藤沢市議会議員/SFJ理事 佐賀和樹、辻堂浄化センターを視察『水質改善事業、いよいよ来春完了へ 〜もうクソ下と呼ばせない〜』
ライター: WAVAL
記事転載元: サーフライダーファウンデーション(SFJ)
執筆者:藤沢市議会議員/SFJ理事 佐賀 和樹
辻堂浄化センターを視察
合流式下水道改善事業が進む辻堂浄化センターを、SFJの中川代表と視察。近年の人口増による都市化に伴って施設の流下能力が低下し、適正処理ができなかった多くの汚濁水が辻堂浄化センター周辺の海岸に放流され水質悪化の原因となっていました。SFJは水質改善のために対策を講じることを市議会で提起〈環境基準達成率100%を目標に、藤沢市が水質改善計画を発表〉、そして藤沢市は公共用水域への汚濁負荷量の削減、公衆衛生上の安全確保、ゴミの流出を防ぐために、放流管と雨水滞水池を築造する合流式下水道改善事業を平成30年12月にスタートしました。
令和6年3月に改善事業が完了し共用開始することから、藤沢市下水道部の協力のもと築造中の放流管と雨水滞水池を見させていただきました。完了すると水質汚濁の原因となっていた大量の雨水が汚水処理施設に流れることなく適正な汚水処理が可能となり、辻堂海岸から汐見台海岸の水質は大きく改善することになります。
合流式改善事業の概要
改善事業が進む辻堂浄化センター
放流管の中へ
完成すると辻堂浄化センター北側から辻堂海岸までの約480mとなる放流管(ボックスカルバート、箱型のコンクリート管、幅4.1ⅿ×高さ1.5ⅿ)
放流管の最終地点
処理水の放流機能を高めた水路(延長約66m・幅約5.0m〜9.4m)を新設。
雨水滞水池
一定量を超えた雨水を一時的に貯める雨水滞水池を新設しています。容量は25mプールに換算すると約24杯分。
現在の滞水池の規模1,640㎥から113,000㎥へと7倍の規模となり降雨初期の汚れた雨水(ファーストフラッシュ)を一時的に貯蔵し、汚水処理時のオーバーフローを防ぎます。
合流式下水道改善の目標値である年間89トンの汚濁負荷量を削減し、水質改善を図ります。
最終処理された放流水は目視と改めて水質調査が行われています。
●放流管の概要
工事経過
①海岸部から国道下を横断し浄化センターまでの約140mを推進工事
平成30年12月~令和2年4月(完成)
②海浜公園との間の道路内を南北方向に約188mを開削工法
令和元年12月~令和4年3月(完成)
③海岸部の開渠と海への放流管約66mを開削工法
令和2年9月~令和4年3月(完成)
④浄化センターの南端を東西方向に(①と②を接続) 約136mを開削工法
令和3年11月~令和5年12月(施工中)
⑤海への放流管、旧から新への接続替工事 約15mを開削工法
令和4年12月~令和5年7月(施工中)
⑥浄化センター北側、海浜公園とのT字交差点にて、放流管流入管渠築造工事
令和5年3月~令和6年3月(予定)
●雨水滞水池の概要
計画貯留量 11,300㎥メートル
工事経過
①地下構造物及び建屋基礎部の建設
平成30年6月~令和5年度(施工中)
②建屋建設工事・機械電気工事
令和4年6月~令和5年度(事業中)
「分流式下水道」と「合流式下水道」
下水の排除方式には、私たちの生活から発生する汚水と雨水を別々の管で流す「分流式下水道」、辻堂浄化センターが採用していた汚水と雨水を1つの管で流す「合流式下水道」の2種類があります。
公共用水域(沿岸海域、河川)に雨水だけが放流される「分流式下水道」とは異なり、「合流式下水道」は雨天時に一定量以上の雨水と処理しきれない汚水が公共用水域に放流してしまう構造上の問題があります。
執筆者 佐賀 和樹
サーフライダーファウンデーションジャパン理事
海を愛する政治家フォーラムの発起人
佐賀 和樹 1972年鵠沼生まれ
日本サーフィン史の草分である佐賀兄弟を父に持ち、幼少期からサーフカルチャーの中心で育つ。
1990年代半ばにローカルポイントの開発に対して地元サーファーと共に反対運動を展開し、政治の大切さを実感、政治家を志す。
1999年に26歳で初当選、現在6期目の藤沢市議会議員。
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この記事を書いたライター
WAVAL
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