『波の力を推進力に変える原理』サーフィン初心者向けテイクオフのコツ

ライター: masaaki

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サーフィン

全国的に暖かい日、寒い日を繰り返してしますが、徐々にサーフィンシーズンが来た実感が湧いてくる季節になってきました。今年こそは立てるようになりたい!と思っている方も多いでしょう。

初心者の最初の壁になるのがテイクオフではないでしょうか?私も47歳でサーフィンを始め、体力が下降線を辿っている年齢でしたので、論理的に正しい方法を教えてくれるサーフィンスクールを見つけて通いながら課題をクリアしていきましたが、最初はすごく苦労したのを覚えています。とにかく、うねりが来たら一生懸命漕いでスピードをつけてもなぜか置いていかれる。もっと速くとガムシャラに漕いだら、今度はサーフボードのノーズが刺さって波にのまれる・・・。

そんなことを繰り返していると腕はパンパンになるし、体力の消耗も激しくてとにかく根性がいる遊びだと悩みながらも挑戦していたものです。実はちょっとしたコツで全く漕がなくてもテイクオフはできます。パドリングとバタ足で体力をすり減らし、酸欠で頭の中が真っ白になって思うように出来ないという経験を最初は経験した人も多いでしょう。でもそれは根本的に間違った覚え方です。今回はそんなちょっとしたコツを3つに分けて解説してみましょう。

1.腕力ではなく、波の力を推進力に変えて押してもらう—–

写真①サーフィン,テイクオフ

写真②サーフィン,テイクオフ

上の①、②は連動した写真ですが、写真①でBの人は一生懸命パドルしたのですが、②では波に置いていかれています。

一方Aの人は①で最初からテイクオフする場所で待っていて②では波の力で押してもらっています。もちろんテイクオフして立てるのはAのサーファーです。波の力は見た目より強い力で押し寄せてきます。

テイクオフするポイントをピークと言って一番波の押し出す力が強いところです。ここに最初から居るか、パドリングでピークに合わせてあげれば漕がなくても波の力で前に押し出してくれます。パドリングはスピードをつけるためではなく、ピークに素早く合わせるためのものなのです。

前に押し出された瞬間、ボードの後ろが持ち上げられます。これは波のうねりの特徴で岸に向かう力と同時に上に持ち上がる作用が生じるからです。そこで②のAのサーファーのように腕立ての姿勢をとることにより、腿(もも)から膝(ひざ)にかけての下半身に重心がかかり、上に持ち上げようとする波の力を推進力に変えることができます。よく「上を向いて!」とか「足を広げないで!」と言われるのは、この持ち上げられる力の作用を抑え込む理論から来ています。推進力がかかるとサーフボードはスピードが出ますから、その後の立ちあがる動作が容易になります。

2.波の力を捉えるサーフボードの傾きと向き—–

写真①でのAのサーファーとBのサーファーのサーフボードの傾きを比べてみて下さい。Aのサーフボードは波のうねりの傾斜に合っていますが、Bのサーフボードは先端(ノーズ)が上を向いてしまっています。もっとわかりやすいのが次の写真⓷です。

写真⓷サーフィン,テイクオフ

腕立て姿勢で重心を後ろにかけることにより、ノーズが上を向いてしまうとブレーキがかかり波に置いていかれてしまいます。⓷の写真のように、うねりと同じような傾きにするためには腕立て姿勢をとるときに押し込んでやるイメージが必要です。

腕立て姿勢はノーズを押し込む役割とサーフボードの後ろ(テール)が持ち上がるのを抑える役割があります。このノーズを下げる、テールを抑える加減により波のうねりとサーフボードが一体になり加速して立つことができます。この加減は波の大きさやスピードなどにもよりますから練習あるのみです。

写真⓷で見本にしてもらいたい点がもう一つあり、波に対してサーフボードが直角になっている点です。これが斜めになってしまうと波の力を均等に受けることが出来なくなりバランスを崩します。しかしホレていたりする場合はレールを入れながら斜めにテイクオフすることもあります。

3.テイクオフの時はどこを見たらいいのか?—–

私も最初そうでしたが、初心者のよく見かけるテイクオフの時の動作として、うねりが見えてその波に乗ろうとしたら、岸に向かって後ろも振り向かず前だけ向いて一生懸命パドリングしています。これでは乗れる波なのかどうかも判断できませんし周りの人も見えないので危険です。野球に例えるなら投げられたボールも見ないでスタンドだけ見てバットを振り回すみたいなもので、当たるわけがありません。

サーフィン初心者の頃は波がサーフボードを押してくれるまで波から目を離してはいけません。波は横長なので横から斜め後ろを見つつ波のピークを見極めます。レギュラー方向に乗る時は、進行方向と逆側の左側を見て波がボードを押したらテイクオフしながら進行方向である右を向きます。逆にグーフィー方向の波なら右側を見て波が押してくれたら進行方向である左を向きます。

波に持ち上げられたときに前だけを向いていると高低差がはっきりしますから恐怖心が生まれます。波の傾斜を横から見ることでこの恐怖心が無くなります。また初心者は最後まで波を見ることで波のパワーゾーンを理解し波を見極める能力が付きます。乗れない波やポジションが違えばどんな上手な人でも乗れません。初心者のうちはすべての波に挑戦しようとしますが、体力を消耗するだけです。

波の来る方向を見ることで禁止されている前乗りも防止できます。テイクオフするまで直前までは進行方向ではなく波の来る方向を向いています。そちら側から先に来たサーファーがいれば、その人が優先ですから事前に譲ることができます。お互いに手を挙げるなどセーフティーにルールを守って譲ることが出来たら何だか少し上手くなった気がします。ちょうど狭い道で車同士が譲り合ってクラクションを鳴らしあうような、ささやかな快感があります。

サーフィン,初心者

・まとめ—–

サーフィンは有酸素運動です。あまりにも一生懸命力づくでパドリングしているとテイクオフの時に息を止めてしまいます。それでは脳に酸素が行き渡らず次の動作にスムーズに移れなくなります。

早く上達したくさん波に乗れた方が楽しいですし疲れてしまいます。私がよく行く千葉北のポイントでは60代、70代のサーファーがたくさんいて、ノーパドリングでどんどん波に乗っていきます。サーフィンは波と同化して海と戯れるスポーツ。波の力を利用したコツを掴めば疲れずに永く続けられます。怪我や事故の防止にも役立ちますので是非参考にしてみて下さい。

"Catch The Funwave!" - WAVAL(ウェイバル)

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この記事を書いたライター

masaaki

サーフィンの魅力にとりつかれ海の目の前に移住し、スローライフな日々を過ごしています。海辺での生活の楽しさや、初心者にもわかりやすくサーフィンの魅力を伝えます。