映画『Girls Can’t Surf』女性サーファーが不平等な扱いと戦っていた時代を描いたドキュメンタリー

ライター: Miki

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『Girls Can't Surf』(ガールズ キャント サーフ)

2019年、WSLは、WSLが主催するイベントに出場する男女の賞金を同額にすることを発表。それまでは、女性の賞金は男性の何分の一かに過ぎず、その格差を埋める為の道のりは決して簡単なものではなかった。

1980年代から1990年代初めにかけて、女性サーファー達が海の中、そして日常的に性差別や不平等な扱いで戦っていた時代を描いたドキュメンタリー映画『Girls Can’t Surf』(ガールズ キャント サーフ)

クリストファー・ネリアス(監督、脚本家、プロデューサー)とジュリー・アン・デ・ルヴォ(共同脚本家)が、世界中のガレージから掘り出してきたと思われる信じられないような一連のクリップを入手し、これまでに見たことのない映像と率直なインタビューを組み合わせている。

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ドキュメンタリー映画『Girls Can’t Surf』

インタビューを受けたのは、オーストラリア、南アフリカの女性サーファー達。彼女達は、このような時代の中で、男女平等の為の戦い、サーフィンでの葛藤、そして自分自身の青春について語っている。この映画が物語るように、当時の女性サーファーは賞金の10分の1しかもらえず、男性の昼休みにコンテストを開催することに追いやられたこともあった。試合に出る女性サーファーにとっては、まともな波に乗るチャンスすら得られなかった。

1980年代の女性サーファーについて、元サーフィン世界チャンピオンのダミアン・ハードマンはこう振り返った。「女性は女性らしくしてれば良いという風潮だったわ。魅力的で、そして良い服装をしていれば、あとは何もいらないような感じ。」あるサーファーは”女子は痩せないとスポーツが成り立たなくなるという”という非難を受けたという。

1985-86年にルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞した元プロサーファーのジョージャ・スミスは、「男性の試合は最高の波に乗ることが出来ていたけど、女性はオンショアの風が吹き荒れ、まるでサーフィンなんか出来ない最悪な波に残されていたわ」と語る。

1989年、カリフォルニアのハンティントンビーチで開催されたOPプロの主催者が、上位30名の男性サーファーに賞金を提供する為に、ウィメンズイベントを中止することを決定した事があった。しかし、もちろんビキニコンテストは残すことに。女性は性的な目でしか見られていなかった象徴だ。

『Girls Can't Surf』(ガールズ キャント サーフ)

『Girls Can’t Surf』は、海の潮の満ち引きのような映画。女性サーファー達の戦いは、二歩進んで一歩下がる地道なものだった。1999年、南アフリカのジェイベイでは、波の無いヒートに出場する為に女性サーファーが送り出された。彼女達はパドルアウトを拒否し、水際に集団で座り込んだ。この瞬間は大きなターニングポイントとなった。

この映画はたった数人でも情熱的で今の状況を変えたいと思えば、歴史を変えるような動きができるという事を映し出している。今年の東京オリンピックでは、男女共にサーフィンの種目が新たに加わる。これは彼女達にとっては大きな成功なのだ。

以下、Girls Can’t Surf のトレイラー映像となります。

現在オーストラリアで公開中、公開情報などはGirls Can’t Surf 公式HPよりどうぞ。

記事参考元: https://theconversation.com/


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この記事を書いたライター

Miki

元外資系客室乗務員、中東に住みながら世界50カ国以上飛び回る生活を送る中、バリでサーフィンに出会い人生激変。海の近くに住み毎日サーフィンが出来る環境を求めて現在はオーストラリアに住んでいます。
・Instagram→ @eatmore.gelato