世界で評判が二極化するガブリエル・メディーナの本音に迫る!ミック・ファニングとの対談映像

ライター: Miki

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ガブリエル・メディーナ

「毎日食べ物を手に入れる為に、6才から母の為に車を運転したり少しでもお金を稼げる様に手伝っていたんだ。」 ガブリエル・メディーナ

Stab Magazineにより公開された3×ワールドチャンピオン ミック・ファニング(Mic Fanning)による注目サーファーへのインタビュー企画第2弾は、同じRip Curlからスポンサーを受けるブラジリアンサーファー ガブリエル・メディーナ(Gabriel Medina)(第1弾:ミック・ファニングとジョンジョン・フローレンス対談映像『世界タイトルの秘密』(日本語翻訳))。

1993年12月22日生まれ26歳のガブリエル・メディーナは、2014年に20歳で史上最年少、ブラジル人初のワールドチャンピオンに輝き、その4年後の2018年には2度目の頂点に立った2×ワールドチャンピオンだ。

ガブリエル・メディーナ

今回はプライベートでも交友のあるミック・ファニングが、メディアでは報道されないようなメディーナの本当の姿を聞き出しています。そんなオーストラリアとブラジルの国民的ヒーローである2人による貴重な対談映像を、ダイジェストとして日本語翻訳しましたのでどうぞ!

Stab Magazine:

「メディーナはブラジリアンには地球上で最も愛されているが、ブラジル以外のサーフィン国では最も嫌われているサーファーだ。 評判は二極化していている。ガブリエルには暗い過去があり、挑発的であり、時々行き過ぎてしまうところがある。しかし彼は一見、冷たい人間だと思われがちだが、内面は柔らかく芯があり、寛大で、思いやりがあり、人間味あふれる人なのだ。ミック・ファニングは、ガブはこれまでサーフィンをした中で最高のライバルであり、自分が出会えて本当に素晴らしかった人間の1人だと言っている。 今回の対談から、メディーナがどういう人間かを感じ取ってください。」

ミック・ファニング×ガブリエル・メディーナ対談ダイジェスト

Q.ミック:「小さい頃から母親の為に働いていたと聞いたけど、どんな幼少期を過ごしたの?」

ガブリエル:「小さい頃は正直言って恵まれた環境ではなかった。毎日食べ物を手に入れる為に、6才の頃から母の為に車を運転したり少しでも多くのお金を稼げる様に手伝っていた。」

ミック:「(6才から!?)わお… 凄いね。」

ガブリエル:「今、ブラジルにいる僕の友達の中でも働いている友達もいれば、刑務所に入っている友達もいる。サーフィンをしてなかったら僕は彼らと同じような立場にいるかもしれなかった。今自分がこうやってサーフィンで活躍して生活出来ていることは本当に幸運だと思う。サーフィンが僕の人生を変えたよ。

ガブリエル・メディーナ

Q.ミック:「サーフィンはどうやって初めたの?」

ガブリエル:「サーフィンを始める前はずっとサッカーをしていた。継父が元々サーフィンをしていて、彼が最初にボードを買ってくれたよ。その1枚のサーフボードを友達とシェアしていた。」

ガブリエル・メディーナ

Q.ミック:「君のツアー初期に、タヒチ チョープーやハワイ パイプラインなどのBig waveでパーフェクト10ptを出していたけど、今まで経験したこと無いような波でベストパフォーマンスをする秘密は?」

ガブリエル:「そうだね、あんな大きな波でサーフィンするのは初めてだったし僕には大きすぎる、心の中では怖すぎてたまらなかった。友達にもこんなの大きすぎる、、って相談したし(笑)。でもその時の状況とこれが試合だっていうのが一番のモチベーションだね。」

ミック:「君がツアー1年目の時、ノースショアのリップカールハウスに一緒に泊まっていた時のことだけど、僕が先に負けてハワイを去った時、君は「次のヒートの波は想像以上に大きいんだけど、どうしたらいい?」ってメールを僕に送って来たんだ。僕は「ただ自分のリズムとペースで」とだけ送った。その後君は良いパフォーマンスを見せてくれたし、僕の中で彼はBig waveは苦手なのかもしれないという考えは無くなったね。」

ガブリエル:「僕は試合に出始める前は、ミックを見て育ったんだ。どんなヒートでも落ち着いていてクールでいつも最高のパフォーマンスをする。だから僕はいつもあなたみたいになりたかったし、そんな風に試合中も振る舞っていた。」

ミック:「僕みたいにはならないほうがいいよ(笑)。それに君はもっと上だしね。」

ガブリエル・メディーナ

Q.ミック:「グーフィースタンスのサーファーが、ツアーで優勝するのは難しいと言われているのはどう思う?」

ガブリエル:「グーフィースタンスとしてツアーに出ることはとても難しいよ。バックハンドも人一倍練習する。」

Q.ミック:「君が何か一つのことに集中してそのモードに入ると、もう誰も君に勝てる人はいないと思わせるくらいパワーがある。それはどのように培ったの?」

ガブリエル:「自分をそこまで持っていくのはいつも簡単ではない。波にもよるし、自分の気分もあるし、思うようにいかない時もある。でも試合で負けるというのを経験してから、君が言ったようなパワーを持ち始めた。それを助けてくれた1人のサーファーがジェシー・メンデス(Jesse Mendes)(2018 CT rookie)なんだ。彼は本当に負けず嫌いだし、いつも試合で彼に負けていた。家に帰って毎日泣いたし、彼に何度も負けてから自分をコントロールする方法を学んだ。常に落ち着いて、リラックスして、集中して、欠かさずトレーニングをし、良い睡眠を取る。そのルーティン繰り返すと自然に自分のサーフィンも良くなったね。」

