『海のセラピー効果』世界に広がるサーフィンセラピーとは
ライター: Mg
世界で話題のサーフィンセラピー(サーフセラピー)とは
海に行くと自分をリセットできる。まさに今生きている「生」の感覚を与えてくれるサーフィンは海と自分を密着させてくれる大事な時間でもあります。波の音や潮風、砂を踏む足の裏の感触。愛おしいような懐かしいような感覚がとても気持ちをリラックスさせてくれ、それは自分だけが感じるのではなくまさに多くの人が思う事でしょう。
「暴飲よりも早寝して明日のサーフィン」は個人的にも自分自身の心掛けともなりました。しかし心掛けというよりは、サーフィンをすると多くの人がそういうサイクルに入っていくのでしょう。傷ついた心に効果を与える「海の力」が、いま世界で話題になっています。
サーフィンは、精神の不安を解消し、自信や自尊心をつけ、生活の質を向上させるセラピー効果があるというイギリスをはじめとした海外での実験結果が注目されるようになったのです。
若者の心の病・傷ついた元兵士に海の力「サーフセラピー」「オーシャンセラピー」
サーフィンが、うつ、ADHDといった病気を抱える子供、そして傷ついた大人にいい影響を与えることが知られています。いくつかケースを見てみましょう。
■ケース1・若者と父の心の病に「サーフセラピー」
【双極性障害】10年間、うつ病や不安神経症を繰り返してきたグラント・トレビルコ氏は双極性障害が酷くなり、同じ症状を抱えていた父親と故郷ニュージーランドでサーフィンを始めました。
「本当に久しぶりに笑うことができたんです。もう二度と喪失感に襲われることはないように感じました」と、サーフィン後の気持ちを語っています。
すっかり身も心もサーフィンの虜になったトレビルコ氏は、その後同じように心の病を抱える人たちをサーフィンの力で助けるNPO「ワン・ウェーブ」を立ち上げ、毎週早朝、ビーチに集まった人々と心の病について語った後一緒にサーフィンをするサーフィンイベントを開催するまでに。
サーフィンは心の病に効果がある。世界中のビーチで広がるイベントの輪「大丈夫じゃなくても大丈夫」
■ケース2・子ども、若者の心の病に「サーフセラピー」
【うつや自閉症を抱える人や、大切な人を亡くしてショックを受けている人】ボランティアのトレーナーが海でも陸でも1対1となって指導してくれます。参加者が思うのは「サーフィン楽しかった!」ということ。参加する若者はサーフィンをしている感覚なのでセラピーを受けている感覚は薄いのです。
サーフィンして遊んだ経験は医師の調査でも自尊心が芽生えた報告があり、これまでの不安が取り除かれ、自分に自信が付いて生活の質があがったといったセラピー効果が見られるそうです。ボランティアの医師ローラさんとサラさんが、サーフィンをした前後、参加者とその親に100の質問をし、大半の参加者の回答からその効果を確認しています。
若者の心の病気に効果あり!イギリスで「サーフィンセラピー」が話題
■ケース3・傷ついた元兵士に「オーシャンセラピー」
【PTSDを抱える元兵士】PTSD…戦争、自然災害、事故、犯罪、暴力、虐待など精神に強烈な衝撃を受けた経験が心の大きなダメージとなってその後も苦しんでしまうもの。心的外傷後ストレス障害。Post Traumatic Stress Disorder。
イギリスやアメリカでは、元兵士の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に退役軍人省が負担するPTSD関連の年間治療費は30億ドル(約3600億円)を上回るといいます。
PTSDの症状を持つ元兵士らが砂浜でグループ・ディスカッションをしながらサーフィンをするオーシャンセラピー。この効果については重度のうつと思われる元兵士がそれでも定期的なサーフィンによってPTSDの症状を中断させる効果が認められました。自殺を具体的に計画していた調査対象者のその1人は「サーフィンをするたびに、最低でも一週間ずつ実行を延期」したということです。/ 英国ラフバラー大学の心理学者ニック・カディック2014年発表の論文
ケリー・スレーターもサーフィンセラピスト
そしてこの件にはセラピストとしてあの11×世界チャンプ、ケリー・スレーターも参加しています。ケリーはこうした活動もしていたんですね。
・surf preven+ion blog
・セラピストにはサーフィンの元世界王者も… 精神的に深く傷ついた米兵を救う「オーシャン・セラピー」とは?
なぜサーフィンや海が心に良いのか
■サーフィン自体に集中力とエネルギーが必要
海の中ではサーフィンを夢中でやるしかないのでほかの考え事を忘れる。身体もシュッと締まります。身体を動かすことが心や感情に与える影響も研究されています。
■リラックスして楽しむことができる
五感フル活用で気持ちがオープンに。
■次のサーフィン(活動)を心待ちにする
帰ったらまたすぐ海に会いたくて会いたくて。この気持ちは万人共通。まるで恋ですよね。明日また海に行けるのであれば明日が来るのが楽しみになります。
➜サーフィンは楽しいだけでないので自然から多くを学び、自分は自然の一部だという謙虚さも生まれ、ありがたみも分かったり、環境問題にも目が行くようになります。サーファーにもよくあるこうした一連が心の病の回復に効果が高いとされます。いつも海に行くみなさんならピンと来るでしょう。
海にいる時の人の変化としては身体(脳)では瞑想状態に、幸せホルモンの出やすい状態になっていることが研究されています。
あなたはあなたのままでいい。心を丸裸にしてみましょう、否が応にも海にはそんな力があります。いざ、海へ!
これまでにも多くの人が海が心に与える効果を実感している
海が人に与える影響は心にも身体にもいろいろな事が言われ、これまでの記事中でも多く触れられてきています。全部とても良いお話です。ご参考にどうぞ。
●海に行きたい科学的根拠▶【海が心身に与える影響】毎週でも海に行きたくなる理由はここにもあった
●ヤケ酒よりも明日の海へ▶【悪口を言うと自分が傷つく理由】海で心にオーシャンビューを
●海では心が丸裸。人間の本来の姿に戻ってしまう▶【海が心身に与える影響】大人とは萎縮した子供である
●ここにサーフィンの魅力が凝縮されています。「鍛えられた肉体」「論理的思考」「人間関係」…サーフィンによって人生が変わるというのは大げさな話ではない▶【初心者編】サーフィンをはじめる10のメリット
●海の心の病への効果とサーファーが気を付けなければならない病気について▶サーフィンが与える、身体や鬱病への影響と効果
●”癌“に対しサーフィンが効果的?!サーフィンが秘めている未知の可能性▶サーフィンが癌に効果的!? 癌治療研究プロジェクト”Between Two Harbors–We Are Ocean”
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この記事を書いたライター
Mg
海の街に暮らしています。 海をベースに、人と自然の交わるところで日常がより良くなるような情報を発信していきます。