1mの高さでほぼ死亡―津波に対し島国日本が注意しておくべきこと

ライター: Mg

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津波

“正しい恐れ”を!津波被害に備える

『1mの津波に巻き込まれれればほぼ死亡』…ショッキングな分析が内閣府から出ています。島国であり地震大国でもある日本。いつ津波が起こるか分かりません。

高さ1mと聞いて大した事ないように思われるでしょうか?普段の波(風が作る海水の表面=波浪)でイメージした場合はきっとそうです。ところが同じ海でも津波になると性質は全く別物となります。ふだんの波(波浪)が、水面付近だけのパワーで押してくるとするなら、津波とは「海水全体が塊で迫ってくるもの」を指し、30cmを超えたあたりから車を浮かし1mもあれば木造住宅に被害が出始めるほどのもの。

大丈夫だと思ってしまいそうな、ヒザほどの波だとしても想像以上の威力を持つのが津波。
・30cm~50cmでは車やコンテナが浮き出す
・50cm~70cmでは健康な成人も流され出す
・70cm~100cmでは立っていることなどできない。大きな漂流物にぶつかり死亡する確率は限りなく100%に近い

数十「メートル」では太刀打ちできないことは簡単に分かるものの、数十「センチ」でも注意報が出るのにはそもそも波とは性質が違うという理由があります。

津波
出典:東京新聞

さらに津波の何が怖いかというと1度目の津波(=第1波・だいいっぱ)で済まず、後続する第2波以降にもっとも高くなり得ることです。

巨大地震になると、長大な津波断層域のそれぞれ場所で発生した津波は、互いに重なりあい、
更にそれらが海岸で反射しながら、各地域の海岸に何度も押し寄せる。
第1波だけでなく、その後も、5、6時間から半日程度は繰り返し大きな津波が襲来する

内閣府 報道発表資料

寄せる「押し波」、破壊した家屋や車といった漂流物を海の中に巨大な力で引き込む「引き波」を繰り返し勢力を増しながら時に何tの岩や住居すら軽く持ち上げて流します。湾や崖など、方角や地形によっては水の行き場がなくなり「予想される波の高さ」から最大4倍ほどとなることも。東日本大震災では岩手県大船渡市・綾里湾で40.1mの遡上高が観測されました。

大地震シミュレーション動画 〜もし大地震に遭遇したら〜

動画は、鎌倉市で想定されていますが他人事ではありません。元の街並みを知っている人たちは「まさか」と思われるでしょう。先の東日本大震もそうです。まさか、そんな大きな津波がくるわけがないとおそらく日本中が考えていました。

津波発生の避難時にはどうあるべきでしょうか。見慣れている街並みを地形の異なる4つの視点から津波が襲う、リアルなシミュレーション映像があります。
鎌倉市発表では震源域によっては津波発生から街に到達するまでの時間が推定8分。このわずか8分での行動が結果を分けます。

最初~5:18までところどころに実際の津波の映像が含まれますのでショックな映像の視聴を控えたい方はご注意ください:
・東日本大震災(2011年3月11日)の実際の映像…最初~0:24、2:05~2:30、2:37~2:43、2:51~2:59、5:09~5:18
・関東大震災(1923年9月1日)の実際の映像…0:25~0:45
・津波イメージ…4:11~4:23

由比ヶ浜シミュレーション

特徴…低地。街のかなり奥まで津波が届くことが想定されています。
動画…5:49~

鎌倉駅周辺シミュレーション

特徴…低地。駅前までくることが想定されています。
動画…7:33~

七里ヶ浜シミュレーション

特徴…高台が背後に。しかしこれだけで安心してはいけない。海から高台までは、高い石段を登り国道と江ノ電に注意して安全に移動する必要があります。
動画…8:54~

腰越商店街シミュレーション

特徴…谷状の低地あり。津波は川に沿って遡上してきます。川から離れ高台へ非難し、方向が分からなくなったら避難方向を示す道路表示に従っての移動を。
動画…10:26~

成人が50cmの高さの津波に襲われるシミュレーション動画

0:20~0:50が津波実験となります。数字だけ見ると「わずか50cm」と感じるかもしれませんが、波浪と違い、津波は50cmもあればとてもその場に立てる状況ではありません。

過度に心配し過ぎるのはよくなくても『起こり得る』こととして注意しておくべきことです。
忘れてはいけないのが津波発生時になす術はひとつ…『高台に逃げること』!

