「カノア五十嵐」残り3分逆転勝利!好発進で3回戦進出!WCT第2戦開幕

ライター: Tsuyoshi Nakajima

Facebook

Add this entry to Hatena Bookmark

見事にトップでRound 3を決めた「カノア五十嵐」:WSL/Kelly Cestari

WSL CT第2戦『Rip Curl Pro Bels Beach』開幕

アスリート・サーフィンにおける世界最高のエリート(ドリーム)・ツアーである「ワールド・サーフ・リーグ(WSL)」主催の「チャンピオンシップ・ツアー(CT)」第2戦が、オーストラリア/ヴィクトリア州に存在するパーフェクトなロング・スロープ(綺麗な波の斜面が長く続く)ライト・ブレイクとして世界的有名な「ベルズ・ビーチ」において開幕。

開幕初日、クロス・ショア(海面を乱してしまう風)の影響により、ややトリッキーな4ftレンジのコンディションにおいて、メンズ・ディビジョンはRound 1(1回戦)のHeat 6までを終えた。

そして、最高権威のエリート(ドリーム)・ツアーの2016年ルーキーとしてクオリファイ(参加資格)を得て、オーストラリア/ゴールド・コーストで開催されたCT第1戦において素晴らしい9位入賞という成績を残したアメリカ国籍の日本人サーファーの「カノア五十嵐」は、ベルズ・ビーチでのCT第2戦のRound 1 Heat 3に登場し、昨シーズンの「ルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)」に輝いた「イタロ・フェレイラ(ブラジル)」と、実力・人気を伴うハワイの強豪「ダスティ・ペイン(ハワイ)」と対戦。

・イベント会場である世界屈指のライトブレイク「ベルズ・ビーチ」:WSL/Kirstin
イベント会場である世界屈指のライトブレイク「ベルズ・ビーチ」:WSL/Kirstin

CTでのRound 1(1回戦)のフォーマットは、ハワイでの最終戦「パイプマスターズ」などの特例を省き、1位がRound 3(3回戦)へとジャンプアップし、2位と3位の選手がサドンデス(負けたら後のない)Round 2(2回戦)へと進む。Round 1ではすべての選手がイベントから姿を消すことはないものの、Round 3へと進めば身体を休めて戦術を練る時間が多くとれるため、選手誰しもがトップで勝利してRound 3へと進むことを願っているのは必至だ。

ツアー最年少であるカノアは、ルーキーらしい物おじしない素晴らしいクイック・スタート(先制攻撃)を魅せた。ヒート開始早々に1本目の波をとらえたカノアは、速くブレイクする最初のセクションにおいて、鋭い「オフ・ザ・リップ(波の一番上で切り立ちながら崩れてくる場所にボードを当てて波の下に降りてくる技)」をヒットし、続けて綺麗な波の斜面が形成されたと第2セクションでは、深い「ボトム・ターン(波の一番下から上に向かって加速させる重要なターン)」から、より難易度の高い垂直な「オフ・ザ・リップ」を成功させた。そして、続く第3セクションでは、パワフルかつ美しい「カーヴィング・ターン(波の斜面にボードのレールを深く沈めながら円を描くようにターンする技)」を決めると、この波の最後のセクションでの演技も見事に成功させ、10ポイント満点(1本のライディングは1~10点での範囲で審査)中ほぼエクセレントな演技7.67ポイントを記録。

1ヒート(1ゲーム)中に2本の合計点で順位を争う世界最高のアスリート・サーフィンにおいて、素晴らしいクイック・スタートを魅せたカノアだったが、この後もう1本の波を見つけることが出来ずにゲームの後半戦を迎えた。このヒートの最高点を記録しているカノアだったが、ベスト2ウェーブ合計による採点方式では、3人ヒート中第3位の暫定ポジションに付けていた。

ヒート残り時間3分、カノアがトップに躍り出るには5ポイント以上の演技が必要だった。そして、最後の波をとらえたカノアは、素晴らしい演技を魅せて6.37ポイントを記録すると、見事に終了間際の逆転劇を魅せてトップでRound 3(3回戦)に進出し、それと同時にCT第2戦におけるイベント13位以上の成績を確定させた。

日本の血が流れるCTルーキー「カノア五十嵐」のさらなる快進撃を期待し、日本からも大きなエールを送ろう!
残り3分からの逆転ライドは動画9:45あたりから▶︎

カノア五十嵐

※2016 WSL Championship Tour(CT) #2『Rop Curl Pro Bells Beach』イベントサイト:
http://www.worldsurfleague.com/events

カノア五十嵐、前回のWSL CT初戦の活躍記事▶︎

WCT初出場のカノア五十嵐、R3でもジェレミー・フローレスに勝利!

"Catch The Funwave!" - WAVAL(ウェイバル)

「いいね!」してSNSでサーフィン情報をチェック >>

Facebook

Add this entry to Hatena Bookmark

この記事を書いたライター

Tsuyoshi Nakajima

「WSL(World Surf League) Japan Regional」ツアーにおいて、2015シーズンまでイベントの「アナウンサー/キャスター/インタビュアー/コメンテーター」などを担当。数々のワールド・アスリート・コンペティションを目の当たりにし、イベントサイトのインターネット・ライヴ中継を通してワールドツアー・アスリート・サーファーたちのヒート(試合)を解説。伊豆をホームに持つサーフィン歴は30年を超え、地元の海において「子どもたちのためのサーフィンレクリエーション」なども主催。
サーフィンのディープな本質や、ワールドツアー・イベントから国内のアマチュア・イベント、How Toなど、サーファーだけではなく、すべての方々にサーフィンを楽しんでいただけるようなニュースをお届けします。