アフリカサーフィン事情 〜南国ビーチに生息する様々な生き物たち〜

ライター: NAMINORI TOM

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アフリカ サーフィン

毎回の波乗りがサーフィンサファリとなるギニア湾に面するポイントでの、ある1日のエピソード。野生動物の宝庫アフリカ。サーフィンに行くまで、そしてサーフィン中、生活する中で様々な野生動物や昆虫達に出会うことができる。

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【Index】
1.乾季に雨が降ることは極めて珍しい
2.巨大カタツムリ *閲覧注意
3.頭オーバーのギロチンダンパー
4.赤クラゲ
5.肉蝿(ニクバエ)

アフリカサーフィン生物事情

1.雨季と乾季がはっきりしていて、乾季に雨が降ることは極めて珍しい

サーフシーズン最終期にかかった西アフリカ南岸のビーチ。ライダブルで穏やかな波の季節もあと少し。4月頃になると西アフリカ南岸は、またあの忌々しいビッグスウェルがやってきて、クローズアウトが続く半年間になってしまう。というわけで朝早くから海へ。私の住む首都は曇り空。海までの80キロを東に向かった。

アフリカ サーフィン

あれ?通り雨。雨季でもないのに?
当地では雨季と乾季がはっきりしていて、乾季に雨が降ることは極めて珍しい。でも最近は気候不順気味。

2.巨大カタツムリ

*閲覧注意*

途中の雨宿りの休憩、ガソリン給油。そこで発見したのは体長20センチはあろうかという巨大カタツムリ!!

アフリカ サーフィン

通称、アフリカマイマイ。トマト煮のスープなんかに入れて食べたりする。レストランで「エスカルゴ♪」なんて頼むと、グロいのが出てくることになる。それもネタとなる 笑。

3.頭オーバーのギロチンダンパー

しばらくすると東の空は晴れてきた。日の出を進行方向に見つめながら、ビーチへひた走る。海につくと朝日が斜めから差しこんでいた。すがすがしい潮風、というよりは朝からべったり湿気を含んだ風。

アフリカ サーフィン

この日の波はスモール予想。セットでコシムネのそこそこサイズ。しかし相変わらずチョッ速で、ダンパー効いてる。その上、そのサイズを待っていると、5分に一度のお化けセット、頭オーバーのギロチンダンパーを食らう。うかうかはしていられない。1-2本短く乗ったら、沖へ退避。

裏から望むセット。軽く頭オーバー
アフリカ サーフィン

4.赤クラゲ

ここはいつもは波がでかく、サメも寄り付かない。しかし一度サイズが落ち着けば、あらゆるものが寄ってくる。水着女性?…いや、そんないいものはやってこない 笑。オンショアで、スモールコンディションになると、海藻群、赤潮、ゴミたちとともにやってくるのは、様々なな生物たちだ。

この日、大量にいたのが赤クラゲ。日本のクラゲに比べると大きくて、足が長い。そして刺されると痛い。いや、刺されるというよりは、釣り針がいくつもついた釣り糸でざっ!っと引っぱられたような痛み。そして何週間か、強烈に痒い。

この日はショアブレイクをドルフィンで抜けようとした瞬間。「いでっ!」。首のうしろ肩甲骨の裏側くらいのところに、擦過的激痛。その後、首の後ろには強烈な痒みが。刺された後の一箇所が、たんこぶみたいに膨れ上がった。

5.肉蝿(ニクバエ)

でももっとカラフルなクラゲとか、ビーチの底にぬるっとした謎の軟体生物とか。やられたらそっちの方が多分ヤバいと思う。この日のもう一つの敵、それは肉蝿だった。

ご存知ですか?肉蝿?

普通、海からラグーンに伸びた淡水域に生息する大型のハエで、大きさはむしろ小ぶりのハチに近い。ヒトを含めた動物の皮膚にたかり、水分をとったり、また卵を産み付けたりする。牛や馬などは、肉バエの卵が皮膚で孵化して、それはそれは痛がるらしい。

アフリカで洗濯物などを頼むと、パンツまでアイロンがパリッと入ってたりする。「そこまでしなくていいよ。」と言うと、「ムッシュ、縫い目に肉蝿の卵が産み付けられてるかもしれないですぞ。洗濯じゃ落ちないからねぇ。」と。ゾッ〜〜!

この日の海でも、この肉蝿にやられることとなった。上半身裸体で波待ちをする、私を襲ってくる。そして体のどこかにたかると、ものすごく不快な吸着感。そして痛み。明らかに何か噛み付いているというか、肉をかじられている感触。

振り払っても、振り払っても、まとわりついてくる。ドルフィンして逃げても、浮かんでくれば旋回して待ってるし。ある意味、クラゲよりも厄介だ(泣)。これだけで上がりたくなるほど、キラい。この日、肉蝿にはしばし悩まされた。この間はクマバチに追い回されたなぁ。やれやれ。

6.サメ

きょうは朝からポイントが混雑気味。最大5人のサーファーで埋め尽くされた 笑。しかし彼らも、さっきのダンパーセッションでやる気を失って、上がってしまった。

そして昼を過ぎると、珍しく風が収まり、凪ってきた。たった一人、グラッシーなコンディション。思わず鼻歌。

サーフィン アフリカ

なんてのんきにやっていると、こんどは水中から、なにやらが近づいてくる気配。そしてその水圧を受ける向きが正面から右に、後ろに、左に。そしてさっきより大きな先な水圧。え!なんだなんだ?ヤバい。サメ?!

岸の方を見るとを見るとだいぶ沖に出ている。セットに乗って岸に上がろう!…そう決断したものの、こんな時に限ってセットがやってこない。頼む、ギロチンダンパーでもいいから来てくれ、岸に連れていっておくれ!…と願ったら、なんと願いどおりギロチンダンパーが。それもかなりヤバめ。条件反射で沖に逃れてしまった。臆病者!

いや、サメに対峙する方を選んだのだからむしろ勇敢というべきか?

…などとどうでもいい考えが頭をよぎりながら、セットが過ぎた後に岸に向かって全力パドル。やってきた次のダンパーセットの壁のようなスープでなんとか岸まで逃れ、助かった。

岸に上がって話を聞くと。

「ここのところサメはでていないから、ちがうんじゃないかな?」

「いや、その水圧ってのはサメだよ、きっと。」

真相はよくわからない。


そういえば先日はウミガメがやってきて、子供たちが大喜びしていた。

アフターサーフの木陰。シーブリーズに木漏れ日が気持ちいい。樹の幹にはイモリ。頭の上では、南国の鳥たちのさえずり。たくさんの海の生き物たち。そう、ここは常夏のアフリカである。

サーフィン アフリカ

追伸:こんな日ばかりではありません 笑。今回は当地ならではのエピソードが詰まった1日の様子を、ちょっとリアルにご紹介してみました。



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この記事を書いたライター

NAMINORI TOM

トリップ好きが転じてアフリカ専門家となり、三ヶ国目となる西アフリカ・ギニア湾岸に在住。サーフィン歴25年。元ロングボーダーだが、アフリカ行きのために板をどんどん短くし、現在は超ミニフィッシュ専門。サーフライターとして、アフリカ・サーフィン事情、海の環境や開発、サーフトリップなどを素材に、レアな情報、インスパイヤーされた経験、共感につつまれた出来事などを文字にして発信している。
・ブログ→なみのりとむのサーフィン・サファリ日記
・Facebook→naminoritom
・Twitter→@tomsurf128
・Instagram→@Naminori_tom