「いびき」の仕組み・原因と、いびきに潜む重大疾患とは?

ライター: WAVAL

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Photo by Instagram – @alanarblanchard

 

サーフトリップ中、仲間の”いびき”が気になった経験を持つ人は多いのではないでしょうか?サーフトリップあるあるですね。

かくいう自分も大きな”いびき”をかいているかもしれません。笑

しかし、実は”いびき”には中々気づきにくい恐ろしい要素が隠されており、笑い事で無いことも多くあるのです。


いびきの種類

いびきには「生理的ないびき」「病的ないびき」があります。

「生理的ないびき」とは、健康な人であっても起こすいびきですが、音自体はそれほど大きくもなくせいぜい大きめの寝息程度です。

一方「病的ないびき」になると音は他人の睡眠を邪魔するほどに大きく、また最悪の場合命を落とす危険性が隠れていることもあり治療が必要となります。

「生理的ないびき」も疲れが溜まっていると音が少し大きくなる傾向があります。したがって、サーフィンで疲れた後はいびきが大きくなりがちなのですが、そもそもどうしていびきが起こってしまうのか?その原因に迫っていきましょう。

 

いびきの仕組み

いびきの原因は就寝後の顎から首にかけて起こる筋肉のたるみ口蓋垂(こうがいすい:いわゆる「のどちんこ」と周囲の粘膜組織のこと)にあります。

もう少し具体的に言うと、日中受けた心身の疲れやストレスなどは寝ている間に活性化する副交感神経という自律神経によって癒されます。この時筋肉のハリや強張りを取るために筋肉を弛緩させるホルモンが分泌されます。仰向けに寝ていると顎や首を覆っている筋肉は重力の影響で床側に垂れ下がっていきます。こうして弛緩した筋肉の重みで気道が圧迫され、口蓋垂を振動させることで、いびきが発生します。いびきは鼻の障害と誤解している人が非常に多いのですが、実は音の発生源は喉にあるのです。

疲れが溜まっていると副交感神経は疲れを取るために筋肉を弛緩させるホルモンを盛んに分泌しようとするため、気道の圧迫が強まりいびきの音が大きくなります。「病的ないびき」の場合はなんらかの原因で気道狭窄の度合いが尋常ではなくなってしまい、音も相対的に大きくなるという原理です。

 

病的ないびきとは

病的ないびきの中でも最も注意しなければならないのが「睡眠時無呼吸症候群」。この病気の最大の特徴が、轟音のような激しいいびきと無呼吸状態を繰り返すという点です。睡眠時無呼吸症候群の人の就寝中の様子をモニタリングしているといびきが数秒から数分間に渡って静まり返る瞬間がありますが、この時は全くの無呼吸状態になっていると考えられます。

いびきの大きさは気道の狭さに比例するため、いびきが大きい人というのはもともと十分な呼吸が得られていない上に完全無呼吸の状態が加わることで、脳は酸欠状態を察知し、起きている時に活性化する交感神経を呼び覚まし、なんとかして酸欠状態から脱しようと試みます。このため、体は寝ていても脳は覚醒してしまい本人には無自覚な不眠状態が慢性化することになります。

不眠症は重大な精神疾患の一つで、不定愁訴(イライラしがちで短気になる)や易疲労感、無気力、そう鬱状態、意欲や体力の低下、集中力の欠如などを招きます。また夜眠れていない分、日中に抵抗できないほどの強い睡魔に襲われ重大な事故を引き起こす危険性が増してしまいます。

睡眠時無呼吸症候群が広く知れ渡るようになったきっかけである、JR福知山線の脱線事故は運転手が不注意で居眠り運転をしたのではなく、コントロールできないほどの強い睡魔に襲われてしまったことが原因で起こった不幸な事故なのです。

サーフィンをはじめとしたマリンスポーツは高い集中力が求められるスポーツです。もし、睡眠時無呼吸症候群を患っているとしたら重大な海難事故を引き起こす危険性が極めて高い身体状態であると判断されるため、早期発見と適切な治療が必要となるのです。また長期間脳が低酸素状態に陥ると、めまいや耳鳴りを起こし三半規管にも悪影響が出やすいため、サーファーにとっては命取りとなるリスクが高い病気が睡眠時無呼吸症候群と言えます。

いびきの原因

「いびき」といってもその原因は色々。複数の原因が重なり合っていることも多くあります。

・口呼吸
・肥満による気道の狭さ
・鼻の疾患による口呼吸
・仰向けでの就寝
・あごの小ささや歯の噛み合わせの悪さ
・疲労により多くの酸素を取り込もうとする際の口呼吸
・アルコール、薬、老化による筋肉の緩み
・不規則な生活リズムによる疲労、ストレス拡大

まずこれらの原因を取り除くことが”いびき対策”では重要になります。

その他、以下のような何らかの病気の可能性もあります。

 

その他の大きないびきをおこす重大な疾患

・脳梗塞や脳溢血、脳腫瘍などの虚血性脳疾患
・膠原病
・COPD(慢性閉塞性肺疾患)
・気管支喘息や慢性副鼻腔炎などの慢性呼吸器疾患
・甲状腺の病気

などが挙げられます。さらに、大いびきをかく人は鼻呼吸よりも口呼吸が多くなるという統計があり、口呼吸はドライマウスを招き、口臭がキツくなったり歯周病リスクが上昇したりします。まさに良いことなしなのです。


 

自身や友人において思い当たる節はありませんか?

いびきの厄介なところは本人には自覚がないという点。誰かにいびきが大きいと指摘されたことがなくても、十分に寝ているはずなのに疲れが取れないとか、日中に強い眠気が襲ってくるという経験がある人は睡眠時無呼吸症候群を疑う必要があります。少しでも「いびき」に異変を感じたり指摘されたりする機会があれば迷わず医師へ相談することをオススメします。早期発見・早期治療を心がけ、自分はもちろん大切な仲間たちとともに快適で安全なサーフィンライフを送りましょう♪

 

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