『ターゲットマーケティング』サーフィンとビジネスの関係性

ライター: masaaki

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サーフィンが東京オリンピックの正式種目に決まってから、メディアでの露出が増えてきています。それに伴い、サーフィンをしてみたいと思う人たちも増え、各有名ポイントではどんどん人が増えてきています。人が増えれば、そこに経済が生まれ、商売を営む人たちも増えてきます。そこで、今回はサーフィン業界のターゲットマーケティングの一案をご紹介します。

サーフィンに経済論を持ち出すことは、全てのサーファーに必要だとは思いません。しかし、そこで生活してくためにも、サーフィン業界の発展は不可欠ですし、経済のバックアップがあってこそ、世界に飛び立つプロサーファーが生まれることにもなり、子どもたちの未来の夢にも繋がることになるのだと思います。

サーフィンビジネス

 

・サーフィンとビジネス


サーフィンをする海は、当然ながらお金はかかりません。当たり前のようですが、ゴルフなどのスポーツは、練習場やコースも、毎回お金がかかるのと比べると、道具さえ揃えてしまえば、無料で楽しめるスポーツです。世界的規模の大きな大会でさえ、観戦料はかからないほどです。

しかし、お金が落ちないということは経済も回らず、ビジネス的に成長が難しい要因のひとつとも言えます。では、サーフィンにおけるビジネスとは、どのようなスタンスで考えるべきなのでしょうか。

サーフィンの捉え方は人それぞれあると思います。CTライダーを目指してプロの道で、世界を飛び回るアスリートもいれば、週末の娯楽として楽しむ一般サーファーに海が好きで移住する人。ショップやメーカーなどの業界に携わる人、サーフポイント近くで商売を営む人々もいます。

私は、そのすべてがサーファーであり、サーフィンとはライフスタイルの一つで、生き方、暮らし方も含めた文化なのではないかと思います。

 

 

・世代別ターゲット


日本経済が元気だったバブル期は、サーフィンブームも起こり、活発な個人消費から年商何億という、今では考えられないような売上を上げるサーフショップもたくさんありました。

この消費を支えた世代が高齢化した現在では、40代前半の「団塊ジュニア」、20後半から30代前半の「ミレニアル世代」と言われる各世代の個人消費が、日本経済を動かす時代にきています。

サーフィン業界でも、バブル期を支えた「団塊世代」の半数にも及ばない「ミレニアル世代」が消費ターゲットとなっていますので、業界の売り上げも激減していることは予想されます。

サーフィンビジネス

平成27年(2015年)国勢調査(抽出速報集計)」(総務省統計局)

 

消費拡大を狙うのであれば、人口母数の多い「団塊ジュニア」と呼ばれる40代前半をどのように取り込むかが、各業界における販売会社の必須マーケティングとなっています。サーフィン業界では40代から50代のサーファーは、決して多くありませんが、その要因のひとつは体力的なことでしょう。

私もサーフィンを始めたのは47歳からです。最初に教えて頂いたインストラクターの人たちは、20代の現役プロサーファーでした。我流で酷い癖のついた私を、丁寧に指導してくれましたが、20代の人たちと一緒にはとても体力がもちません。社会ではそこそこ上に立つ世代が、若い子にダメ出しされる悔しさと情けなさを、私はバネにしましたが、途中でやめる人も多いと思います。

もう1つ考えられる要因は経済的なことが挙げられます。40代前半といえば、社会的には働き盛りで、子どもの教育や住宅ローンなど、様々な理由から経済的に自由が利かない時期でもあります。また、バブル崩壊を目の当たりにした世代ですので、そもそも堅実で消費意欲が低い世代だとも言えます。

他にも要因はいくつかありますが、サーフィン業界の消費を向上させるため、またメーカーや企業のバックアップやスポンサー獲得の意味でも、この世代の消費獲得はサーフィン業界の発展に繋がる課題だと思われます。

 

 

