ビーチコーミングのススメ~サーフトリップで波をハズしたときの対処法~

ライター: ario

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低気圧の動きを見てからチケットを取るプロサーファーならいざ知らず、僕ら一般サーファーのサーフトリップにおいて、波を当てるか当てないかというのは、これはもう運命に委ねるしかない。波をハズすのは、確かに悔しい。ランチ代をケチりながらそれでも決して安くはない旅行代を捻出し、休みづらい雰囲気の中スケジュールをなんとかやり繰りし、長くて重いボードをえっちらおっちら抱えて向かう憧れのサーフスポット。雑誌で見るような極上の波を思い描きながらやってきたその場所で割れている波が、いつも乗っている波よりうんと小さかった時のガッカリ感ときたら・・・それは経験した者にしか分からないだろう。

例えば、今回の僕がそうだった。

僕が飛ぶ前日、奄美大島は50年ぶりと言われるほどの台風直撃を受けていた。当然、その台風が接近する間は、充分すぎるほどのウネリが奄美大島には届いていた。僕は出発前日までフライトがキャンセルになるのではないかとハラハラしていたし、あまりに波が大き過ぎて太刀打ちできなかったらどうしよう、などといらぬ心配までしている始末だった。ところが、台風が過ぎ去ってしまうと、奄美大島は強力な太平洋高気圧にスッポリと覆われ、台風はそのまま大陸のほうへと直進して行ってしまったためバックスウェルも入らずじまい。天気こそいいものの、太平洋側、東シナ海側ともに、まさに湖面のような海が僕を出迎えた。

ビーチコーミングのススメ(フラットな手広)

手広海岸、美しいフラット加減だ。

 

ビーチコーミングのススメ(フラットなビラ)

手前のビラも見渡す限りブレイクが見当たらない。(ローカルキッズたちは入っていたけれども)

しかし、これが運命だ。前向きに切り替えられるのが、真のサーフトリップ功者というものだ。

サーフトリップのデスティネーションは大抵、いつも入っている海よりも景色が美しいと感じられるはずだ。新鮮な土地で、その空気を肌で感じながらビーチを散策する。幻のセットが入るのではないかと時々沖に目を向けながらも、足下に広がるワンダーランドを堪能する。見たこともない形の貝殻、珊瑚、長い年月が廃棄物をアートにまで昇華させた色とりどりのビーチグラス。僕にはスキルがないが、様々な形をした流木などは、人によってはアートの材料になるだろう。今回、僕は何やら哺乳類らしき骨まで発見した(人骨だったらどうしようとドキドキしたが、宿の方の話によると、それはヤギの骨である可能性が高いということだ。奄美には祝い事があるとヤギを絞める風習がある)。

僕はそれらの漂着物を物色し、娘達が喜びそうなものを見つけ出してはポケットに詰めて行った。やってみると、これがなかなか楽しい作業なのだ。普段こんなにゆったりとした時間を過ごしていないだけに、無心になって没頭していると心が洗われて行くような気がする。これもまたサーフトリップの一つの醍醐味と言えるのではなかろうか(この間、やはり幻のセットは入って来ず、残念な気持ちとホッとした気持ちが入り交じったりする)。

さて、今回のビーチコーミングのハイライトはこんな場面だった。一軒の優良物件を巡って、4匹のヤドカリが争奪戦を繰り広げるという、ナショナルジオグラフィックTVでさえなかなか撮影できないであろう、非常に貴重な場面に遭遇したのである。↓
※ビーチコーミングとは: 海の砂浜に打ち上げられた漂着物(流木、貝殻、珊瑚など)を収集すること。

 

そして、5日間まさかのノーサーフに終わった僕は、次回は絶対に波を当ててやると心に誓って、奄美大島を後にしたのだった。

 


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この記事を書いたライター

ario

オウエン・ライトの身長とロブ・マチャドの髪質を授かったが、残念なことにレギュラーフッター。三人の娘を育てながら、日々サーフライフバランスの実践を模索中。出没ポイントは千葉一宮。