ケリー・スレーターの身体のアクション解説!派手な技を行う前に大切なサーフィンの基本動作

ライター: ドジ井坂

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ケリー・スレーター

こんにちはドジ井坂です。今回は世界のトップサーファーのライディングスタイルを、ヨコノリスポーツがカリフォルニアで開花した1970年代からの基礎理論で解説します。オリンピック種目にもなり世界的に注目されているサーフィンですが、サーフィンがどのようなスポーツなのかを説明するには、サーフィンの進化の過程を検証して理解することが近道だと考えています。それはサーフボードの大きさやデザインの創造によって生まれた新しいテクニックの歴史なのです。また正しいサーフィンのテクニック解説も、その進化の歴史をたどってみれば、正しい理論は自然に見つかるはずなのです。

ロングボードからショートボードへ。同時に変化したスケートボードの歴史

1960年代にロングボードを楽しんでいたサーファーが創作したスケートボードは、ロングボードの左右への体重移動の動きを陸上で楽しむための用具でした。それが1970年代にサーフボードが操作性を重視したショートボードに変わると、それまでのロングボードの横(左右)のアクションから、縦(上下)のアクションに変わりました。それまでのロングボードのようなスラロームを楽しんでいたスケートボードにも大きな変化が生まれます。サーフィンのショートボードアクションをスケートボードに取り入れようと、波の形をイメージしたバンクやランプの構造物が生まれました。それは現在のスケートパークであり、雪山ではハープパイプやジャンプランプのアクションスポーツになって世界中に広がっていったのです。

ヨコノリスポーツの進化はすさまじく、最新の動画が世界中にあふれています。しかし、それを見て高度なアクションを真似ようと最新用具を購入しても、サーフィンをはじめ縦へのアクションは、そう簡単にできるものではありません。

最も大切な基本の体重移動。サーフボード操作

自分が楽しむサーフィンと、メディアに登場する高度なエアリアルアクションとのギャップが大きすぎるのです。なぜ縦のアクションは難しいのか?サーフィンはロングボードの時代に基礎動作が確立しました。それが左右への体重移動によるボード操作です。その横の基本のボード操作を無視して、いきなり縦のアクションをやろうしていませんか?

その基本のところを飛ばして、縦のアクションについてのみを行おうとすると、肝心の大切な土台の部分が見えてきません。そこで今回から、世界のトップサーファーのライディング動作の解析として、サーフィンの基本テクニックを解説してみることにしました。つまり、あなたのサーフィンのテクニックレベルが、サーフィンの進化の過程のどこにあるのかわかれば、進化が止まった部分の間違いをトレーニングで修正でき、一歩ずつあなたのサーフィンを進化できるのです。

ケリー・スレーターの身体のアクション解説

第一回は、やはりケリー・スレーターの身体のアクションから解説していきますね。現在47才にして世界のCTランキング10位(2019年11月現在)。1990年に世界デビューして、ワールドタイトルを11回、メジャー大会に通算55勝という前人未到のキャリアのケリー・スレーター。ケリーの様々なサーフィン動画を観察してみると、ケリーのターンの初動は、ロングボードの左右への小さな微細な体重移動によるターンと同じなのです。

大昔の大きく重たいロングボード時代に変わり、軽量で操作性の良いショートボードは、ほんの数ミリの体重移動で高速サーフィンのターンの操作ができます。ライディングの動画をみているだけでは、その微細な基本動作はわかりにくいです。

ケリーがテイクオフして大きなアクションのターンに入る前に、テイクオフの姿勢のまま静止しているように見えることがあります。縦への大きなボードアクションばかりに気を取られていると、その微細な身体の動きを意識しずらくなります。以下動画の50秒あたりからどうぞ。

そこで、ケリーを真似て、ロングボード時代の左右への体重移動を、ほんの少しやってボードを加速させてみてください。その小さな体重移動でボードの操作ができると、その基本動作は縦へのボードアクションに繋がることがわかります。ボードを操作してボードの向きを縦にするのではなく、左右への体重移動でショトボードを加速できれば、そのスピードでボードは縦のアクションになるのです。

このように仮説を立てて、ケリーのサーフィンみてください。基本動作の大切さがわかると思います。サーフィンだけでなく、ヨコノリ系スポーツの基本動作を、「ダイナミックバランス魔法」という単行本にしました。一般のサーフィン業界の指導方法や理論の解説の進化版として是非ご一読ください。

 

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この記事を書いたライター

ドジ井坂

ドジ井坂です。 全日本プロサーフィン選手権初代チャンピオン。日本人初の世界選手権出場、シェイパーとしても活躍し、1968年から世界のサーフィンを実体験し、40年以上にわたる指導経験から、入門書など多数。そのサーフィン基礎理論は、身体の動作研究にも及び、海のスポーツ特有の理論研究とそのトレーニング用具開発に進化している。

東京オリンピックに向け、サーフィンのトレーニングにスケートボードも導入し、日本人に適した動作感覚とバランスのシュミレーショントレーニング「ドジ井坂ジャパンメソッド」の普及活動を始めた。

もっと気軽にビーチを通年活用していくためのコミュニティ活動「ビーチクラブ構想」を国土交通省支援の下に立ち上げ全国13箇所で展開、一般社団法人ビーチクラブ全国ネットワーク理事長。海岸の様々な利活用に関する神奈川県や千葉県、地方自治体の委員を歴任。海や海岸のジャンルをも飛び出してしまう超マルチな活動を今も精力的に展開。1948年神奈川県茅ケ崎市生まれ。の今は「海オヤジ」。 ドジ井坂が開講するトレーニング講座はこちら!お気軽にお問い合わせ下さい→beachschool