「時間と知恵が強みになる」56歳女性ビッグウェイバー『シルビア・ナブコ』のサーフィン観
ライター: AKIKO
36歳からサーフィンを始めてプロサーファーとして活躍
1966年生まれブラジリアンのシルビア・ナブコ(Silvia Nabuco)は、数々の賞を受賞したトライアスロン選手であり、サイクリストでもあり、オリンピックのウィンドサーフィンでは準優勝に輝いた事もあるプロアスリートです。趣味でダイビングやセーリングはしていましたがサーフィンは未経験でした。そんなナブコが36歳からサーフィンを始めてビッグウェイブコンテストに出て活躍するまでのタイムラインをWSL(How Silvia Nabuco Is Upending The Timeline For Professional Surfing And Proving Age Is Only A Number)よりご紹介します。
現在56歳のナブコ。「こんなに遅い時期にサーフィンを始めて、プロサーファーとして活躍できるなんて考えもしなかった。自分自身でも驚いています。ストレス解消の為に私はただ楽しみたいだけだったの。」
Photo:Maat Paul
サーフィンを始めたきっかけ
36歳になった彼女はスポーツ界の第一線から遠ざかり始めていました。水遊びをしていると友人がサーフボードを貸すのでサーフィンをやってみないかと誘われました。その瞬間、ナブコの人生は大きく変わりました。「いつも友達がサーフィンするのは見ていたけど、自分の泳ぎが台無しになってしまうのではと挑戦できなかったの。プロスイマーしてのキャリアを終えてたので、彼女のボードを試してみたらサーフィンの虜になってしまったわ。」それからは毎週末長時間をかけて海に通い出しました。海に囲まれた環境で育ったナブコにとって、波に乗るのは自然な事ですぐに上達しました。
自分に打ち勝つ事が好き
サーフィンを始めて最初の3ヶ月で6フィートのオーバーヘッド程の波に乗れるようになったナブコ。6-8フィートのビーチブレイクで1人でパドルアウトしようとする彼女を、周囲の人達は無理だと言いました。周りの意見は彼女を止めませんでした。他の競技で優勝した時の自信と身体能力が彼女を動かしたのです。ナブコは他人ではなく自分自身の為に、より上手になるように努力してきました。「私は昔から自分に打ち勝つ事が好きでした。サーフィンは大きな波に乗るという要素に、より一層の情熱を感じます。」
サーフィンを始めて1年半で冬のノースショアへ。挑戦の始まり
サーフィンを始めて1年半の2004年に、ナブコは冬のノースショアに向かいました。この旅がビッグウェイブへの情熱と、それに続く全ての冒険の始まりとなったのです。
彼女は世界中の波でサーフィンを続けて人目を引く才能で、すぐに注目されるようになりました。2016年にはケアラ・ケネリー、エミリー・エリクソン、ペイジ・アルムス、ローラ・エネバーなどのビッグウェイブサーファー達というエリートの仲間入りを果たしました。ナブコは、2016年と2018年の「Women’s Big Wave Tour contests」のコンテストに参加し、2018年「Maui Pro Peahi Challenge」ではトップ10入り。2019年「Eddie Aikau Invitational」で憧れのポジションを獲得。2019年「RedBull Queen of the Bay」、2020年「RedBull Magnitudecontest」に出場する機会を得て、ビッグウェイブ・ウィメンズサーキットの常連となっていきました。
Photo:WSL Kelly Cestari
時間と知恵が、競技をする上での強みになる
若い世代に囲まれていても、ナブコは過去のスポーツ人生から受け継いだ定期トレーニングと、健康的な習慣で素晴らしい体型を維持しています。トライアスロン、サイクリスト、ウィンドサーファー、ビッグウェイバーとして活躍してきたナブコは、時間と知恵が、競技をする上での強みになっていると言います。「体力的には若い頃とそれほど変わりません。年を重ねるごとに賢くなっていると感じ、それが自分の為に役立っています。集中力、知識、波を読む力、ビッグウェイブへのより良い戦略、自信、サーフボード選択などが向上しました。」
ナブコが尊敬するケリー・スレーターとカイ・レニー
「ケリー・スレーターは、自分自身を作り上げることのできる王様で、サーフィンもライフスタイルでも多才。もう1人は身体能力が高いカイ・レニー。様々な種類の波や、様々なウォータースポーツをこなす彼の能力、大胆な性格も尊敬しています。」
スポーツがもたらす自己挑戦の側面
ナブコはスポーツがもたらす自己挑戦の側面を大切にしています。「好きな事をしていれば、自分が犠牲になっているとは思わないもの。私の目標は、友達と一緒に新たなポイントへサーフトリップをして、新たな経験や冒険をし続ける事です。」
"Catch The Funwave!" - WAVAL(ウェイバル)
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この記事を書いたライター
AKIKO
酒とサーフィンとトリップをこよなく愛する二児の母&主婦。ママになってからの方がサーフィン熱が上がってます。センスも技術もないけど波運だけはあります。
・blog: https://ryoshiyome.com/
・Instagram: @akikoba5884