多くのヘイトコメントや批判が五十嵐カノアに。しかし日本国旗と自分のジャージがクラマスで輝いた事に勝るものは無かった
ライター: Miki
バリクラマスでWCT初優勝を飾った五十嵐カノア Photo Kelly Cestari/WSL
五十嵐カノア×デイブ・プロダン『The Lineup #26』インタビュー日本語翻訳(後編)
ワールドサーフリーグ(WSL)のデイブ・プロダン(Dave Prodan)が、サーフィン界の注目サーファーとの対談を行うシリーズ映像『The Lineup 』。#26のゲストに登場したのは日本の五十嵐カノア。今回は記事(後半)、自身が受けたヘイトコメントや批判について話す内容を、日本語翻訳にしてご紹介します。トップアスリートだからこそ受ける周囲からの批判、それをどう乗り越えたのか、必見です!
前半記事:試合に出たくてママのクレジットカードを盗んで出場した13歳の頃の五十嵐カノア。過去の面白エピソード
Q.今までのキャリアで多くの事を達成して来たけど、ジャパニーズアメリカンとしてサーフィンする中、差別や嫌な事も経験した?
アメリカ代表から日本代表に変わったときの反応は大きかった
カノア:「もちろん。プロになるっていうことは僕の行動や発言が公になってメディアにも取り上げられる。特にアメリカ代表から日本代表に変わったときの反応は大きかった。それは正しいことじゃないと言う人もいたし、日本の国旗を背負うようになって3年だけど未だに批判する人はいるし、ずっとその事については言われると思う。」
「アメリカ以外の国の人から言われる事も多くて、「どうして国を見捨てるような事が出来るのか」とか、「今までアメリカからサポートを受けてきたのにそれを無駄にするのか」とかね。戦争に行って国のために戦っていたのに途中で相手国の国民になっているように言われるよ。」
「でもそれは違うし、自分は今でもアメリカを代表しているし、生まれ育ったハンティントンビーチを代表している。そんな簡単に国を変えたんじゃないし、深い奥があるけど表面上ではそう捉える人がまだいるよ。」
多くのヘイトコメントや批判も。でも日本の国旗と自分のジャージーがクラマスで輝いた事に勝るものは無い
「僕にとって1番大切なことはサーフィンより自分より家族だし、家族のバックグランドを大切にしたい。家族のみんなも喜んでくれたし、僕がした事は正しいと思ってる。特にインドネシア、クラマスで優勝した時みんなに持ち上げられながら日本の国旗が僕の後ろにあって、“日本人CT選手初の優勝”というタイトルをもらった事は僕にとっても家族にとっても深く心に残った。その感情を両親に味わってもらいたくてずっとサーフィンをしてきた。あの時の想いは言葉に表せ無いよ。」
両親を幸せにしたいと思った、ジャージー番号50の意味
「僕の苗字の五十嵐は日本語で50の嵐って書くからジャージーの番号を50にした。小さなことだけど、こんな事が両親を幸せにすると思ったんだ。多くのヘイトコメントや批判をもらうけど日本の国旗と自分のジャージーがクラマスで輝いた事に勝るものはないよ。」
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プライドを持ってサーフィンするのもサーフィンの文化の1つ
Dave Prodan:「サーフィンって他のスポーツ違って、ただのスポーツじゃないし、ライフスタイルだけでも無いよね。アイデンティティを表現するスポーツだから、君がアメリカから日本代表になったときもアイデンティティに関してのコメントが目立ったよね。」
カノア:「サーフィンは他のスポーツには無い、自分のホームブレイクがあったりここの海のローカルだっていう縄張りや地域的なことが絡んでくるよね。『ローカルオンリー』っていう言葉や、この海は自分のスポットだっていうサーフィンの特徴が他のスポーツと違うユニークさを出すし、悪いことではないと思う。そういうプライドを持ってサーフィンするのもサーフィンの文化の1つだと思うよ。」
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この記事を書いたライター
Miki
元外資系客室乗務員、中東に住みながら世界50カ国以上飛び回る生活を送る中、バリでサーフィンに出会い人生激変。海の近くに住み毎日サーフィンが出来る環境を求めて現在はオーストラリアに住んでいます。
・Instagram→ @eatmore.gelato
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