1回しか海に行けなかったので、毎週毎週がんばりました。

田岡なつみ世界一への課題は「ターンのバリエーションとクオリティ」と自己分析。海外選手とのフィジカルの差を埋めるために努力を重ねている

プロと会社勤めの両立

SFJ :プロ活続けながら企業で働くデュアルキャリアを歩んでいますが、きっかけは。

プロサーファーとしての収入だけで生活していくことは難しいということはわかっていたので、企業に勤めながらプロ活動もしていきたいと、大学時代に考えていました。ですが、就職活動では、プロサーファーは副業になってしまうということで、入社説明会の段階で断られてしまい……。メンタル面でもやられていた時に、縁あってスポーツ活動に理解がある「マイナビ」に入社することができました。

SFJ :プロと会社勤め、両立は大変なのでは。

週の前半は仕事をしっかりやって、後半はサーフィンに集中と、オンとオフを分けてもらっているので、両立はできていると思います。「サーフィンを第一に」ということなので、海外の遠征で1ヶ月いない時もありますが、そこは柔軟に対応してもらっています。マイナビは人材派遣が主な業務なのですが、今は総務として事務処理をメインとしながら、体育会系学生向けのガイダンスで私の働き方を紹介したりもしています。

SFJ :デュアルキャリアはプロ活動にもプラスになっているそうですね。

競技を続けながら社会人スキルを学べるのがいいですね。また、いつケガをするかわかりませんから、セカンドキャリアではないですが安心してサーフィンに集中できます。一番よかったなと思うのは、サーフィンのことを全く知らない社員の皆さんが、すごくサーフィンに興味を持ってくれたことです。毎回ライブや実際に試合に応援に来てくれたり、サーフィンを始めたい人がすごく増えたんですよ。いろいろな人にサーフィンの魅力を伝えることができたと思っています。今、デュアルキャリアは社会に浸透してきているので、サーフィンをしながらアスリート活動を続けていきたいという方は、情報収集しながら就職活動をしたらいいと思います。

田岡なつみ10月、アメリカへの遠征中、多忙なスケジュールを調整して、ベンチュラで開催されたビーチクリーンへ参加。SFJのアンバサダーとして現地で交流を深めた

ビーチクリーン活動の実施や、環境問題をSNSで発信することの大切さ

SFJ :現在、田岡さんはSFJのアンバサダーですが、どのような活動をしていますか。

若い世代が中心となってビーチクリーンをやったり、環境問題をSNSで発信していくということが大切だなと思っています。自分もプラスチック製品を使わないとか、エコラップを使っている、という身近なトピックを積極的に発信はするようにしています。マイナビの仕事の一環ですが、大学の授業で海の環境問題について話す機会をいただいています。そこで実際に海にゴミが落ちている写真、マイクロプラスチックやヤドカリがゴミを被っているリアルな写真を見せると、「えっ、こんなことになっているんだ、今の海は」と驚く学生も多くて、それで気づきがあればいいなと。

SFJ :最後にサーファーへメッセージをお願いします。

「ワンハンドビーチクリーン」に、私はすごく意味があると思っています。一度、私がビーチでゴミを拾っているのを見て、後ろに歩いていた人が一緒に拾ってくれて、「あ、いいですね、ゴミ拾い」と言葉をかけてくれました。そういうのをどんどん広げていき、皆が拾うようになれば、捨てる人もいなくなるし、ちょっとずつ意識が変わっていくんじゃないかなと思っています。若い子を中心にどんどん発信して、アクションをしていきたいです。それと、みんな笑顔であいさつして、楽しく海に入るのがいいなと思っているので、ぜひ声をかけてもらいたいです。いつも東浪見で入ってますので(笑)。

SFJ :どうもありがとうございました。

田岡なつみ

執筆者:SFJ 佐野 崇

*本記事はSFJより依頼、又は許諾を得て掲載しております。





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