パタゴニア日本支社が世界自然遺産 奄美大島「嘉徳海岸侵食対策事業の一時中止の要望」を支持

ライター: WAVAL

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パタゴニア日本支社:世界自然遺産 奄美大島「嘉徳海岸侵食対策事業の一時中止の要望」を支持
©公益財団法人日本自然保護協会

パタゴニア日本支社:世界自然遺産・奄美大島の海と自然を将来世代につなぐ活動に賛同し「嘉徳海岸侵食対策事業の一時中止の要望」を支持

パタゴニア日本支社は、9月末、NACS-J(日本自然保護協会)が鹿児島県などへ提出した、奄美大島の「嘉徳海岸侵食対策事業の一時中止の要望」を支持する声明を発信した。今回のパタゴニア日本支社声明は、鹿児島県大島郡瀬戸内町の嘉徳海岸浸食対策事業(護岸工事)について、パタゴニア日本支社の環境助成先であるNACS-Jをはじめとする団体が河川の健全度、海と陸の連続性が壊されることを危惧する要望書に関し、奄美大島で生まれ育ったパタゴニア・サーフィン・アンバサダーの碇山勇生とともに支持するものとなる。

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以下声明文。

世界自然遺産・奄美大島の海と自然を将来世代につなぐ活動に賛同し「嘉徳海岸侵食対策事業の一時中止の要望」を支持します。

令和 3 年 7 月に決定した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登 録について、鹿児島県、沖縄県、地元市町村、専門家、地元団体、関係省庁をはじめ、多く の皆様のご尽力に心からの敬意を申し上げます。
同時に、10 月初旬にも着工が予定されている鹿児島県大島郡瀬戸内町の嘉徳海岸浸食対 策事業(護岸工事)について、私たちの環境助成先の公益財団法人 日本自然保護協会をは じめとする環境団体が河川の健全度、海と陸の連続性が壊されることを危惧し要望する「嘉 徳海岸侵食対策事業の一時中止と管理体制の再構築」(*注1)を、奄美大島で生まれ育っ たパタゴニア・サーフィン・アンバサダーの碇山勇生とともに支持します。
世界遺産登録に関する IUCN(国際自然保護連合)評価書では、 現在計画されている嘉 徳海岸侵食対策事業が計画以上に拡大されないことを確認したとあるものの、本事業の発 端となった砂浜の侵食は現状では大幅に解消されてきています。(*注2)護岸工事の必要

性が低下していると考えられるいま、本事業は見直すべきであると考えます。防災・減災に ついては、国際的には、護岸などの人工構造物ではなく、生態系を基盤にした防災・減災 (Eco-DRR:Ecosystem-based Solutions for Disaster Risk Reduction)の考え方、つまり自 然が持つ力を利用した方策が注目されています。
気候変動の影響が強まるなか、これまでのような海岸部は県、河川は町という管理方法から、 河口域から海岸部までの統合的な管理を必要としています。鹿児島県と瀬戸内町が主体と なり、長期的な防災と生物多様性の保護を両立する Eco-DRR の先進的な取り組みを行う こと、必要な場合には自然再生の技術を適用していくこと、また長期的な保全にとって市民 の参画が重要であるとするものです。
全国的に自然度の高い河川や砂浜の生態系が失われつつあるなか、奄美大島の嘉徳は海 から陸、川から砂浜まで連続性をもって、ひとまとまりに残されている地域です。特に嘉徳 海岸に流れ込む嘉徳川は自然の水の流れを保つ貴重な河川であることが、世界自然遺産の 諮問機関である IUCN により高く評価されました。その世界的に高く評価された嘉徳川と 嘉徳海岸を将来世代につなぐための取り組みに注力し、「私たちは、故郷である地球を救う ためにビジネスを営む。」企業として行動していきます。

*注1
公益財団法人日本自然保護協会「嘉徳海岸侵食対策事業の一時中止と管理体制の再構築」
*注2
(1)鹿児島県 第 1 回 嘉徳海岸侵食対策事業検討委員会(概要)
6-7 ページ 西隆一郎委員 発言部分
2)宇多高明 奄美大島の嘉徳海岸の侵食とその対策に関する提案 (2018 年)
6 ページ部分

〇碇山 勇生
パタゴニア・サーフィン・アンバサダー
奄美市大島郡龍郷町出身。プロとして活躍する傍ら、ホームポイントの護岸工事計画の見直しを求め、全国から署名を集め工事中止を成功させるなど、よりシンプルに自然と向き合う生活を送りながら、奄美の伝統と文化、そして自然を後世に残すために精力的に活動している。
Instagram @ikarip / HP



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