試合に出たくてママのクレジットカードを盗んで出場した13歳の五十嵐カノア。過去の面白エピソード
ライター: Miki
五十嵐カノア×デイブ・プロダン『The Lineup #26』インタビュー日本語翻訳(前編)
ワールドサーフリーグ(WSL)のデイブ・プロダン(Dave Prodan)が、サーフィン界の注目サーファーとの対談を行うシリーズ映像『The Lineup 』。#26のゲストに登場したのは日本の五十嵐カノア。
13歳の時にプロジュニアに出場する為、ママのクレジットカードを盗んで出場した過去のエピソードや、現在自身が受けるヘイトコメントや批判について語る『Kanoa Igarashi STOLE HIS MOM’S CREDIT CARD to Enter the Pro Juniors at 13yrs Old』と題されたインタビュー映像を、日本語翻訳にしてご紹介します!
Q:サーフィンを通し活躍する過程で、今までQuick SilverやRedbullなど多くのスポンサーにサポートしてきてもらったと思うけど、『これからプロサーファーとして生きていける、この道は間違っていない』と確信したような試合や契約、サーフトリップなどはある?
9歳で試合で勝てば欲しい物を手に入れられる感覚をつかんだ
カノア:「うん、もちろん。プロとして活躍している選手なら誰でもそのような瞬間はあると思う。9歳の時に初めてコンテストで勝って$200(約2万)の賞金をもらったんだ。その時は当時、会社の社長やビジネスマンが持っていたBlack Berryという携帯(iPhoneの一昔前に流行したキーボード付きの携帯)が欲しくてたまらなかった。賞金でそれを買ったんだけど、その時にサーフィンのコンペティションで勝つ事で自分の好きなものが買えたり欲しい物を手に入れられる感覚を初めて知ったんだ。9歳の子供でもそんな事が出来るようになるサーフィンって凄い!って純粋に思ったよ。」
試合に出場する為に、母のクレジットカードを盗んで強行出場
「それから12歳の時にQuick Silverと契約して世界中を飛び回るようになった。オーストラリア、インドネシア、フランスに行ったりしたけど、若かった頃の僕はそういう環境に感謝してなかった。」…
「13歳の時にフロリダでプロジュニアのコンテストがあった。コンテストに参加したかったし、友達も行ってるから行きたかったんだ。お母さんにその事を相談するとフライト代やホテル代、お母さんと僕の分を合わせると30万円くらいする。だから絶対にダメだと反対された。」
「だけど僕はお母さんのクレジットカードを盗んで全部自分で予約した。予約するにはお母さんの運転免許証の情報も必要だったから、それもこっそり盗んだよ(笑)。それくらい僕はカリフォルニアじゃないところで試合をしてみたかったんだ。」
「合計で20万円を超えたからすごく悪い事をしたのは分かっていたけど24時間以内だとキャンセル出来ちゃうから、お母さんに言うまで24時間待ったよ。そこまでちゃんと考えてた(笑)。お母さんに話すと、予想通り激怒してあの時のお母さんの顔は今でも覚えてる。」
「とまあ、様々な事があって、フロリダのコンテストにお母さんと行った訳だけど、これは絶対に勝たなきゃいけないっていう想いが強かった。結果、僕は2位になって$7000(約70万円)の賞金もらって「これでお母さんに使ったお金を返せる上に、まだ自分で使えるお金が40万くらいある!」って考えるとすごく嬉しかった。」
カリフォルニア以外の試合に出てプロとしてやっていける可能性を感じた
「それから余った賞金で次のコンペティションに出たり、USオープンに出たり、ワールドジュニアでケラマスに行ったりした。初めてケラマスのリーフブレイクでサーフィンしたときはかなり怖かったよ。ケラマスでは負けたけど、カリフォルニア以外の試合に出てみて、プロサーファーとしてキャリアを築いていくことは可能かもしれないと思ったんだ。」
CTイベントに興味無くて、CTを見始めたのも自分がクオリファイする1年前から
「当時僕はCTイベントにまったく興味なくて、CTイベントを見始めたのも自分がクオリファイする1年前からなんだ。CTイベントが開催されるいくつかの場所も知らなかったしね。クオリファイされて初めての試合がオーストラリアのスナッパーだった。試合で初めて行ったし、スナッパーのこともあまりよく知らなかったよ(笑)。世間の人はみんなプロサーファーは小さい頃から頭の中は試合に勝つこと、CTイベントで優勝することみたいにサーフィンロボットのようにマインドがトレーニングされていると思っているけど、僕はフィジーのTavaruaっていう有名なサーフスポットさえ知らなかったよ(笑)。」
13才にして自ら試合に出たいと思い行動する強い意志と自我を持てている。そして借りたお金!?以上の金額をキッチリ賞金で稼いだところも物凄い。地元を離れた場所で経験を積む事で、プロとしてやっていく自信を付けたというエピソードもとても参考になります。後編は以下よりどうぞ。
本インタビュー翻訳(後編):
多くのヘイトコメントや批判が五十嵐カノアに。しかし日本国旗と自分のジャージがケラマスで輝いた事に勝るものは無かった
"Catch The Funwave!" - WAVAL(ウェイバル)
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この記事を書いたライター
Miki
元外資系客室乗務員、中東に住みながら世界50カ国以上飛び回る生活を送る中、バリでサーフィンに出会い人生激変。海の近くに住み毎日サーフィンが出来る環境を求めて現在はオーストラリアに住んでいます。
・Instagram→ @eatmore.gelato
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