『マット・ウィルキンソン』キャリア初のCTイエロー・ジャージを勝ち取る

ライター: Tsuyoshi Nakajima

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Women's CT「Roxy Pro」を制した「タイラー・ライト」-Imadokiimao
・Women’s CT「Roxy Pro」を制した「タイラー・ライト」-Imadokiimao

CT開幕戦を制した「マット・ウィルキンソン」と「タイラー・ライト」ーWSL/Kirstin Scholtz
・CT開幕戦を制した「マット・ウィルキンソン」と「タイラー・ライト」ーWSL/Kirstin Scholtz

『Quiksilver Pro Gold Cost』『Roxy Pro』

世界最高のサーフ・ゲレンデとして有名なオーストラリア/ゴールド・コーストの「スナッパ―・ロックス」において、2016 Samsung Galaxy World Surf League(WSL) Men’s Championship Tour(CT) #1『Quiksilver Pro Gold Cost』、Women’s CT『Roxy Pro』が終了。雨の降るファイナルデーとなったが、3~4ftのクリーンな素晴らしいコンディションの中、Men’s は「マット・ウィルキンソン(オーストラリア)」が勝利し、Women’sは「タイラー・ライト(オーストラリア)が勝利。

Men’s CT開幕戦を制し、「マティ」や「ウィルコ」の愛称で親しまれるウィルキンソンは、2月にオーストラリア/ニューカッスルで開催された「WSL Qualifying Series(QS) 6,000」のビッグイベントに次いで、今季のWSLツアー2勝目を挙げた。そして、ゴールド・コーストでのCTエリート(ドリーム)・ツアー初優勝を成し遂げたウィルキンソンは、世界のアスリート・サーファー誰もが憧れる「CTイエロー・ジャージ」を獲得。

「CTイエロー・ジャージ」とは?

世界各国のトップ・サーファーMen’s 34名、Women’s 17名で構成されるWSL「Championship Tour(CT)」、エリート(ドリーム)・ツアーと言われる「CT」において、ランキング1位の選手だけに配られる「試合用のジャージ(ユニフォーム)」である。

世界最高のアスリート・サーフィンのツアー「CT」において、この「イエロー・ジャージ」を着用する選手はMen’s、Women’sともに1名だけであり、すなわち「世界No.1サーファーの証」とも言える名誉あるコンペティション・ジャージ。

2016 WSL CT開幕戦を制したMen’sのウィルキンソンとWomen’sのライトは、この時点で「WSL CT Jeep Leaderboad」という「WSL CT世界ランキング・ボード」のトップに刻まれ、来週3月24日(木曜日)からオーストラリア/ヴィクトリア州の「ベルズ・ビーチ」でウェイティング・ピリオド(開催期間)に入るWSL CT第2戦「Rip Curl Pro Bells Beach」において、名誉ある「イエロー・ジャージ」を着用することになる。

グーフィー・フッターのウィルキンソン

今回のCT開幕戦である『Quiksilver Pro Gold Cost』を制したウィルキンソン。「ケリー・スレーター(アメリカ合衆国)」、「ミック・ファニング(オーストラリア)」、「ジョエル・パーキンソン(オーストラリア)」などの偉大なる世界チャンピオンたちを筆頭に、昨シーズンはブラジリアン・ストームの神童「フィリーペ・トリード(ブラジル)」など、圧倒的に「レギュラー・フッター(ボードの後ろ側に右足を置き、波の進行方向に向かって右側を向いて滑る)」のイベント勝利者が多い中で、数少ない「グーフィー・フッター(ボードの後ろ側に左足を置き、波の進行方向に向かって左側を向いて滑る)」のイベント勝利者だ。

イベント会場である世界最高のサーフ・ゲレンデ「スナッパ―・ロックス」は、インターネットのライブ中継や現地で見ていてさえも、なんの癖もないマシンから作り出される夢のパーフェクト・ウェーブに感じられる。

しかし、以前にCT『Quiksilver Pro Gold Cost』のトライアル・ラウンド(予選)に日本人として唯一選ばれ、トライアル・ラウンド最高得点となる10ポイント満点のうち「9.40ポイント」をスコアした日本サーフィン界のパイオニア「大野修聖(日本)」選手は、「岩棚に当たって跳ね返ってくる横波によって、波のピーク(最初に崩れる波の切り立ったところ)は複雑に速く動き、レギュラー側に沿って開いてブレイクしていくので、スコア・ポテンシャルのセクションを探すのは見た目以上に難しく、波に背中を向けて滑るグーフィー・フッターのサーファーにはより難しいと感じます。」と語っている。

・CT初優勝の「マット・ウィルキンソン」ーWSL/Kirstin Scholtz
CT初優勝の「マット・ウィルキンソン」ーWSL/Kirstin Scholtz

『2016 Quiksilver Pro Gold Cost』のチャンピオンとなったウィルキンソンは、世界でも指折りの「バックハンド・サーフィン(波に背を向けてレギュラー側に向かって滑る方向)」選手との高い評価を得ている。「WSLジャッジ・クライテリア(審査基準)」の5大要素である「Commitment and Degree of Difficulty(積極性と難易度)」、「Innovation and Progression(革命的・革新的な技術の進化)」、「Combination of Major Maneuvers(サーフィンの基本であるメジャー・ターンの組み合わせ)」、「Variety of Maneuvers(変化のある種類の違うターン)」「Speed, Power and Flow(サーフィンの速度、ターンの力強さと流れのある演技)」に加えて、より深いWSLジャッジ・クライテリアの一行に示される「Linking Maneuvers(一連のサーフィンにおけるターンの繋がり)」など、ウィルキンソンはイベントを通して一筆書きのような美しさと積極性のある力強いエクセレント・サーフィンを披露していたのが印象的だった。

CT初優勝を成し遂げたウィルキンソンは、「2月にニューカッスルのQS 6,000で勝利し、きょうのCT開幕戦でも優勝することができるなんて本当に最高です。勝利したいとは願っていたものの、実際に勝利できるなんて思ってもいませんでした。エイドリアーノ(昨シーズンの世界チャンピオンであるエイドリアーノ・デ・ソウザ)との準々決勝がターニング・ポイントでした。敗退目前だった終了間際の残り時間15秒、海の女神が最後に届けてくれ波での逆転勝利、とてつもないプレッシャーでした。そして、Finalでは素晴らしいファースト・ウェーブをつかんで優勝することができて最高に満足です。」と、ウィナーズ・インタビューで語った。

photo by worldsurfleague

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この記事を書いたライター

Tsuyoshi Nakajima

「WSL(World Surf League) Japan Regional」ツアーにおいて、2015シーズンまでイベントの「アナウンサー/キャスター/インタビュアー/コメンテーター」などを担当。数々のワールド・アスリート・コンペティションを目の当たりにし、イベントサイトのインターネット・ライヴ中継を通してワールドツアー・アスリート・サーファーたちのヒート(試合)を解説。伊豆をホームに持つサーフィン歴は30年を超え、地元の海において「子どもたちのためのサーフィンレクリエーション」なども主催。
サーフィンのディープな本質や、ワールドツアー・イベントから国内のアマチュア・イベント、How Toなど、サーファーだけではなく、すべての方々にサーフィンを楽しんでいただけるようなニュースをお届けします。