推定400歳!?最長寿のサメが見つかる@北大西洋グリーンランド沖
ライター: Mg
海は未知の世界。400年前に生まれたサメか?世界で最長寿の脊椎動物が発見される
北大西洋グリーンランド沖でニシオンデンザメ28匹の年代測定を実施されたところ平均寿命は少なくとも272歳、中でも2匹はそれぞれ335歳と392歳と見積もられ驚かれています。それぞれ体長4.93mと5.02mという巨体。
サメの年齢はコペンハーゲン大学/デンマークの博士研究員であるユリウス・ニールセン氏らの研究結果より。
分かりやすく歴史と比較
このいちばん長寿のサメの生まれたのは年代でいうと日本は江戸時代の関ヶ原の戦い(1600年)頃!鎖国(1639年)よりも前で、これを命じた徳川家光(とくがわいえみつ)とも同年代ということになります。世界では明王朝の後期とほぼ時を同じくしています。驚愕。
サーフィンでは、古代ポリネシアンがサーフィンの始まりのような遊びをしていたとされるのが西暦400年頃(諸説あり)、イギリス人探検家ジェームス・クック船長の航海によって外部からタヒチとハワイのサーフィンが目撃されます(第1回航海は1766年)。ちなみに布教の妨げになるという理由から宣教師たちがこのサーフィンを固く禁じ、古代サーフィンが終焉を迎えています。
ですのではるか昔の話に思えるこの古代サーフィンのあった時代にこのサメが生まれていたことになります。ハワイ史上ではじめて統一王朝を築いたカメハメハ大王すらもまだこの世に産まれていません。
未知なる海
ニシオンデンザメは基本的に北極海の深海に生息しています。通常はサーファーと会うことはないサメです。しかしもしも何かの条件が重なって会ってしまったとしたら、アザラシ、クジラの死骸を食べる肉食として知られている種類なので人間も危ないと思われますが、泳ぎの遅さも特徴のある種類で、その泳ぐスピードとしては赤ちゃんのハイハイほどの速さのようです。となれば万一の時は逃げられるでしょうか?!
これまでに脊椎動物で最も長寿とされたのはホッキョククジラの211歳、無脊椎動物としてはアイスランドガイの507歳。これらに次ぐ大発見です。ちなみに寿司ネタとしても身近なミルガイも少なくても160歳以上生きるとされ、海の生物は人間にとって大先輩も良いところ。いつも遊ばせてもらっている海にはまだまだ知らないことがたくさんあります。
発見されている生物の中での最高齢507歳のアイスランドガイは、気候変動について調べる研究プロジェクトの一環でそこまで貴重なものと気付かれていなかったために人間により冷凍して運ばれた際に死んで、その後その年齢が明らかになりました。
ニシオンデンザメ(英語名はGreenland Shark) 出典:“OCEAN TREASURES” Memorial Library
減少する「近危急種」ニシオンデンザメ
今回のニシオンデンザメですが、大人の成体になるまで160年の歳月を要します。体長5~6mにも成長する一方、1年で約1cmしか成長しません。この種が急激に減少し「近危急種」とされている原因は、大人になるまで時間がかかることや、人間によるサメの乱獲によるものとされています。
IUCN(国際自然保護連合)は400とも500ともいわれる種類をもつサメの1/3が絶滅の危機に瀕しているとしており、この種に限らず近年は特にサメの保護を訴えられる中で保護の状況がそれほど進んでいないことも問題としてあります。
北極圏や周辺でニシオンデンザメはよく混獲され、そしてその地域で漁業の開発計画も複数。オンデンザメの数の減少はかなり危険な領域との見方があり優先的な保護を訴える声があります。
海はやはりまだまだ解明されていないことも多く神秘的。こちらはそんな場所におじゃまさせてもらっていることでこれからも尊敬の念を持って海と遊びましょう。このゆっくり時間をかけて成長してきた長寿のニシオンデンザメからは急がない生き方(スローライフ)も学び取れないでしょうか。
記事参考・画像元
NATIONAL GEOGRAFIC 日本版
"Catch The Funwave!" - WAVAL(ウェイバル)
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この記事を書いたライター
Mg
海の街に暮らしています。 海をベースに、人と自然の交わるところで日常がより良くなるような情報を発信していきます。