祈りましょう。噴火の兆候高まるバリ島最高峰3031mの山『アグン山』
ライター: 有本圭(KEI ARIMOTO)
3031mもあるアグン山が噴火したら
バリ島、最高峰の山、アグン山が噴火の兆候を見せている。標高3031mのこの山が噴火となれば1963年以来となる。
9月29日現在で、河口付近の住民約13万人が避難生活を余儀なくされている。というのは数日前に噴火警戒レベルが最高の4へと引き上げられ、さらに火口付近からは水蒸気が確認され、噴火間近と予想がされているからだ。
1963年にアグン山が噴火した際には1000〜2000人の死者を出し、さらにその噴火が約1年に渡って続いたというからタダごとではない。その噴火によって世界中の気候へ影響を及ぼし、地球規模の低温化をもたらしたことからもその規模の大きさがうかがえる。
バリ島の現状は?
ではこの状況下でバリ島はどのようになっているのだろうか。クタやスミニャック、チャングー、サヌールといった観光の中心地では表面的にはほとんど変わらない日常が送られている。というのも、前回の大噴火においてもこのエリアは大きな被害に遭っていないそうなのだ。噴火後に灰が降るなどの被害はあるにせよ、人命が失われるほどの被害は今のところ予想されていない。
というわけで案外ノンキなものなのだ。しかし完全に平常通りかというとそうでもない。ドラッグストアからマスクが消え、避難グッズのコーナーが品薄状態となっている。降灰や停電、断水などの予想が立っているため、人々はそれに備え始めているのだ。
もう一つの深刻な被害
アグン山噴火に伴う大きな被害の一つに観光客の減少がある。バリ島は観光業で支えられている島なので、実はこの被害が深刻なのだ。噴火警戒レベルが4に引き上げられた時点ですでに影響が出始めている。年内のバリ旅行のキャンセルが相次いでおり、旅行業界は大きな打撃を受けている。
噴火の際は噴煙の影響により空港が閉鎖されることが予想されているため、ツーリストが敬遠してしまう。昨年、お隣の島ロンボクのリンジャニ山が噴火した際にもバリ島の空港が閉鎖され、多くのツーリストの足に影響が出たという事実がある。そのためアグン山が噴火した際にはさらに大きな影響が出るのではないかと囁かれているのだ。
空港が閉鎖されて日本に帰れなくなってラッキー!という状況以外の方たちはバリ行きを慎重に判断された方がいいのかもしれない。
祈りましょう
アグン山噴火兆候が見える中、現地のバリニーズたちは案外楽観的だ。「ダイジョーブヨ」というのが大方の見方で、その根拠は「みんなで祈っているから」ということだ。
バリ島は神の島。だから、彼らの言い分もあながち間違いではない。祈りは神に通ずる。そう信じて被害が最小限に収まるよう今はとにかく祈りましょう。
バリ島在住、有本圭のインスタグラムではバリの日常や波をアップしています!→instagram/keiarimoto
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この記事を書いたライター
有本圭(KEI ARIMOTO)
有本圭(ありもと けい)
バリ島在住のフリーライター。2000年よりプロロングボーダーとしてコンテストで活躍する傍ら、旅行会社からのサポートを受けながらサーフボードと抱えて世界中を旅してまわる。プロツアーを引退した後、経営者としてのキャリアを経て、2012年に家族とともにバリ島へ移住。現在、ライターとしてサーフィンの魅力を伝えていくことに加え、ライフスタイル、バリのカルチャー、環境問題、家族、仕事などをテーマに幅広く執筆活動に励んでいる。
・Instagram→@keiarimoto
・Blog→sw-players.com/