被災地からの教訓

◆津波てんでんこ

この教えを守った岩手県釜石市の児童・生徒の99.8%が助かった話から、「釜石の奇跡」として広く知られるようになりました。

てんでんことは方言で「各自」「それぞれ」といった意味。「津波がきたら各自で逃げなさい」ということになります。もっと詳細にいうと海岸付近で地震を感じたときは津波から身を守ることをまっ先に考え、誰の指示も待たず自分で判断し、家族にすら構わず、各自で一刻も早くできる限りの高台に逃げ自分で自分を守りなさいというものです。

・自分で危機を感じ取り行動する
・早く高台へ
・家族のことも構わない

指示も待たず、家族を構わないなんて、と思われるかもしれません。しかし先の大震災では、家族を想うあまりに海沿いに戻ったり、津波の専門家とはいえない学校や会社の指示を優先にしたことで被害に遭われた命は実際たくさんあり、その逆に「津波てんでんこ」で守られた命も多くあったのです。

緊急時には、それぞれの状況の中でベストを尽くして身を守ること。大切な人とは、非常時にはお互いにまず自分の身を守る約束や、電話が繋がらないときの待ち合わせ場所などについて前もって話をしておくのもひとつです。

◆自分を助ける救助方法-UITEMATE-

漂流物のある場合は難しいかもしれませんが、先の大津波、東日本大震災のときにこの方法で助かった子どもがいることで有名になった、自分を助ける救助法です。助けを求めようと身体が縦になると溺れてしまうため、
・肩まで腕を開き浮きやすい態勢をつくる
・衣服は身に付けたまま、靴も履いたままで浮具代わりとする
のが特徴です。UITEMATEの方法であれば呼吸を確保しておくことができます。

海に落ちた時は「UITEMATE」海に落ちた時は「UITEMATE」

津波が来た時に気を付けること

避難場所はどこか?

海沿いにいる場合はできる限り、事前に津波避難所を確認しておくことです。津波がきたら高台に逃げるよりほかありません。

一刻も早く近くの高台へ

海沿いで揺れを感じたらそれがわずかに思えても、大したことないなどと思わずすみやかに近くの高台へ→高台がない場所の場合はできる限り海から離れる場所へ→それも難しければ鉄筋コンクリートか鉄骨でできた建物の高い階を一刻も早く目指してください。

車には乗らない

徒歩が原則です。
車に乗っている場合なら、渋滞に巻き込まれそうならキーを付けたまま路肩に駐車し、車から降りて徒歩で非難することです。
心配なのは渋滞だけでなく、津波にのまれたら現在の車のほとんどは内側からパワーウィンドウが開かなくなります。水圧でドアが開かなくなります。窓ガラスを壊して外に出られますか?通常、対応はかなり難しいことでしょう。

津波てんでんこを思い出す

お互いに、自分の身は自分で守る。

避難時には海はもちろん、川にも近寄らない

一刻も早く海や川から離れることです。津波の起こった2016年11月22日、地震の影響か宮城県多賀城市を流れる砂押川の水が逆流する様子が撮影された映像があります。避難時、遡上(そじょう・流れをさかのぼること)するほどの勢いの水に近づくなど危険極まりなく、もってのほかです。

 


 

いまだ残る津波の爪痕・2016

東日本大震災当時、宮城県気仙沼市は被害の甚大だった場所のひとつです。海にほど近い場所に位置した宮城県気仙沼向洋高等学校は4階まで津波が上がりました。校舎がこれほどの被害に遭いながらも逃げた職員・生徒は全員無事(向洋高校発表資料)。助かった理由はさまざま起因しますがいちばんの理由は、全員が団結し『より高台へ』『一刻も早く逃げきれた』行動であることは明白です。関係資料:3.11の震災直後の動向

2011年、津波による未曾有の大災害が起こりました。その後、街の中心部は整備され、現在では報道も減ったため世間では復興は済んでいる印象もありそうです。しかし津波が襲った地域は、街を一旦離れればあれからほとんど前に進めていない風景がいまだいくらでも広がっているのが現状。津波発生時からもう6年目を迎えようとしているのに、です。画像は2016年12月のもの。

※周囲の住宅地跡が更地のまま残る当時の校舎(2016年12月時点)。地震発生後37分後に第1波が校舎を襲い、続けて第2波、第3波が校舎4階に到達しました。
津波の爪痕

※津波の残した痛々しい跡は当時のまま(2016年12月時点)。なお、この校舎については、震災遺構として、津波の恐ろしさの伝承と防災教育のため後世まで残されます。
津波の爪痕

※校舎からほど近い海沿いはいまだに工事中の場所が続く(2016年12月時点)。
震災5年後の海

※住宅地跡は閑散としたまま。海沿いには真新しい、高い、防潮堤が建設中―(2016年12月時点)。
震災5年後の海

その後のすべてを一変させた3月11日…。優しいときもある海の、厳しいときの表情とは、これほどの力を持つものということです。

心構え

結局、頻繁に地震が起こる日本で最も怖いことは、多くの人が災害に慣れてしまっている面も少なからずあることです。「今度も大したことないだろう」などと注意もしないことがあるとしたら、実はそれが一番怖いところではないでしょうか。

これまでは大丈夫だったという僅かな経験に照らし合わせることなく、疑うことをやめないこと。自然に「まさか」はないことを肝に銘じ、「その時」には最後まで諦めずに身を守りましょう。

津波は、最初に引き波がくると思われていることもありますがこれは100%ではなく、引き波が起こらないでくる場合もあります。また日本の地震だけでなく海外の大地震の影響から来る津波の場合もあります。注意報、警報にも充分に注意しましょう。

わずか数十「センチ」もあれば、いとも簡単に成人を流してしまう自然の威力を忘れずに…

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この記事を書いたライター

Mg

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海の街に暮らしています。 海をベースに、人と自然の交わるところで日常がより良くなるような情報を発信していきます。