自然環境への配慮を。僕らサーファーが海のために出来る事とは
ライター: hikaru
小笠原諸島、父島 サーフィン
・人が人と成る前は—–
人が人と成る前。もっとずっとずっと昔。僕らは海に住んでいました。環境や時間の変化と共に体を作り変え、あるものは新しい何かを求めて陸に上がり、あるものは空へ飛んで行き、またあるものは深く深く海へ潜り、それぞれの道を歩き始めていきました、そして今。
僕らは人と成り、陸を主な生活の場としています。でも昔の名残を忘れるのはとても大変なようです。
・子宮の中の海洋生物から人へ—–
胎児を育てる子宮の中に満たされた羊水は構造が海水にとても似ているそう。そして約一年かけて海洋生物から人へと変化していき、サーフボードに乗って子宮から出ていくのです。
子宮の中は僕だけの貸切ビーチでした。でも地球を覆っている海はそうではありません。むしろ僕らはビジターです。
世の中がより便利になれば人々は喜ぶに違いないと、僕らはあらゆるものを作って来ました。飛行場、船着場などの開発。漁業、海運業。それらの恩恵を受けていない人はほとんどいないと思います。またそういった仕事で家族を養ってる人や誇りを持って先祖代々やっている方々がいる。それもまた忘れてはいけないことだと思います。
・自然環境への配慮。一粒の種から多くの果実を作るように—–
僕らはこの海と、物理的にも遺伝子レベル的にも、知らぬうちに密接に関わって生きています。もしかしたら人間が自然を犯すこと自体が自然現象で、長い目で見たら大した問題ではないのかもしれませんが、僕らの寿命は長くて百年。確かめようがありませんよね。
きっと海の為にできる一番のことは海に入らない、それが一番だと僕は思います。でも僕らサーファーはとても長い時間海に入る生き物。偉そうなことは言えません。矛盾してますよね。でもやめられません…
それでもビーチにゴミを残さない、日焼け止めを天然成分由来のものに変えてみる。海での排泄を控える。など僕らサーファーにできることはたくさんあります。植物がたった一粒の種からたくさんの果実を作るように、僕らの些細なアクションが大きな大きな実を結ぶかもしれません。
・母が長い時間をかけて僕らの為に、お腹のビーチを守り愛してくれたように—-
今あるあらゆる物は僕らの少し上の世代が汗水垂らしてせっせと作り上げて残しててくれた物。でもここから先どんな世界を作り上げるかは、僕らのような若い世代の行動にかかっていると思います。
みんな立場が違うだけに、答えも一つだけでないと思います。
たとえば母が、長い長い時間をかけて僕らのためにお腹のビーチを守り愛してくれたように、それぞれが押し付け合わずに、海への愛を表現できたらきっともっと良い方向に行くと信じています。
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この記事を書いたライター
hikaru
約、七年間の放浪生活の末、たどり着いた場所はオーストラリア最東端の小さな街、バイロンベイ。バイロンベイのローカルカルチャー、おすすめ情報などを配信予定です。