トム・カレンが伝授する、我が子にサーフィンを教える時の秘訣4点

ライター: ario

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自分と血を分かち合った子供と、自分が愛したサーフィンの素晴らしさを分かち合えたとしたら、どうだろう?

もしあなたに子供がいるとしたら、夢は「子供と一緒にサーフィンすること」だったりしないだろうか?何を隠そう、筆者もそのうちの一人だ。その想いの裏には、子供がサーフィンにのめり込んでくれれば、子供をダシにして週末の間ずっと海で過ごして自分も好きなだけ波乗りできるだろうという、やや自分本位な考えがあることは否めない(朝3時半出発、5時〜8時でサーフィン、10時帰宅という涙ぐましい努力を続けている)。

しかし、純粋にこうも思うのだ。自分と血を分かち合った子供と、自分が愛したこのサーフィンの素晴らしさを分かち合えたとしたら、どうだろう?これから先の人生、サーフィンという共通項で、ずっと子供との関係を築いて行けたら、これほどワクワクする素晴らしい体験はないのではないだろうか。僕はきっと、子供達がいい学校に入るより、サーフィンを好きになってくれた方が嬉しい。

親子でサーフィンの脳内理想図↓

「親子でサーフィン」の理想像

だから僕は、子供達に波乗りを教えようと何回かトライしてみた。

そして、現実は甘くなかった。

子供達にサーフィンを教えるのは簡単ではない。それはそうだろう。僕の子供は決して泳げない訳ではないが、プールと海では勝手が違う。どんなに小さな波でも、そのパワーは小さな体にとっては脅威に感じられるはずだ。案の定、一発で「サーフィン大好き!」となるはずもなく、むしろ「海コワい」と言い出す始末。

結局、未だに子供達がサーフィンにのめり込むことなく現在に至っている訳だが、そんな中、SURFER MagazineのWEBサイトでドンピシャの記事を見つけた。レジェンドサーファー、トム・カレンによる「How to teach your kid to surf」である。トムの娘リーアンは元CTサーファーだし、息子パットは今や次世代を担う期待のグロムサーファーに成長している。そんな素晴らしい子供達を育てたレジェンドから発信された、僕のようなささやかな夢を持つ親達へのいくつかのアドバイスを以下に紹介したいと思う。

①友達と一緒にサーフさせるといい

トムも子供にサーフィンを教えることは簡単じゃないと語っている。結果を焦ってはいけない。強要してもいけない。

子供が要領を得るまでは、どこまでも辛抱強くなる必要がある。そして、なんとなくコツを掴んだら、一番良いのは子供の友達と一緒にやらせることだと言う。そのほうが強要されていると感じることもなく、友人との競争心から自主的に取り組むことが期待出来るということなのだろう。そういった環境づくりが「教える」という事以上に大切になってくる。

②水が温かいところでやらせよう

実はこれはすごく重要なポイントだとトムは言う。子供というのは、辛抱することが苦手だし、少しでも不快に感じると真剣に取り組めないからだ。ハワイなど、水が温かく、気持ちの良いところでファーストトライをさせてあげると、その後のモチベーションも上がってきやすい。

ちなみに僕は先日奄美大島で体験させた(ボードの上に腹這いにさせて、波が来たら後ろから押してやるだけ)ところ、千葉では10分で終了したのに対し、奄美大島では30分以上やり続けた。

③子供が本気で尋ねてくるまでアドバイスしない

トムの子供は、テクニカルなことはほとんど聞いてこなかったとので、アドバイスしたのは、せいぜいどんなボードに乗るべきかということぐらいだったらしい。トムの持論では、サーフィンのスタイルは人それぞれで、それを自分自身で築いて行くのがサーフィンの素晴らしいところなので、子供が本気でアドバイスを求めてこない限りはあれこれ口を出さずに自由にさせておいたと言う。そしてそれがとてもいい方向に働いたということである。

④サーフィンも子育ても、できるだけシンプルに

サーフィンも子育ても長い期間をかけて関係性を構築していく作業だ。だから、アドバイスは常にシンプルに。複雑なことを子供に求めないことが大切だとトムは語っている。シンプルを心がければ心がけるほど、子供達は良い結果を出してくれる。トムの父親も、トムに対してそうだったそうな。ここには具体的なことは述べられていないが、なんとなくイメージは湧く。


いかがだっただろうか?レジェンドの言葉は抽象的なものが多いが、それだけ達観しているからなのだろう。僕がトムのアドバイスから汲み取ったのは、「辛抱強く、焦らない」と言うことと、テクニックそのものを教え込むのではなく、「子供がサーフィンを好きになれる環境づくり」に精を出す事が一番大切なのだという事だ。

夏は、子供達にサーフィンを始めさせるのにぴったりの季節。一夏ごとに一歩ずつでもいいから、サーフィンの世界に入ってきてもらえたらと願って、これからも子供を海に連れて行こうと思う。

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この記事を書いたライター

ario

オウエン・ライトの身長とロブ・マチャドの髪質を授かったが、残念なことにレギュラーフッター。三人の娘を育てながら、日々サーフライフバランスの実践を模索中。出没ポイントは千葉一宮。