AbemaTVヨコノリch JPSA放送の進化(前編)

ライター: Rockwave

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今年も熱戦が繰り広げられた第2戦伊豆下田チャンピオンプロが終了し、AbemaTVヨコノリchでのJPSA放送がちょうど1年を迎えた。毎戦変化を続けるヨコノリchのJPSA生放送はいったいどのような体制で制作されているのか?今回はその進化について、番組の立ち上げから関わってきた放送ディレクターの岩波重之(いわなみしげゆき)氏に話しを聞いた。

【waval】
JPSA生放送がこの第2戦伊豆下田チャンピオンプロで1年が経ちました。まずこの1年の感想をお聞かせください。

【岩波】
いや〜何とか1年経ちましたね。厳しい現場で手探りと体当たりをしながら、仲間と追求し変化を続けた一年間でした。「やっとここまできた。」っていう思いと、「まだここか?」という思いが入り混じっています。

【waval】
岩波さんがAbemaTVヨコノリchで生放送に携わることになった経緯を教えてください。

【岩波】
2015年の12月に現在のAbemaTVヨコノリchプロデューサーの萩原君、佐藤君とはNSA(日本サーフィン連盟)の会議室で初対面しました。僕はNSA広報委員として、お二人から当時AbemaTVに先行してスタートしていたFRESH!の活用法についてプレゼンを伺っていたのですが、彼らからすると僕が配信業務に詳しかったので、その後萩原君達がFRESH! yokonori chで奄美大島からフリーサーフ生放送を企画した際に、萩原君から「力を貸してくれませんか?」と連絡を頂きました。それがお付き合いのスタートで、その流れでJPSAの生放送も手がけるようになりました。

【waval】
運命的な出会いだったのですね。

【岩波】
そうですね。初対面したNSAでの打合せのあとで、萩原君と佐藤君で「あのやたら詳しい人なんなの?」「岩波さんとは今後一緒にお仕事する事になるかもしれませんね」と話していたそうです(笑)僕もわくわくする二人だなと思っていましたから、連絡頂いた時は嬉しかったです。

サーフィン テレビ
「全てのスタートとなったFRESH!yokonori ch 奄美大島からの生放送では今までのメディアとの違いを明確に感じた」と岩波氏(左上)、ヨコノリchプロデューサー萩原氏(上段中央左)と佐藤氏(上段中央右)

【waval】
もともと岩波さんは映像関係のお仕事されていたのですか?

【岩波】
いえ全然違います。映像の会社に勤めた事はなく、やってきたのはカスタムボディボードのシェイプ、そしてJPBA(日本プロボディボード連盟)の大会運営ですね。(※岩波氏はJPBAの前理事長)
ただ昔から映像が好きでカメラやら水中ハウジングやら編集PCなんかも買ったりして、独学でいろいろやってきたんです。ボディボードとスケートボードのDVD作ったり、TVサーフィン番組でのテクニカルディレクターや、水中からのサーフィン撮影でもテレビ案件に参加したり。かなり前からUSTREAMやニコ生にも目をつけて外国と繋いだ中継番組や、渋谷O-EASTのライブイベント、アマチュア最大のサーフィン大会であるNSA全日本サーフィン選手権など様々なライブ放送も行ってきました。

サーフィン テレビ
昨年の最終戦千葉志田下ポイントにて(写真左が岩波氏)

【waval】
いろいろやられてきたのですね!そして昨年の出会いから昨年のJSPA第2戦伊豆下田の放送を手掛けていく訳ですが、先ほど「変化」とお話しになられていましたが、元々このJPSA生放送はどのようなコンセプトで放送されているのでしょうか?

【岩波】
はい。僕らの変化で一番根本になっているのがヨコノリchの最高責任者から言われたメッセージで

「AbemaTVが波乗り市場の人々にサプライズを与え、波乗り界初のメガメディアになる」

というビジョンです。常にこの言葉の意味考え変化を続けています。

【waval】
短くも深いメッセージですね。いまこうして一年間放送を続けて、このビジョンの捉え方は変わってきましたか?

【岩波】
AbemaTVの追求する力と求められる変化のスピードがとんでもなく早いので、 必死に走りながら考え模索して今の形になっているっていう現状で、まだまだ満足できていないし変化も出来ると思いますね。既存サーファーはもちろん、一般の方が観ても面白い放送にしていきたい。一般に広がらなければメガメディアにはなれないですから。

【waval】
実際どういう放送をすればサーフィンが広がっていくと考えていますか?

