ナザレで初の死亡事故が発生。サーフィン中に大波でワイプアウトし死去

Patricia De Melo Moreira/Agence France-Presse – Getty Images

有名ブラジル人サーファーMarcio Freire（マルシオ・フレイレ）47歳が、ポルトガルのナザレでサーフィン中にワイプアウトし死去したことがわかった。ポルトガル国家海事庁より金曜日に発表された。フレイレ氏は幼い頃からサーフィンを始め、2016年にハワイの巨大波「ジョーズ」の制覇を目指すドキュメンタリー映画「マッド・ドッグス」に出演。47歳だった。

ハワイの巨大波「ジョーズ」の制覇を目指すドキュメンタリー映画「マッド・ドッグス」に登場したマルシオ・フレイレ
Bang Showbiz, via Reuters

ナザレで初の死亡事故

ポルトガルの沿岸警備を担当する国家海事庁によると、彼は木曜日にジェットスキーで引っ張ってもらい大波に乗るトウイン・サーフィン中に転倒し、死亡したとのこと。救助隊がジェットスキーでなんとか浜辺に戻したものの、蘇生の試みは失敗に終わった。マルシオ・フレイレは事故当時、ビッグウェイバーにとって命綱となるカートリッジのコードを引くとベストが浮き輪のように膨張して海面へと浮上できるインフレータブルベストを着用していなかったようだ。

マルシオ・フレイレは幼い頃からサーフィンを始め数々の賞を獲得。地元で有名になった後、1990年代にハワイに渡り、それまで不可能とされていた「ジョーズ」の大波にパドルサーフィンで挑みサーフィン界に衝撃を与えた。かつてのインタビューでは「サーフィンを職業としてではなくライフスタイルとしてとらえており、スポンサーを得ることはほとんどなく、サーフィンへの情熱を支えるため別の仕事をしていた」と語っていた。また最近、ポッドキャストでは「サーフィンで生計を立てたことはないし、私はごくわずか、指で数える程の数しかサーフィンでお金を得たことは無かった。自分はソウルサーファーだったんだ。」と語っていた。

ビッグウェイバーの聖地となってから事故が増加

かつてポルトガルの静かな漁村だったナザレは、世界最大級の波が立つことで知られ、この町は近年でビッグウェイバーのメッカとなった。2011年にアメリカ人のギャレット・マクナマラがサーフィンの世界記録を樹立し、ナザレを地図に刻んで以来、この人気スポットでは数々の事故が発生。しかし、サーファーが死亡したのは今回が初めてだと、地元海洋警察が公表している。

かつてナザレで背中を負傷したイギリス人サーファーのアンドリュー・コットン「ナザレは他のビッグウェーブスポットの波とは違うんだ。他のビッグウェーブスポットは同じ場所でブレイクし、どこに波が来るかほぼ予測可能だけど、ナザレは色んな場所に波が来るんだ。」

フレイレ氏の訃報が伝えられると、世界のサーフィン界から追悼の言葉が寄せられた。

「あなたの功績は、私たちの心の中で永遠に生き続けるでしょう。また会う日まで、私の兄弟よ。」2016年のドキュメンタリーでフレイレ氏とともに主演したブラジルのビッグウェーブサーファー、ユーリ・ソレダーデ氏はインスタグラムの投稿にそう記した。

スポーツ写真家のフレッド・ポンペルマイヤーは、同じくインスタグラムでこう書いている。「今日、我々は偉大な男であり、良い仲間、そして伝説のサーファーであるマルシオ・フレイレを失った。彼はとてもハッピーな精神の持ち主で、いつも笑顔だった。”そして、”安らかに眠れ、我が友よ “」と付け加えた。

アメリカのビッグウェーブサーファー、イアン・ウォルシュは、インスタグラムの投稿で、「彼は、真のパイオニアだ。マルシオはハッピーなエネルギーを持った、特別な人だったよ。彼と会うと、その日一日が楽しくなるような人だったんだ。」とコメントした。

マルシオの1週間前のインスタグラムには、ナザレ近くから父親の81歳の誕生日を祝う投稿がされていたばかりだった。

ご冥福を心より祈ります。

記事参考元：https://www.nytimes.com/