インドネシアを代表する6人の女性プロサーファー。困難を乗り越え活躍するまでの道のり
ライター: AKIKO
インドネシアで活躍する6人の女性プロサーファー
インドネシアは海に囲まれてたくさんの島々から形成されている国であり、多種多様な文化、言語、宗教が混在しています。インドネシアではスポンサーがついている女性サーファーはそう多くはありません。代表的な選手は片手で数えられる程。今回はSurfline の特集から、それぞれの生い立ちや宗教を背負いながら活躍する、カイラニ・ジョンソン&プア・ジョンソン姉妹、ディア・ラハユ・デュイ、デア・ナスタシア、タイナ・イズキエルド、チンタ・ハンセルの6名のインドネシア女性プロサーファーが世界で活躍するまでの道のりなどをご紹介します。
1.カイラニ・ジョンソン&プア・ジョンソン姉妹
ハワイ出身の父親とバリ島出身の母親の間に生まれ、バリ島で育ったインドネシア国籍の2人。ハーフである事やファーストネームがハワイ語である事からインドネシアで受け入れてもらうには試合の結果や表立った活躍が必要でした。
ジョンソン姉妹の妹で、インドネシア女性サーファートップランクのカイラニ・ジョンソンはクラマスで開催された2019年バリ・プロで印象的なデビューを飾りました。彼女のサーフィンはパワーと優雅さを兼ね備えています。サーフィンフォトグラファー達のお気に入りで、パダンパダンやクラマスで常に注目されています。
photo: Federico Vanno / Liquid Barrel
またジョンソン姉妹の姉のプア・ジョンソンはどんな波のサイズにもチャージする程の強い精神力の持ち主。最近ではオンラインのサーフィンコンテストにオープンメンズクラスで参加。デザートポイントで5秒間バレルをメイクして2位を獲得しました。
photo: Frederico Vanno/Liquid Barrel
2.ディア・ラハユ・デュイ
ディア・ラハユ・デュイはインドネシアの女性サーファーの中では年長者。敬虔なヒンズー教徒で大学も卒業。インドネシア政府からメディアに出る事も求められています。バリ島初の女性プロサーファーである彼女は、リップカール、真珠産業がスポンサーに付いていて空港の看板を飾っています。
photo: Frederico Vanno/Liquid Barrel
しかしここまでの道のりは簡単ではありませんでした。ビーチのそばの木にサーフボードを隠さなければいけない事もありました。今ではビーチサイドのバーのオーナーという成功した起業家でもあり、インドネシアで最も報酬をもらっている女性プロサーファー。彼女は男性社会のルールと対等に渡り合える女性として、若い世代に影響を与え続けています。
photo :Frederico Vanno/Liquid Barrel
日々のトレーニングで鍛え上げられた体型とアグレッシブなサーフィンスタイルは、初めてディア・ラハユ・デュイを見た人達を驚かせています。
3.デア・ナスタシア
デア・ナスタシアにとってサーフィンと、イスラム教の信仰は綱渡りのような状態。適切な衣装を着て1日5回の礼拝は、潮の満ち引きを気にして活動するサーファーにとり両立は難題です。まるで舞台役者のように衣装を頻繁に変えているのです。
photo: Matt George
彼女はショート、ロングボードの両方のイベントにおいてトップ選手とて活躍。黒髪を好む信者達から茶色に潮焼けした髪の毛をよく思われなかったり、肌を見せるスポーツをしている事を非難される時も。なので彼女は男性用のXLサイズのTシャツに、長めのボードショーツ、フルレングスの”ブルキニ”(イスラム女性向け信者の為の水着の一種)で試合に参加しています。
4.タイナ・イズキルド
何年にも渡ってインドネシアのコンペシーンに参加しているタイナ・イズキルド。何でも率直に話す素晴らしいサーファーです。
photo: Frederico Vanno/Liquid Barrel
5.チンタ・ハンセル
インドネシア女性サーファーのムービースター的な存在のチンタ・ハンセル。彼女の父親のブルース・ハンセルは、70年代の伝説的な「パイプライン・アンダーグラウンド」の1人で、1999年バリ移住の時にハワイのサーフボードのシェイプ技術を持ち込んだ人物。
2年連続でインドネシア初のジュニア女子チャンピオンに輝いたチンタは文化的な面でも成長。20歳になった今もパワフルな彼女はそのキャリアからメディアでも注目されており、インドネシア制作の長編映画では主演を務めるなどでも活躍。最近では国際的なドキュメンタリー映画「She Is the Ocean」の主役の1人にも抜擢され、チンタ自身の物語や彼女の伝統的なバリ舞踊の腕前が見る事ができます。
チンタ・ハンセルは言います「全ての女性、男性のみなさん、失敗を恐れないで。挑戦する事を恐れないで。」「サーフィンは人間力を高めます。私達は毎日祝福されているのです。」
ヘビーコンディションのパダンパダンにパドルアウトするチンタ・ハンセル(当時11歳)
photo: Matt George
国際的に活躍する彼女たちは、世代を超え世界の女性サーファー達に希望と前に進み続ける勇気を与えています。
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この記事を書いたライター
AKIKO
酒とサーフィンとトリップをこよなく愛する二児の母&主婦。ママになってからの方がサーフィン熱が上がってます。センスも技術もないけど波運だけはあります。
・blog: https://ryoshiyome.com/
・Instagram: @akikoba5884