日本サーフ初の世界チャンプに輝いたボディボーダー鈴木彩加の軌跡

ライター: Rockwave

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2018年10月9日は日本ボディボード界にとって一生忘れられない記念日となった。

湘南茅ヶ崎を拠点に世界に挑戦し続けた鈴木彩加プロ(23歳)が世界ワールドツアー(APB TOUR)2018年のグランドチャンピオンに輝いたのだ。

ボディボーダー鈴木彩加の

2018年APBツアー最終戦の舞台はビックウェイブで知られるポルトガルのナザレ。年間ランキングトップで最終戦に挑む鈴木彩加の他に、大原沙莉横手奈都紀らが参戦した。

準々決勝で大原沙莉が元世界チャンプのイザベラ・ソーサを破りセミファイナルへ進出。しかし準決勝では大原沙莉vs鈴木彩加の日本人対決となってしまう。この時点で鈴木彩加はファイナル進出で世界チャンピオンが決定する場面。しかし鈴木彩加 最大のライバルであり共に世界に挑戦して来た大原のチューブからのエルロロ(リップで横回転するテクニック)は冴えに冴え、世界ランキングトップの鈴木彩加を僅差で破りファイナルへ進む。鈴木彩加のナザレは3位という結果になった。

そして大原沙莉が進んだファイナルでは過去3回の世界チャンピオン経験者で今回も調子の良いアレクサンドラと対戦。大原沙莉が優勝すれば同時に鈴木彩加の世界一も決まる場面だったが、波数が少ないヒートを制したのはアレクサンドラだった。ここまで見事なチューブライディングをメイクして来た大原沙莉だが、今年初のファイナルを勝利で飾ることはできなかった。

APBツアー初のスーパーヒートへ!鈴木彩加 vs アレクサンドラ

世界チャンピオン争いはAPBツアー初のスーパーヒートへ持ち越された。アレクサンドラが優勝したことで、ツアーランキングが鈴木彩加と同点になったのだ。世界トップボーダー同士のガチンコ対決!スーパーヒートを制したものが2018年の世界チャンピオンというボディボード界初めての状況にライブ配信には多くの視聴者が押し寄せコメントの嵐。日本からの応援を体感しながらヒートは進んだ。

ボディボーダー鈴木彩加の

鈴木彩加は直前に行われたファイナルの波質をビーチで研究し、スーパーヒートでベストな波をチョイス。波打ち際のストロングショアブレイクでアクションも決めてアレクサンドラを僅差ながらリードし続けた。アレクサンドラも負けじとサイズのある波に挑戦するが、パワーあるショアブレイクをまとめられずヒート終了時間が迫る。そしてスーパーヒートが終了。

日本サーフ界初の世界チャンピオンが誕生

世界を目指して15年目の秋、鈴木彩加という日本のサーフ界初の世界チャンピオンが誕生した。

ボディボーダー鈴木彩加の

ボディボーダー鈴木彩加の

世界チャンプに輝いたボディボーダー鈴木彩加の軌跡

鈴木彩加がボディボードをはじめたのは8歳の頃だったが、最初は波が怖く泣いてばかりいた。小学4年生頃から日本一のビックウェイバーなボディボーダー西山千草が先導となり開催されていた四国合宿にも参加し腕を磨いた。その頃から目標は「世界チャンピオン」になっていた。

ボディボーダー鈴木彩加の
ボディボードを始めた頃、体は誰よりも小さかった

国内プロツアーに参戦し、15歳で史上最年少でプロ転向を果たしたが、ライバルの大原沙莉になかなか勝てない時代もあった。取り組んだのは肉体改造。世界の波に通用する身体を作るため勤務先のジムでトレーニングを続けた。

 

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そして海外への挑戦をメインに切り替え、ライバル大原と共に切磋琢磨しながら世界への階段を上っていく。ライバルといえど2人は親友同士。ヒートが終わればご覧の笑顔なのが微笑ましい。

左:鈴木彩加/右:大原沙莉
ボディボーダー鈴木彩加の
PIC by Joao Araujo

また彼女は子供達の海への楽しみ方を教える「海の学校」などへの活動にも尽力。常に次世代を意識した活動と発言をしてきた。

 

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今回3位で敗退した後、ライブ放送のMC席に呼ばれた鈴木彩加プロはこんなコメントをしている。「日本では2020年にオリンピックが開催されサーフィンが採用された。でもそれはショートボードだけでボディボードは含まれていない。私はその先のオリンピックでボディボードが採用されることが夢なんです。」

人生で一番大きな夢を叶えた鈴木彩加プロ。彼女をはじめとした日本人ボディボーダーたちの活躍から今後も目が離せない。頑張れ日本!!

Nazare Pro 2018 – Day 3 Highlights

鈴木彩加 instagram

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この記事を書いたライター

Rockwave

岩波重之:サーファーの父のもとに生まれ、25歳で湘南へ移住、ボディボードシェイプを学びながら自らのブランド「ロックウェイブ」を設立。 以後JPBA理事長とし長年に渡り選手をプロモート。最近は映像ジャンルに力を入れNSA全日本選手権のライブ配信や、AbemaTVヨコノリchの番組制作なども精力的に行なっている。ボディボードの能力を活かした水中撮影にも定評がある。
・映像について:http://rockwave.tv
・ボディボードについて: http://www.rwbbj.com
・お問合せ:iwanami@rockwave.tv