革新的スニーカーブランド”VANS”の共同創立者ポール・ヴァン・ドーレン氏が死去

ライター: Micky-G

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Paul Van Doren 1930-2021 @vans

ブランドの立ち上げから約55年。世界のスケーターに支持されプロサーファーやサーフィンイベントをサポートする、カリフォルニア発のスニーカーブランド VANS(バンズ)の共同創立者ポール・ヴァン・ドーレン(Paul Van Doren)氏が90歳で死去した。ポール・ヴァン・ドーレン氏は、2011年に闘病生活の末に72歳で死去している弟ジェームス・ヴァン・ドーレン(James Van Doren)、友人のゴードン・リー(Gordon Lee)、セルジュ・デリーア(Serge Delia)と共に、1966年にカリフォルニアのアナハイムでVan Doren Rubber Companyを設立した。

Vansブランドが世界的に注目を浴びた理由にはいくつかのカルチャー的な背景があった。1つはカリフォルニア州ベニスビーチ(通称DOG TOWN)の『ZEPHYR Surf Shop(ゼファーサーフショップ)』のスケートボードチーム『Z-BOYS』の実話を基に映画化したロード・オブ・ドッグタウン(LORDS OF DOGTOWN)。1970年代のスケートボードブームを牽引しアメリカ西海岸カルチャーを築いたZ-BOYSの中心的存在でスケート界のレジェンドであるトニー・アルバ(Tony Alva)をサポートし、彼らの足元を固めていたのはVANSであった。更には、1982年に映画『リッジモント・ハイ(Fast Times At Ridgemont High)』の中でショーン・ペン(Sean Penn)がVanzのスリッポンを着用して話題となった。

経営が好調だったVANSは後に創始者のポール・ヴァン・ドーレン氏が離れ、事業拡大が原因で1984年に経営破綻。裁判所はポール・ヴァン・ドーレンを社長として戻ることを条件に民事再生法を適用。ポール・ヴァン・ドーレン氏が「これから3年は昇給はないかもしれないが、全てにおいてコストダウンをしなければいけない。しかしVansシューズのクオリティは決して落としてはいけない」と伝え、その後に経営破綻からの復帰。この名言は今も語り継がれている。

Vansは「ポールは単なる起業家ではなく、革新者でした。ヴァン・ドーレン・ラバー・カンパニーは、靴業界での実験と努力の集大成でした。ポールは製品のデザイン、流通、マーケティングにおいて大胆な実験を行い、また数字や効率に対する才能も発揮して、家業である靴屋を世界的に認められるブランドにまで育て上げました。ヴァン・ドーレンファミリーと、ポールの遺志を受け継いだ数え切れないほどのVANSファミリーに、最大の愛とパワーを送ります。」とコメント。

今やVansはスケーターやサーファーの枠を通り越し、スケートやサーフィンをやらない一般層にも人気のブランドなっている。かつて世間から排他的であったスケーターやサーファー達をサポートし続け、新たなカルチャーを生み出し守り抜いてきたポール・ヴァン・ドーレン氏に大きな敬意を表したい。

Rest in peace



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この記事を書いたライター

Micky-G

趣味はグレイシー柔術、サーフィン。『サーフィンのことを、誰にでも分かり易く』独自視点で執筆、編集を行うサーフィンライター。