「アスリートである前に、私は1人の人間です。」タイラー・ライトが送った黒人差別へのメッセージ
ライター: Miki
Tyler Wright knelt for 439 seconds in solidarity with Black Lives Matter. Photo: WSL
アメリカ カリフォルニアのサーフランチで開幕し、オーストラリア、ヨーロッパ(フランス、ポルトガル)、ブラジルの各リージョンで開催となるCTサーファー出場のWSLカウントダウンイベント(関連記事:五十嵐カノアペアが2位となった久々のWCTビッグイベント『Rumble At The Ranch』ダイジェスト映像)。
今回、オーストラリアのニューサウスウェールズ州カバリタビーチで開催されたTweed Coast Pro(ツイードコースとプロ)の結果は、メンズはイーサン・ユーイング、ウイメンズはタイラー・ライトが優勝。
そのウィメンズRoud1で、これまで2回もWCTワールドタイトルを獲得しているTyler Wright(タイラー・ライト)が「Black Lives Matter」と書かれたボードで人種差別問題に対してメッセージを送った。
439秒という時間は1991年以降に警察に拘束されて命を失ったオーストラリア先住民の数
2020年、世界各地で「Black Lives Matter」と訴える運動が高まりを見せる中、タイラーはヒートが始まっているにも関わらず439秒ビーチで膝まづき、片手を上げ同じポーズのまま世界で起こっている人種差別抗議を主張した。この439秒という時間は、1991年以降に警察に拘束されて命を失ったオーストラリア先住民の439人と同じ数字だ。またこの活動でRound1の約1/3の時間を使いながらも、しっかり1位で通過した。
タイラー・ライトは今年のテレビ番組で、自身がLGBTであることを公表している。そして今回、タイラーは自身の行動に対してインスタグラムでこのように説明した。
“アスリートである前に、私は1人の人間です。“
今日私はヒートが始まる前にBlack Lives Matterの運動に賛同して膝をつきました。これには賛否両論の意見があり、私も完璧からは程遠い人間ですが、人種的正義と人類みんなの平等を心から願っています。私は白人であり、サーフィンコミュニティというプラットフォームを持っているという事は、私は自分の意見を自由に言える、自由に行動できるということでもあります。
残念ながらこのような権利を持ってない人がいるのも事実です。そのような人達の為に私は行動し、想いを伝えていくことが私の使命だと思っています。自分たちと違う肌の色、バックグランドを持った人々を押さえつけるこのような社会のシステムを絶対に変えなければいけません。
SNSでは過激なBLMデモ活動を行う人もいる事を背景に否定的なコメントもあったが、タイラーの勇気ある行動を称賛する方が圧倒的に多かった。WSLも「WSLはタイラー・ライトと、人種差別と不公平に対して全面的にサポートしています。サーフィンは全ての人の為の物であり、WSLは人種差別に積極的に取り組み、真の平等のために戦う為に連帯します。」と彼女をサーポートするコメントを表明。
今回の試合も素晴らしいパフォーマンスでヒートを次々に通過。決勝では日々一緒にサーフィンをする仲のステファニー・ギルモアと対戦し見事優勝。今回の試合に対して特別な想いで臨んだタイラー、優勝というタイトル以上のパフォーマンスを披露した。
WSL公式HP 試合結果
www.worldsurfleague/tweed-coast-pro-mens
www.worldsurfleague/tweed-coast-pro-womens
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この記事を書いたライター
Miki
元外資系客室乗務員、中東に住みながら世界50カ国以上飛び回る生活を送る中、バリでサーフィンに出会い人生激変。海の近くに住み毎日サーフィンが出来る環境を求めて現在はオーストラリアに住んでいます。
・Instagram→ @eatmore.gelato
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