いつかは決めたい?ダスティ ペインが語るエアリバースのコツ7点

ライター: ario

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サーフィン

サーフィン上級テクニックであるエアリバースとは、スピードに乗ったライディングから空中へ飛び出し、岸川に回転して着水する華やかなテクニックだ。プロサーフィンの世界ではもはや当たり前のテクニックだが、一般サーファーにとっては未だに、いつかはメイクしたい憧れの技と言えるだろう。

ちなみに、あなたはプルアウトの際、ボードと一緒に身体が空中へ浮き上がった経験があるだろうか。もしあるとするならば、理論的にはエアーをメイクできるスピードが出せていることになる。あとは身体の使い方、板のコントロールをマスターすれば、エアリバースをメイクすることだって夢ではないはず。

ところが、こればかりは何度もトライ&エラーを繰り返さないと成功への道は拓けない。プロのコーチに付きっきりで見てもらえる環境があれば、マスターするまでに要する時間も短くて済むかもしれないが、多くの週末サーファーは独学で体得するしかない。

そんなあなたのために、筆者が以前SURFER Magazineのウェブサイトで見つけた記事の内容をここでかいつまんで紹介したいと思う。ヴォルコムのライダーであり、サーフムービー「Modern Collective」でデーン・レイノルズらと共に最先端サーフィンの代表格として名を連ねたダスティ・ペイン(HAW)が、エアリバースのコツをかなり細かくブレイクダウンして解説している記事(How To: The Air Reverse)だ。

エアリバースの練習に取り組んでみたいけれど、今ひとつコツ・メイク方法、そもそものやり方さえも分からない。インターネットで検索してもめぼしいページが見つからないという方はぜひご参考に。

ダスティ ペイン エアリバースのコツ7点を解説

①エアリバースに相応しい波を見つけること

エアを練習するのにちょうどいいのはそこそこホレている、ソフトなビーチブレイクの波だ。ダスティは「バレルになるような波では練習するな(ケガするから)」と言っているが、日本においてそれはあまり気にしなくてもよさそうだ。逆に言うと、日本の多くのポイントはエアーの練習に持ってこいと言えるだろう。

②体勢を低くして、スタンスを広くすること

ひとたび飛び出すセクションにロックオンしたら、出来る限りヒザを曲げ、体勢を低くすることで、波の上に飛び出しやすくなる。エアー開始時、後ろ足はデッキパッドの一番前あたりに置くが、エアーの最中に前足もノーズよりに移動しスタンスがやや広くすることで、ローテーションの最中にボードをコントロールしやすくなるとダスティは言う。ビデオなどを見ると、ランディングの際、前足はほとんどノーズのあたりにあるサーファーも多いのに気がつくと思う。

③浅めのボトムターンで正しいライン取りを意識

すべてのエアーにおいて、スピードはとても重要だ。そしてエアーを決めるときは深いボトターンでなく、浅めのボトムターンでリップにアプローチする。充分なスピードが出ているという前提で、飛び出すセクションを見たとき、リップがどう崩れてくるのかによって、描くラインを調整する必要がある。もしも波がホレていて、リップが速く崩れてくるようであれば、波の中腹でターンする必要があるとダスティンは述べている。

④ローテーション時の体の使い方が重要

「難なくローテーションできること」は、エアリバースにおいて完璧に理解しておかなければならないフィーリングであるとダスティ。空中に飛び出してローテーションを始める際に、肩越しに頭を回転させる事(レギュラーフッターなら左向きに)を意識すると、肩が開き、身体が回転しやすくなるという。そしてノーズがリップから出た瞬間に後ろ足を蹴るようにしてローテションする。はじめのうちは空中で両手を上にあげると体が上に引っ張られ、ボード上に体の軸をキープしやすくなる

⑤スープに着水すること

コロへ・アンディーノをはじめ、フラットな地点にランディングするサーファーもいるけれど、個人的にはそれは出来る限り避けるとダスティは言う。なぜならケガしやすいからだ。ジョンジョン・フローレンスやイェイデン・ニコルなど、名だたるエアリアリストたちも着水で足に大怪我を負っている。波が崩れているリップの上、もしくは既に崩れたスープの部分であれば、波のフェイスやフラットな部分に比べて多少クッションがあり、ケガもしにくい。

・エアリバースからリップの上に着地するダスティ ペイン
エアリバース

エアリバース

⑥はじめはグラブなしで練習すること

グラブなしでエアーの練習をしたほうが、スピンする感覚を掴みやすいとダスティ。そしてローテーションを完璧にマスターできたら、いよいよグラブを練習し始めるわけだが、ダスティは誰にとってもやりやすいフロントグラブからトライすることを推奨している。グラブは素早く、エアーのピークでソリッドに行う必要があり、エアーに入り始める前や着水後にレールを掴んでいてはいけない。

⑦上手くいかなければリバース360を練習しよう

とにかく身体をローテーションさせる感覚をマスターしなければエアリバースはメイクできない。もし壁にぶつかって先に進めなければ、一歩下がって、エアーではないリバース360を難なくメイクできるまで練習してみようとダスティはアドバイスしている。(リバース360とはエアーせずに岸方向に1回転する技)


いかがだっただろうか。今すぐ取り組んでみようという方も、自分にはまだ早いという方も、この記事を保存版にしてその日のために備えてほしい。いずれにせよ、エアーは華やかな反面、一歩間違えば大きなケガにもつながるテクニックだ。混雑している海や風が強い日は、自分自身だけではなく他人にケガをさせる恐れもある。練習に取り組む際は周囲や自分自身の安全に細心の注意を払っていただきたい。

最後に、今回の「先生」・ダスティンのライディングをビデオで堪能しよう。前半はビッグウェーブのチューブライディングが中心だが、後半、今回のトピックスでもあるエアリバースが存分に披露されている。上記のポイントを踏まえながら観察すると、また色々と発見があるかも知れない。

 

Volcom | Strange Brains | Dusty Payne from Volcom on Vimeo.

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この記事を書いたライター

ario

オウエン・ライトの身長とロブ・マチャドの髪質を授かったが、残念なことにレギュラーフッター。三人の娘を育てながら、日々サーフライフバランスの実践を模索中。出没ポイントは千葉一宮。