スケートビデオの中でヒップホップが使用されている印象的パート Top8 前編
ライター: Kazuaki Watanabe
「ストリートカルチャーの象徴」というとどんな文化を思い浮かべるだろうか?
もし音楽好きの人であれば、1970年代に生まれたヒップホップという文化を思い浮かべる人も多い。今も若者のストリートカルチャーを象徴するヒップホップではあるが、ストリートカルチャーの象徴としてヒップホップと双璧を成しつつも、ストリートカルチャーとしてお互いに混ざりあった分野がスケートボーディングだと言える。
サーフカルチャーの潮流で生まれたスケート文化
元々は1940年代~1950年代に、サーフカルチャーの潮流で生まれたスケート文化はヒップホップと違い、白人主導のムーブメントであった。スケート文化は2009年の時点で年間50億円市場となるまで成長したが、今では黒人主導で生まれたヒップホップとの相性は抜群であり、様々なプロスケーターも自身のビデオパートにヒップホップを使用している。まだヒップホップと混ざり合っていないスケート黎明期の西海岸の雰囲気は、ロード・オブ・ドッグタウンという70年代にヴェニスビーチにて斬新なスタイルで活躍したスケーターたちの映画がとても分かりやすく描写してあるのでオススメである。
そんなスケートボードとヒップホップの組み合わせをさらに認識するために、今回は私が見たスケートビデオのなかでヒップホップを使用している印象的なパートをいつか厳選して紹介したい。もちろんこの他にもイケてるビデオパートはたくさん存在するので、絞るのに時間がかかったが、結果はこちら!
スケートビデオ ヒップホップ使用シーン Top8
1.Girl – Yeah Right!
「Yeah Right!」はGirl Skateboardsが2003年にリリースしたスケートビデオの名作である。この時期のGirl Skateboardsはオールスター・チームと言っても過言ではなく、全盛期のレイカーズを彷彿とさせる「最強感」があった。そのなかでもヒップホップを使用している印象的なパートと言ったらPaul Rodriguez、Rick McCrank、Brandon Biebelのパートであろう。
Girl Skateboardsに所属しており、今では自身のPrimitive Skateboardingを立ち上げたPaul Rodriguez。Girlの名作ビデオとして今でも語り継がれている「Yeah Right!」の彼のパートではNasの「Get Down」と「Made You Look」を使用している。
上記のBrandon BeibelのパートではGhostface Killahの「Apollo Kids (feat. Raekwon」)が使用されており、下記のRick McCrankのパートではScarfaceの「Born Killer」が使用されている。このYeah Right!は音楽も素晴らしいが、Sonic Youth、Kanye West、Fatboy Slim、BjorkなどのMVを担当したSpike Jonezがディレクションしているので、映像作品としても見ていて飽きないコンセプトとなっている。
2.Chocolate – The Chocolate Tour
こちらもGirl Skateboardsの兄弟会社であるChocolate Skateboardsのビデオ「The Chocolate Tour」であるが、このビデオも素晴らしいヒップホップがフィーチャリングされている。Tony Fergusonのパートで使用されているのが、The Beatnutsの「Watch Out Now」のインストゥルメンタルである。
また、Public Enemyの「Terrordome」と「Terror Metal」、Rakimの「New York」、Big Lの「Size Em Up」も使用されているので、ヒップホップファンが見ても終始楽しめるスケート作品となっている。
3.ゲームTony Hawk Undergroundのイントロ
スケーターキッズたちが夢中になったゲームはいくつかあるが、その中の一つはこちらのゲームであろう。こちらはスケートビデオというより2003年に発売された「Tony Hawk’s Underground」というゲームのイントロ映像なので、少し趣旨が違うかも知れないが、素晴らしい映像となっている。Jurassic 5「A Day at the Races」が使用されており、Tony Hawk、Eric Koston、Paul Rodriguez、Bam Margera、Chad Muska、Geoff Rowleyなどのスケートスターたちが参加している。
そして、後編へ続く!→スケートビデオの中でヒップホップが使用されている印象的パート Top8 後編
"Catch The Funwave!" - WAVAL(ウェイバル)
「いいね!」してSNSでサーフィン情報をチェック >>
この記事を書いたライター
Kazuaki Watanabe
渡邉航光(Kazuaki Watanabe)/通称Kaz Skellington。
日本最大のヒップホップWEBマガジンPlayatunerの代表。 カリフォルニア州オレンジカウンティー育ちのラッパーであり、FUJI ROCK 2015に出演したumber session tribeのMCとしても活動をしている。
・playatuner.com
・twitter.com/KTwigz