・ターゲットマーケティング


サーフィンビジネス

団塊ジュニア世代の特徴は、贅沢品よりもレアもの志向、自己満足性が高く、情報収集力に長けている、価格の妥当性を重視して、物の良し悪しを判断することなどがあげられます。また、若年層よりは貯蓄額は高いので、自分が気に入ったものであれば高額な消費もするが、必要がないと判断したら安くても買わない。未来志向が弱く、レトロ趣向があり、自分の将来の夢を語るより、子どもに期待して、堅実な教育を行う傾向があります。

これらを考えて、どのような商品、サービスを提供するのか戦略が必要となりますが、この世代のヒット商品で主なものは「無印良品」「エアマックス」「Gショック」「焼き肉ブーム」「ラーメンブーム」「オタク文化」などです。

全国のサーフスクールでキッズスクールを開催しているところも多いと思いますが、ちょうど親であるこの世代がターゲット層となりますので、親子向けのイベントや子どもへの教育など、家族で継続して参加できる企画を増やすことは、有効と思われます。

40代、50代の世代だけで、同年代のインストラクター行うスクールや、体力を消費しないサーフィン技術の講習なども重要です。この世代は感覚的な指導よりも理論武装を好みますので、サーフィンを長く楽しむための指導方法が必要となります。全国の有名インストラクターのなかには、このような理論を武器にサーフィンの魅力を伝えている人がたくさんいます。

通常スクールは一回数時間で5~6,000円くらいだと思いますが、1日の講習で座学から実技まで20,000円ほどの料金設定をしているコーチも存在します。しかも予約が殺到して何か月も待つほどの盛況ぶり。やはりターゲットは40歳前後で、妥当な講習料として認知されるとリピーターも絶えません。

また、最近の国勢調査などの結果から、未婚率が取り沙汰されていますが、40代では男性約30%、女性約20%が未婚とされています。又、趣味や自己啓発、自分探しなどのキーワードを好み消費する世代と言われ、サーフィンやSUPを使ったヨガなどが人気なのも、うなずけます。サーフィンが、心と身体の健康に繋がることを知ってもらうサービスや、ステータス性のある商品を創造することが消費に繋がると思われます。

 

・経済的発展が幸福の全てではない


サーフィンビジネス

サーフィンはライフスタイルだと思っていますので、経済的なビジネスの発展が全てとは思いません。自然と向き合い、共存して、いい波を貰い、挑戦と挫折を繰り返し、自分を見つめ直して生活し、また海に向かう。そんな人生が理想と思い、私は田舎に移住してきましたので、経済的発展が目的ではなく、サーフィン業界がより良く発展することで、もっと自然の大切さや、人生においての豊かさを考える世の中になれば、サーフィンを楽しめる環境も、さらに良くなるのではないかと考えます。

最近SNSなどで、サーフィンネタを公開していると、「ネット・サーフィン」のタグにもかかるのか、「ネット副業」や「副業ビジネス」のスパムがたくさん来るようになりました。お金を稼ぐことが悪いとは思いません。むしろ生活を豊かにすることは重要な事です。私は、これまで20代から様々な事業を手掛けてきた経験と反省から、事業(仕事)には大義が必要だと思っています。

お金を稼ぐことが目的ではありません。2~300万円など六本木で飲めば一晩でなくなります。1,000万など銀座では1週間もちません。金額ではなく、どうやって稼ぐのか、どうやって使うのかが重要で、何を目的とするのか、その仕事は世の中に存在する意義はあるのか、そんな仕事の大義が明確でないものは、これまでも手掛けることはしませんでした。

サーフィン業界の経済力を上げることで、例えば日本にもウェイブプールが出来たりなどもありえます。そして全てのサーファーがより良い環境で、争うことなくサーフィンを続けることが出来て、子供たちが将来的に世界にも飛び立てる「夢」に繋がるものだと思います。

*前回の記事はこちら▶︎『日本と世界のサーフィン競技人口とサーファーの収入』サーフィン業界の現状と未来

"Catch The Funwave!" - WAVAL(ウェイバル)

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この記事を書いたライター

masaaki

サーフィンの魅力にとりつかれ海の目の前に移住し、スローライフな日々を過ごしています。海辺での生活の楽しさや、初心者にもわかりやすくサーフィンの魅力を伝えます。