【岩波】
それなんです。良い放送とは?って言う話なんですよ。その【良い】って何を意味するのっていう。僕の中での「良い放送」は一言で言うと【分かりやすくカッコイイ】放送です。もう少し噛み砕くと「サーフィンやプロサーファーのライディングや人となりが【分かりやすくてカッコイイ】」ですかね。

【waval】
なるほど。シンプルですね。
そうした「良い」放送を作るために、どういう取り組みがなされていますか?

【岩波】
取り組みに当てはまるかわかりませんが、今のAbemaTV JPSA放送は中継車と高性能カメラ、リプレイマシンにドローンという最高の機材、そしてそれらを巧みに操る最高のスタッフと共に放送しています。

実は以前の僕は良い機材に否定的でした。機材で内容が決まるのではないって思っていたのですが、今の体制になって気付いたことがありした。

【waval】
それはどういったことなのでしょう?

【岩波】
良い機材と良いスタッフは表現の幅を拡げてくれます。そして安定を作ってくれます。結果として良い機材と良いスタッフで行う放送のほうが視聴者に届き、情報や感動が伝わります。

いま思えば昨年の第2戦下田はもちろん、次の田原、湘南と本当に不安定でした。
熱で機材がやられて音が途切れたり、発電機止まってしまったり。。それに労力を取られて肝心の内容はバタバタしていました。

僕が通常数人規模で放送している放送と現在の30人規模での放送では起こるトラブルは幅広く複雑になるんです。

そんな経験からどうしても安全安定を手に入れることが重要でした。そこにタイミング良くこのチームに入ってきてくださったのが現在の機材周りを支えてくださっている技術会社アニキの皆さんです。苦労していた不安定要素が一気に問題が解消し、僕自信も技術面より従来の役割である進行や内容といった制作面に力を入れることができています。

【waval】
チームの充実が放送を変えるわけですね。

【岩波】
そうですね。
でも不安定だった初回の放送から可能性はビシビシ感じていたんですよ。

【waval】
ほう。どんなところでしょうか?

【岩波】
それは伊豆の大先輩である大野聖修プロと村上舜プロの決勝で、二人が同点、ハイポイント(同点の場合は一番高い得点を比べて順位が決まる)で村上瞬が優勝したシーンだったのですが、セットもはいってこないままヒートが終了するその直前に、村上瞬プロが大野プロまでパドルして二人がハグしたんです。

そのシーンを僕らはドローンからの映像で放送しました。透き通る海の中で先輩後輩の関係を超え、互いの健闘を讃え抱き合う二人のプロサーファー。

背景には多々戸の景色が広がっていて、とても感動的なシーンでしたが、あとからJPSAの運営スタッフにお話聞いたら、ビーチからは手前の波で隠れてハグした二人が見えなかったようでそのシーンを知りませんでした。ドローンを使っていた僕らだけ放送で伝えられたわけです。これ以外にも同様のことは多くて、僕らの放送がサーフィン競技を伝えるハブになるって気持ちがどんどん強くなっていきました。

サーフィン テレビ
記念すべき昨年の伊豆下田チャンピオンプロでドローンを投入

【waval】

あのシーンはよく覚えています。とても感動的なシーンでした。

【岩波】
本当に感動的でしたね。僕らはとにかく良い放送をしないとAbemaTVでサーフィン中継をしていく意味がないんです。…

AbemaTVヨコノリch JPSA放送の進化(後編)へ続く..


AbemaTV_ヨコノリTV

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この記事を書いたライター

Rockwave

岩波重之:サーファーの父のもとに生まれ、25歳で湘南へ移住、ボディボードシェイプを学びながら自らのブランド「ロックウェイブ」を設立。 以後JPBA理事長とし長年に渡り選手をプロモート。最近は映像ジャンルに力を入れNSA全日本選手権のライブ配信や、AbemaTVヨコノリchの番組制作なども精力的に行なっている。ボディボードの能力を活かした水中撮影にも定評がある。
・映像について:http://rockwave.tv
・ボディボードについて: http://www.rwbbj.com
・お問合せ:iwanami@rockwave.tv