スケートボード世界最速140km/h超えスケーターに学ぶ「心技体」
ライター: Mg
世界最速記録を出したスケーター『カイル・ウェスター』
サーフィンやスケートボードはやればやる程、より高みに自分を持って行きたくなり深みにはまるヨコノリスポーツ。カルチャーやスタイルなどの共通項が多いこともあり、世界最速のスケーターが目指す境地はサーファーも共感できる部分があることでしょう。
ライディング中の時間が止まるような「その瞬間にしか訪れない鋭い緊張感」はサーフィンでもよく経験できますね。乗る前にもしここで「失敗するかも」という弱気な考えにとらわれてしまえば、その1本はきっとうまくいかないでしょう。成功する時は「成功すること」に集中力がロックされている状態だと思います。そしてそれがいわゆる「度胸」というものの本質なのかもしれません。
スケートボードのダウンヒル(山の急斜面を高速で下る)で143.89km/hと、日常ではまず体感し得ない速度の記録が2016年8月29日に出されています。ただスケボーに乗った人間は生身!僅かななミスも許されない状況です。
そのカイル・ウェスターの映像をご紹介しましょう。走り抜ける様子はおそらく想像以上。動画は00:56~スケートの場面が始まります。音声が消されていますがまさにholy s**t!! ※意味:「すげえ、なんてこった」▶
Photo by youtube
それまでの世界最高記録130km/hを大きく上回りました。
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世界最速スケーターに学ぶ『イメージトレーニングの重要性』
メンタル面では前述の通り雑念を皆無まで取り払い、目指す1点に「ロック」する深い集中力。また前代未聞の記録を成し遂げるために地上に存在していない境地に対する確たるイメージング(想像力)が必要です。
世界一に挑むということは、それまで自分で到達はおろか目にしたことすらない体験。挑戦者の頭の中にしか存在していないその無形の世界について、繰り返し繰り返し、あたかもそれが実在するかのように脳裏にイメージさせるもの。
はっきり思い浮かべることがイメージトレーニングの究極であり理想で、予感めいているまでにイメージを刷り込ませることが、いわゆる「できる人」との決定的な違いが出る部分といえるかもしれません。
なぜなら例として、トップアスリートは、自分の内側から五感の細部に至るまでを思い浮かべた世界と、自分を客観的に外側から見ている世界、心の中でその2つの世界を上手に描けるといいます。これはイメージした世界と現実の世界の区別がつけにくい脳の性質を利用するためです。
ちなみによく言うイメージトレーニングの意味を改めて確認すると、自分の中の感覚を支配しやすくする作業のこと。レモンのことを考えたときに口の中に唾液が出てくるなどもその1種で、身近なところでいえばサーフィンの陸トレである、波に乗った自分をイメージしているときのスケートボードもそうです。
イメージトレーニングを取り入れるのでしたら基本的にリラックスした状態でのぞんでください。雑念が入りやすい場合は、日常にサーファーもよく行うヨガの瞑想を取り入れても良いのではないでしょうか。▶サーフィンの神様ジェリーロペスも実践したヨガとサーフィン3つの共通点 ※一説には個人により向き不向きがあるので自分に合わなければムリにやることはありません。むしろ好ましくない場面しか頭に浮かんでこない場合はやめるべきです。
またフィジカル面では身体能力の鍛錬はもとより、かかる空気抵抗を削減し、姿勢キープを邪魔しない、体にピッタリとフィットした衣服を着用して挑む工夫をしています。
・スポーツに大切な心技体=メンタル+フィジカル+テクニック———-
ここで扱っているのはスケートボードに限った話ではなくサーフィンや他のスポーツにも深く関係しているもの。成果を出そうとするときにはフィジカルで大差がなくてもメンタルが大きく左右します。これを表す理想的なバランス関係について「心技体(しんぎたい)」という表現があります。もとは柔術からきている考え方といいますが今やスポーツ全般に使われます。メンタル、フィジカル、テクニック、全てがバランスよく揃ってこそ最高のパフォーマンスが発揮できるという意味です。
どんなことも元を辿れば、小さなひとつの積み重ね。上手なサーフィンができるにこしたことはなくても、海に感謝しビーチクリーンに積極的に取り組むなど日々の姿勢からもメンタルは上げられます「(心技体の)心」。
スケートボードのブレーキテクニック『速度が出ている時の止まり方』
スケートボードはご存知、車などと違ってブレーキがありません。止まるためのテクニックが必要になります。スピードがついている場合、基本的にやってはいけないのが、『間違っても飛び降りてはならないこと』です。スピードの遅い状態であれば走っている最中の板から飛び降りても大したことはありません。しかし速度のあるダウンヒルの場合には危険すぎることはご想像に難くないでしょう。大ケガ必至となりますね。
スケートボードで速度が出ている時に止まるための、ブレーキテクニックを4種ご紹介します。
1.ハンドスライド(手によるブレーキ)
カーブ等でコントロールするためのハンドブレーキ。これも速度を落とす要因となります。専用のグローブを使って、地面に手をついて摩擦を作る方法です。
2.パワースライド(板をスライドさせたブレーキ)
スケートボードに乗ったまま、その板を足で進行方向の垂直に押し出してウィール(タイヤ)をスライドさせる方法です。ダウンヒルでスピードの調整に使われるメジャーなテクニック。ギューっというような音が出ます。
3.エアブレーキ(空気抵抗によるブレーキ)
抵抗を最小にするため身体を縮めて挑んでいたダウンヒル。なので止まるにはその逆となります。姿勢と着衣が影響します。
【姿勢】速度が出ているまま慎重に身体を起こし、両手を大きく開いて立ち上がり、受ける空気抵抗をブレーキとして利用します。
【着衣】最大限にスピードを出すためにフィットさせた着衣が、逆に普段着のようにバサバサと抵抗のかかる衣類だった場合、これもエアブレーキの要因に該当してきます。バイクに乗ったことのある方は服による抵抗が理解しやすいでしょう。
4.フットブレーキ/フットストップ(足によるブレーキ)
全てにいえることですがバランスを保つことが重要で、フットブレーキ(またはフットストップ)は片足をスケートボードに置いたままもう片方の足を地面に付け、靴底で地面との摩擦を起こしてかけるブレーキとなります。
想像力の先へ
どのジャンルでも毎回「この記録を破れる人はいないのでは」と思われる既存の最高記録を乗り越えるチャレンジャーがどこかに現れます。人類は自分の想像した所まで行ける…想像力がある限りリミッターはありません。
サーフィンでも数十年といわず、ここ数年だけでも流行や新しいテクニックが発生し、スタンダードとされていた価値観も変わっています。現在の標準を打ち破る人が日々現れるため、例えば未来のオリンピックまでの数年だけでも、今とどう変わっていくのか、期待と興味は尽きません。サーフィンの今後を見守ると同時に「心技体」を整え、自らも進化していきたいものです。
"Catch The Funwave!" - WAVAL(ウェイバル)
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この記事を書いたライター
Mg
海の街に暮らしています。 海をベースに、人と自然の交わるところで日常がより良くなるような情報を発信していきます。