Q.ミック:「メディアを通して君を見ている人は「ガブリエル・メディーナは試合に勝つ為には何でもする」という悪いイメージを持っている人もいるようだけど、それについてはどう思う?」

ガブリエル:「そんな風によくジャッジされるのは確かだね。試合と試合外の自分の生活は切り離して考えている。僕は勝つために試合をしている。もし僕が試合で兄弟や親友と戦うとしてもルールの範囲内で出来ることは全てする。僕が試合で他の選手と競り合って近距離でパドルする場面や、相手をブロックする場面だけを見て僕のことを評価する人もいる。たまにアグレッシブになりすぎる事もあるけど結局、僕は勝つ為にサーフィンをするし負けず嫌いだ。試合中の僕やほんの一部のことだけで批判されるのは少し悲しいけど、試合の外ではまだ26歳の子供だよ。友達とビデオゲームをしたり旅行をしたり色んな話もする。」

ミック:「メディアはそういう所にスポットライトを当てがちだけど、僕は君がうちに泊まりに来てくれた時のことを思い出すよ。ハウスメイトにガブリエル・メディーナが泊まりに来ると言ったら、彼も「まじか、彼は嫌な奴なんじゃないのか!?」って言ってたけど、1週間一緒に過ごした後「ガブリエルは世界で一番いい人だ、こんな人に出会ったことないよ。」って言ってた。料理を手伝ってくれたり一緒にビデオゲームをしたり、悪い人だと簡単に決めつけるだけじゃなくて君がどれだけ家族思いで面白くて素晴らしい人かみんなにも知って欲しいよ。」

2019CT最終戦パイプラインマスターズ。ヒート後半リードしている場面、カイオ・イベリに対してあえてインターフェアを犯して勝ち上がった
ガブリエル・メディーナ

Q.「CT2019ポルトガル戦で大きな物議を醸した、カイオ・イベリへのインターフェアについてはどう思いますか?」

(ワールドタイトルを争っていてメディーナが、同じブラジリアンのカイオ・イベリにインターフェアを犯して敗退。メディーナは自分がプライオリティを持っていたはずだとSNSでも主張。「試合中にプライオリティボードを確認しなかったメディーナのミス」とケリー・スレーターにSNSでコメントされていた)

ガブリエル:「もしあのヒートをもう一回やり直せるなら違った考えをするだろうし、同じことは多分しないだろう。あのシチュエーションは僕にとっては良くなかった、でも多くを学んだ。」

ミック:「起こったことは仕方ないしガブリエルも引きずることではないよ。」

Q.ミック:「以前ジョンジョンは一番のモチベーションは君だと言っていたが、ジョンジョンは君にどういう影響を与えている?」

ガブリエル:「彼はどんな波でも、どんな状況でもサーフィンするから凄いよ。普段試合では120%くらいの力でサーフィンするけどジョンジョンとの試合の時は200%の力でサーフィンする。彼は勝ちたいと思わせてくれる最大のモチベーションだね。」

*詳しくは:ミック・ファニングとジョンジョン・フローレンス対談映像『世界タイトルの秘密』(日本語翻訳)

Q.:「他のCT選手より大きなサーフボードを使うのはなぜ?」

ガブリエル:「実際のところ、僕はボードについての知識は全くない(笑)。もっと知れたらいいと思うんだけどね。僕はジョディ・スミス(Jody Smith)に体格が似ているから彼が使っているボードを使っている。あとは僕のシェイパーと継父に聞いてくれ(笑)」

ガブリエル・メディーナ

Q.:「Work hard(試合で良いパフォーマンスをする事)とParty hard(パーティーをすること)のバランスはどうやって取っている?」

ガブリエル:「フィジーで一緒に酒に酔っ払った時、ミックに言われた事を覚えているよ。試合に負けて落ち込んでいた僕に、「自分にプレッシャーをかけ過ぎるな、友達とビールでも飲んで楽しむことも大切だ」って。試合中はいつもプレッシャーで潰されそうだからね。」

ミック:「僕は昔は試合前にパーティーして試合に臨んでた。でもそれだと上手くいかなかったから試合の後にパーティーすることにした。僕らサーファーは世界中の海でサーフィンして、様々な美しい国を見ることが出来るんだから楽しまなきゃね!」



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この記事を書いたライター

Miki

元外資系客室乗務員、中東に住みながら世界50カ国以上飛び回る生活を送る中、バリでサーフィンに出会い人生激変。海の近くに住み毎日サーフィンが出来る環境を求めて現在はオーストラリアに住んでいます。
・Instagram→ @eatmore.gelato